E判定に落ち込む受験生の我が子が心配…どうサポートすべき?/保護者のお悩み解決隊#7

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模試の判定に落ち込む受験生のお子さまの様子に、胸を痛めている保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。「もうダメだ」「志望大を変更するべき?」と自信をなくしている姿に、なんとかして気持ちを立て直せるサポートをしてあげたいと思いつつ、どうすればいいか迷ってしまうこともあるでしょう。

そこで、E判定を取ってしまった受験生とその保護者の体験談をマンガ化。先輩保護者は逆境に苦しむ受験生をどのようにサポートしていたのかをご紹介します。

この記事のポイント

部活引退後、E判定にショック……どうサポートする?

E判定に悔し涙を流す子どもの姿に、胸がつぶれるような思いがしたかたもいらっしゃるかもしれません。マンガの中の受験生のように、自信を取り戻し、前向きな気持ちで本番を迎えられるようにするには、どのようなサポートが必要なのでしょうか?

まさかのE判定。落ち込む我が子にできるサポートは?

落ち込む受験生の我が子へのサポート法について、先輩保護者にアンケートを実施。3,580名のかたからいただいた回答を紹介します(※1)

子どもの話を聞くことに徹する

  • 最後の共通テスト直前模試で志望大がE判定だったことがとてもつらそうでした。かなり気持ちの浮き沈みが激しくなっていたので、話してくれる時はどんな時もとにかく子どもの話をよく聞くようにしていました。
  • 模試判定は、だんだんとDとE判定ばかりになっていきました。本人がどうしたいのか決めること、と腹をくくり結果に対してはあまり触れず、本人が話してきたら、聞くことに徹しました。最後に「がんばってるね」と言うことで精いっぱいでした。苦しいのは本人と思い、特別なことはせず、言わず、ただ体調管理にだけ集中しました。

ショックを受けて苦しんでいるのは、受験生本人。それが痛いほどわかるからこそ、あえて保護者からはあれこれ話を切り出さないようにしたという声が多く寄せられました。保護者のかたが信じて待っていてくれている様子を感じたからこそ、受験生本人も不安な気持ちや悩みを話してみようと思えたのかもしれませんね。

信じて見守る

  • 模試でE判定が続いていましたが、本人が一番傷ついているので、そっと見守りました。本人が話してくることに対してポジティブな発言を心がけました。
  • 模試ではE判定が続き、担任との面談でも「受験校を選ぶのはお子さんなのでなんとも言えませんが、死ぬ気でやっても合格できるかどうか……」と言われました。本人もわかっていることなので、いろいろ言いたいことはありましたが、グッとこらえて黙って見守り、ここぞという時だけ応援の言葉をかけました。気分転換したい気分の時はとことん付き合いました。

悪い判定結果は、保護者のかたも動揺が大きいもの。それにもかかわらず、お子さまを見守り続けるというのは、お子さまを信じる保護者のかただからこそできるサポートですね。自分を信じてくれる保護者の揺るぎない姿勢を感じることは、動揺していた受験生の気持ちを落ち着け、「がんばってみよう」とリスタートの力を与えるはずです。

これまでのがんばりを認めた前向きな言葉かけ

  • 最後の模試もE判定で「これは最悪の結果もあるかも」と覚悟を決めましたが、子どもには「今まで必死にやってきて、行きたいと思って決めた第1希望の大学なら、最後まであきらめるんじゃない」と言って声をかけていました。あきらめないことが大切だと、改めて感じる受験でした。

これまでのがんばりを認め、「大丈夫」と太鼓判を押してくれる保護者のかたの姿と言葉が気持ちを奮い立たせてくれるもの。弱気になる時こそ、「こんなにがんばってきてるよ」と努力のプロセスを思い起こさせてあげることが大切なのですね。

先輩保護者からは勉強そのもののサポートよりも、気持ちに寄り添う、信じる、前向きな言葉をかけるといったメンタル面のサポートに徹したとの声が多く寄せられました。E判定を取った受験生本人は、ショックを受けつつも、時に先生や友達に相談しながら勉強の戦略を立てていくはず。
その力を信じて、後ろからそっと背中を押してあげるサポートを心がける保護者のかたが多いようです。受験生にとっては、信じてもらえているという実感が、ショックを受けた気持ちを回復させ、再度がんばろうと気合を入れ直すことにつながるでしょう。

なお、志望大とお子さまとの実力の差にギャップが大きい時は、「通ってもいい」と思える併願大をお子さまと一緒に探しておくのもオススメです。
第1志望大の受験の前に併願大の合格をつかんでおくことで、自信を持って第1志望大の受験に臨めた例も少なくありません。

先輩保護者の経験から学ぶ!受験生にやっておいてよかったこと、失敗したこと

悪い判定を受けて落ち込むこと以外にも、受験生はスランプに陥ったり、本番が近づくにつれ焦りと緊張が大きくなったりすることも多いものです。子どもが安心して受験勉強や受験本番に臨めるようにするにはどうすればいいのでしょうか。先輩保護者のやっておいてよかったことと失敗したことを聞いてみました(※2)

