保護者同士のお付き合いが悩ましい【親野先生アドバイス】

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学校の参観日やPTAなどでの保護者同士の付き合いには、どこまで付き合えばいい? 気が合わなくても付き合ったほうがいい? どうやって声をかければいいの? など、さまざまな疑問の声が。教育評論家の親野智可等先生に、無理のない付き合い方のヒントをお伺いしました。

この記事のポイント

悩みはいろいろ……正解がないから難しい

子どもが学校に通っていると、保護者同士が顔を合わせる機会は少なくありません。時には集まって活動したり係を引き受けたりと、コミュニケーションも必要に。そんな時、苦手な人がいたり、グループができていて入りづらいと感じたりすると、気が重くなってしまいます。まわりに気を遣って気疲れしたり、面倒に感じたりすることも。

保護者同士の付き合いでの「ほどよい距離感」は、個々の性格や価値観によって大きく異なります。また、とりまく環境も地域や学校によって違います。ですから、どう付き合っていくかは難しい問題で、なかなか答えも出せません。

とはいえ、無理してすべて相手に合わせたり、気持ちをため込むのは精神衛生上よくないですね。どこまでプライベートを大切にするか、時間を割くかなどを考えるうえで、自分の心地よさは、大切な基準です。地域のマナーや雰囲気を考慮しながら、「自分はこのくらいの距離感でやっていこう」と自分軸で判断すれば気が楽になるかもしれません。

世界を広げてストレスを減らす工夫を

保護者同士の付き合いは縁でもあるので、気の合う相手に出会えれば、一生の友人になることもあります。けれども、必ずしも学校の中でその相手を見つける必要もないのです。学校での人間関係が悩みのタネになるような時は、学校ではほどほどに付き合って、趣味の活動やボランティアなど、外の世界に目を向けてみましょう。

重要なのは、毎日を楽しく過ごせるということです。そのために、親自身が世界を広げ、複数の居場所を持っておくのはよい方法です。ぜひ、夢中になったり笑顔になったりできる時間をつくってください。そうして親が大らかな気持ちで子どもに向き合うことで、子どもも安心して成長していけるのです。

また、子育ての問題も、そのほかの問題も、誰かに話してみると解決のヒントが見つかったり気持ちが軽くなったりします。お互いに同じような悩みや気がかりを持っている人がいれば、共感し合えるだけでつらさがやわらぐこともあります。心の支えになる場所、人を探してくださいね。

つながりに助けられる場面もある

わずらわしくも思える保護者同士の付き合いですが、子どもの学校生活を見守るうえでは、助けになることもあります。たとえば行事の服装や持ち物、課題の提出期限など、子どもからの情報だけでは心もとない時に、聞ける相手がいると安心です。

また、子どもの学校での様子が気にかかる時など、子どもの友達が家庭で話したことが保護者から伝わり、貴重な情報になることも。深く付き合わないまでも、同じクラスの保護者には、あいさつをして顔見知りになっておくといいですね。

特に1学期は、新しい友達の名前を耳にする機会が多い時。子どもとの会話で出てきた友達のエピソードや、参観日の様子などに気を配り、子どもの交友関係をキャッチしましょう。仲良くしている子のよいところを見つけて、相手のおうちの人に伝えると、よい関係づくりのきっかけにもなりますよ。

まとめ & 実践 TIPS

保護者同士の付き合いは、自分に合った距離感でオーケー。そのうえで適度にコミュニケーションをとっておくと、情報源になったり、相談相手になってくれたりと、助けられる場面もあります。学校以外の場所に仲間や友人を見つけておくのもよいですよ。

プロフィール


親野智可等
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・『子育て365日』(ダイヤモンド社)
・『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)


長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。
Instagram、Threads、X、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」などでも発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。『子育て365日』『親の言葉100』などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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