子どもが学校生活を楽しめるような親の働きかけは?[教えて!親野先生]

今週の相談

 

先生に「他の子どもよりも一つか二つ幼い感じで、クラスのペースについてこられません」と言われました。教室ではぼんやりしていて、みんなが今何をしているのかわかっていないことが多いそうです。「きつい」と言って早退したことも二度あります。特に仲の良い友達もいないようです。早寝早起きで、登校を嫌がることはありませんが、学校に馴染んでいけるのか心配です。もっと子どもが学校生活を楽しめるように親ができる働きかけがありますか?(ちょろ)

 

【親野先生のアドバイス】

ちょろさん、拝読いたしました。

「先生に『他の子どもよりも一つか二つ幼い感じで、クラスのペースについてこられません』と言われました。教室ではぼんやりしていて、みんなが今何をしているのかわかっていない事が多いそうです」

小学生段階では、それぞれの子どもの成長度合いに大きな違いがあります。特に1、2年生では、その差が大きいようです。なかでも、早生まれの子、特に3月生まれの子は、だいたいにおいて幼い感じがするものです。でも、成長するにしたがって、だんだんそれはわからなくなっていきます。6年生くらいになれば、誕生月による差というものはほとんどわからなくなってきます。

でも、成長の度合いは、必ずしも誕生月によって決まるものでもありません。3月生まれでも早熟な子はいますから。一言で言えば、「子どもの成長はいろいろ」としか言いようがないのです。

ところで「クラスのペースについていけない」とか「ぼんやりしていてみんなが今何をしているのかわからない」ということの理由は、何によるものなのでしょうか?それは、ただ単に成長のスピードが遅いことによるものかもしれません。または、もっと別の理由があるかもしれません。たとえば、環境によるものとか、本人の特質や能力によるものとかも考えられます。

親としては、自分の子どもが主にそのどちらに当てはまるのかを考えてみる必要があると思います。というのも、親は漠然と成長の度合いが遅いからだと考えていたが、実はそうではなかったということもたくさんあるからです。

前者の場合、だんだん自然に追いついてくるので、それほど心配する必要はありません。また、心配してもどうしようもないともいえます。

先程も言ったように、6年生くらいになれば自然に追いつき、それまでの遅れも自然に取り戻せるようになるものです。成長のスピードを速めようなどと考えて、やらなくてもいいことをするのは、かえってマイナスです。だいたい、ろくなことにはなりません。

できることは、その子の成長の度合いを理解して、温かく見守ってやることです。できることをほめてやり、いいところを伸ばしてやってください。そして、自分に自信がもてるようにしてやってほしいと思います。

決して、その子が、自分はダメだという気持ちにならないようにしてやってください。叱りすぎて、自信をなくさせたり、親の愛情を感じられないようにさせてしまったりすることがないようにしてください。

そして、担任の先生に、そのことを話しておくといいと思います。そうすれば、いろいろな場面で割り引いて考えてもらえたり、配慮してもらったりすることができます。

もうひとつの場合も考えられます。つまり「クラスのペースについていけない」とか「ぼんやりしていて、みんなが今何をしているのかわからない」ということの理由が、成長のスピードの遅さからくるものではない場合です。

たとえば、環境によるものとか、本人の特質や能力によるものとかも考えられます。親は漠然と成長の度合いが遅いからだと考えていたが、実はそうではなかったということもたくさんありますので、親としてはその辺をよく見極めることが必要です。

たとえば、親がとても厳しくて家で緊張して過ごさなければならない子もいます。そういう子は、学校に来ると気が抜けてしまって、ぼんやりしてしまうことがよくあります。または、生活のリズムが安定していなくて、ぼんやりしてしまっているという子もいます。これらは、すべて環境によるものです。このような場合、やらなくてはならないことは明らかです。

では、本人の特質や能力によるものの場合はどうでしょうか?この場合は、その子に応じた適切な支援が必要になってきます。家で勉強を見てやったり、生活面のことをいろいろ教えたりすることが必要です。また、担任の先生とも連絡を取り合い、お互いに協力することも必要です。

そのとき、一番気を付けてほしいのは、次のことです。つまり、大人が一生懸命やっても子どもに成長が見られない場合、いらいらして感情的に叱ったり人格を傷つけるようなことを言ったりしてはいけないということです。このような場合、なかなか思うように子どもが伸びていかないことが多いということを、まず頭に入れておいてほしいと思います。そして、結果を求めすぎないで、楽しみながらそれに取り組んで欲しいと思います。

「特に仲の良い友達もいないようです。早寝早起きで、登校を嫌がることはありませんが、学校に馴染んでいけるのか心配です。もっと子どもが学校生活を楽しめる様に親が出来る働きかけがありますか?」

子どもが学校生活を楽しめるための一番のポイントは、友達がいるかどうかということです。友達さえいれば、ちょっとくらい嫌なことがあっても、学校が楽しくなるのです。ですから、友達が作れるように支援してやることはとても大切です。

そのために一番いいのは、担任の先生に頼むことです。

・担任から気の合いそうな子に頼んで、その子と一緒に遊んでもらう。または、その子を遊びの仲間に誘ってもらう。
・担任の指導のもと、班遊びやグループ遊びなどをさせて、友達を作れるようにしてやる。
・授業中に、班活動やグループ活動の時間を多く取って、友達を作れるようにしてやる。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ちょろさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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