やっておいてよかったこと

普段どおりの生活

  • 進路の悩みは子どもから言うまでこちらからは何も聞きませんでした。またプレッシャーにならないように、なるべく普段と同じような生活を心がけました。
  • 基本的には普段と変わらない生活を心がけていた。なるべく家族で食事をとるようにして話をしてリフレッシュしたりした。感染症対策のため、外食は極力控えた。

保護者まで緊張や動揺していては、受験生はますます落ち着かなくなってしまいます。「普段どおり」にすることは、平常心を保つためにも必要ですね。

出願や入試スケジュールまわりのサポート

  • 出願書類の取り寄せや、申し込み手続きを全面的にサポートしました。受験勉強しながらの出願手続きは、大変だと思います。
  • 出願がスタートする1月から最終の合格発表、入学手続きが終わるまでのカレンダーを作成し、家族が共有できるようにしました。受験する大学別に、申し込み日、試験日、受験票出力、合格発表、手続き締め切り等を書き込みました。アナログですが、目で見て、どこが忙しいか、気を付けないといけないかが一目瞭然でした。一つひとつ終えて、チェックをしていくのも楽しみの一つでした。

出願手続きや入試スケジュールの管理は、細かな事務作業も多く大変なもの。お子さまが慣れない手続きに右往左往してしまわないためにも、保護者のかたが適切にサポートし、安心して勉強できるようにしてあげたいですね。

体調管理

  • 睡眠はしっかり取るように声かけし、早寝早起きと朝食を必ず食べること、また、某乳酸菌飲料を飲んで、体調管理を見守ったおかげで、全試験(後期日程まで)が終わるまで、体調を崩さずがんばり抜けました。
  • 食事やお弁当作り。学校生活に影響が少ないように、コロナやインフルエンザワクチン接種のスケジュール管理をしました。共通テストをベストな体調で受けられるように日頃から家族で生活習慣のサポートをしていたと思います。

体調を崩してしまっては、持っている力を出し切ることができない可能性も。無理をしてしまいがちな受験生だからこそ、栄養と睡眠をとることがおろそかになってしまうこともあるでしょう。保護者のかたがしっかりサポートをしてあげられるといいですね。

失敗したサポート

声のかけすぎ・アドバイスのしすぎ

  • もっとできるはずなのに、と思って声かけしていたように思います。そのままを認めてあげられたらよかったのに。幸い志望大に合格でき、自分は運がよいと変な自信を持っていますが、萎縮させてしまったように思えて大反省です。
  • 『赤本』の解答用紙を作成したり、いろいろとサポートしたつもりでしたが、やりすぎていたと反省しています。本人のやり方がもどかしく、ついいろいろとアドバイスしてしまい、よくなかったのではないかと思っています。
  • 声のかけ過ぎはプレッシャーになっていたようです。進路が決定したあとに子どもからそう言われました。

よかれと思ってのアドバイスがプレッシャーになってしまうこともあるようです。時には、グッとこらえることも必要なのかもしれませんね。

保護者が動揺や焦りを見せてしまった

  • 成績が直前になって少し落ちたため、私が不安になってしまいました。子どものほうが不安なのに、不安がっている所を見せてしまったのは悪かったなと思います。
  • 併願大に落ちた。「まじか~」と言ってしまった。本人が一番思っていること。気を付けないとと思っていたが後の祭り。

不安や焦りは受験生本人が一番強く感じるもの。それを増大させてしまわないためにも、保護者のかたはドンと構えておいてあげられるといいですね。

まとめ & 実践 TIPS

先輩保護者のアンケート回答から、受験生へのサポート法をご紹介しました。不安を覚え、気持ちの浮き沈みもしやすい受験生。いつも身近にいる保護者の信頼や見守り、励ましが揺れ動く心を落ち着かせ、自信を付けていくことにつながるはず。自分を認めてくれる存在があってこそ、自分を信じる力もわいてくるでしょう。保護者のかたも不安がつきない時期ですが、お子さまが安心して力を発揮できるよう、サポートしていけるといいですね。

(出典)
※1
受験体験談に関するアンケート
調査地域:全国
調査期間:2023年4〜5月
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:3,580名

※2
受験直前の追い込み期にやっていたことアンケート
調査地域:全国
調査期間:2023年11月
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:170名

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プロフィール

西野貴昭

ベネッセコーポレーション
進研ゼミ「高校講座」進路指導センター

20年以上にわたり高校生の進路選択・大学受験支援に従事、全国の高校生からの進路・学習法相談を多数受けてきた実績を持つ。現在は進研ゼミ進路教材開発、進路セミナー講師を務める。

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さざなみ

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さざなみ

子供の個性や成長と真剣に向き合う育児エッセイが共感を呼びSNSで話題となる。『「どんなときでも味方だよ」って伝えたい!』書籍化。
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