保育園の費用はいくら?保育料は何で決まる?無償化についても解説!

幼児教育・保育無償化により3〜5歳児が利用する保育園の利用料は無料になりました。しかし、すべての費用が無料になったわけではありません。また0〜2歳児は利用料がかかります。そこで、今一度、保育料はいくらぐらいかかるのか、保育料の仕組みはどのようなものか、確認をしておきましょう。

認可保育園と認可外保育園の違い

保育料は、認可保育園と認可外保育園では仕組みも料金も違います。まずは、それぞれの保育園の違いについて確認していきたいと思います。

認可保育園とは

認可保育園とは、保育士の人数、保育施設の面積等、国が定める一定の基準をクリアし児童福祉法を根拠に設置され、各都道府県知事が認可した保育園のことをいいます。主に、公立と私立の2種類に分けられ、公立は各自治体が運営し、私立は社会福祉法人や株式会社、宗教法人などが運営しています。そのため私立は園によって保育方針や独自の特色が公立よりも強い傾向にあります。保育料については公立も私立も同じです。

認可外保育園とは

一方、認可外保育園とは、児童福祉法に基づく認可を受けていない保育施設のことをいいます。認可を受けていないからといって、保育レベルが低いわけではありません。各自治体が指導監督を行っていますし、英語など教育に力を入れていたり、保護者に柔軟に対応してくれたり、保育サービスの質が高い園はたくさんあります。また、東京都には、都の基準を満たす認証保育園の制度があり、認証保育園は認可外保育園に該当します。認可外保育園の保育料は園によって異なります。

幼児教育・保育の無償化とは

保育料を知るうえで、まず知っておきたいのが幼児教育・保育の無償化制度です。この制度は、2019年からスタートしました。3〜5歳までのすべての子が利用する保育園、認定こども園、幼稚園の利用料が無料になる制度です。0〜2歳児については住民税非課税世帯の子を対象として保育料が無料になります。

しかし、すべての保育施設が上限なく無料になるわけではありません。幼稚園については2万5,700円が月額上限、認可外保育園については3〜5歳児は月額3万7,000円、0〜2歳児の住民税非課税世帯の子は月額4万2,000円が上限です。

無料になるのは保育料のみで、通園バス代、延長保育代、給食費、行事費等は原則、保護者の負担となります。では、実際、保育園にかかる費用はいくらくらいなのでしょうか。

認可保育園の平均費用は?

まずは、認可保育園にかかる費用についてみてみましょう。

0〜2歳児の費用

0〜2歳児は、住民税非課税世帯でない限り保育料がかかります。認可外保育園の場合は、月額4万2,000円までの利用料が無料になりますが、この4万2,000円という数字は、認可保育園の保育料の全国平均の金額です。したがって、認可保育園に通う0〜2歳の子の保育料平均は約4万2,000円と言えるでしょう。

3〜5歳児の費用

次に、3〜5歳児の費用についてです。まず、保育料は全員無料ですからゼロです。したがって、保育料以外の実費などが、保育園にかかる費用になります。そこで、実費等に関するデータを見てみましょう。

2015年厚生労働省「地域児童福祉事業調査」より筆者作成

上記は、認可保育園の1人目の子の1ヵ月あたりの①実費徴収と②上乗せ徴収の金額の分布です。①の実費とは、給食代や通園バス利用料等、②の特定負担額とは、保育園ごとの施設維持を目的とした上乗せ徴収のことです。

実費徴収においては、1ヵ月にあたり5,000円未満、特定負担額については0円の価格帯のデータ数が最多となっています。

給食費は7,500円、自治体で異なる給食費負担

しかし、このデータは無償化前のデータのため、現在とは異なる点があります。それは、給食費の徴収の仕方が当時と今では違うということです。当時は、給食費のうち、お米やパンなど主食費を実費徴収、おやつやおかず代の副食費を保育料に含めるという形で、分けて徴収していました。
ところが、無償化に伴い給食費は主食費も副食費も合わせて実費徴収となりました。給食費自体の金額は7,500円で変わりませんが、実費徴収に含まれる給食費の内訳が変わったので、この点、実費徴収の金額に変化が出てくるかもしれません。

・自治体で異なる給食費負担

とはいえ、給食費の扱いは自治体によって様々です。例えば、世田谷区は無償化前から主食費を区が負担していたため、無償化後もその制度を引き継ぎ、保護者の負担は副食費4,500円のみとなっています。江戸川区においては、給食費はすべて区が負担し、保護者から徴収はありません。給食費はお住まいの自治体の制度によって金額が異なります。
したがって、保育園にかかる平均的な金額ということだと、延長保育を利用するかどうか等でも費用が変わってきますが5,000〜10,000円程度見ておけば良いと言えるでしょう。

認可保育園の保育料は何で決まる?

それでは、0〜2歳児の保育料はどのようにして決まるのでしょうか?保育料を大きく左右する3つの要素についてみていきましょう。

1)住民税の所得割額

保育料は、住民税の市区町村民税の所得割額をもとに決定されます。所得割額とは、所得に応じて課されるもので、所得が高いほど所得割額も高くなります。所得とは、自営業者であれば売上(収入)から経費、社会保険料や生命保険料控除など各種控除を引いたもの、会社員であれば収入から給与所得控除(=会社員の経費として税法上定められたもの)や各種控除を引いたものです。
この所得をもとに、住民税の所得割額が計算され、その所得割額をもとに保育料が決定する仕組みです。所得割額は、住民税決定通知書や納税通知書で金額を確認することが可能です。しかし、住宅ローン控除があったり、ふるさと納税をしていたりする場合、保育料は、それら適用前の税額で算定されますから、所得割額を適用前の金額に戻す作業が必要になります。

そして、保育料は下記の図のように、生活保護世帯、市町村民税非課税世帯、所得割課税額6段階の計8階層に分かれ、国が利用者負担の上限額を階層ごとに定めています。自分の所得割額がどの階層なのかによって、保育料が決定するしくみであることがわかります。

出典:内閣府「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(施設・事業者向け)(2015年7月改訂版)

2)自治体

保育料は、所得割額の階層ごとに決まっているものの、上記の表はあくまで国の基準にすぎません。これを目安に、各自治体が金額を設定して良いことになっているため、どこに住んでいるかによって保育料に差が出ます。

各自治体とも、住民税の所得割額の階層別に保育料を定めているという点は同じですが、その金額はもちろん、何階層に分けているのかもそれぞれ異なっています。そこで、東京都新宿区、兵庫県神戸市、福岡県福岡市の3つの自治体を、2021年現在の保育料で比較してみました。

この表は、所得割額が課税されている世帯で、上位と下位の2階層をピックアップし、0〜2歳児の第1子、標準時間の保育料を掲載しています。比較してみると、違いがよく分かります。傾向としては、東京23区は細かく階層が分かれているのに対して、地方では階層区分が少なく設定されているようです。

3)兄弟姉妹の人数

保育料は、 兄弟姉妹の年齢や人数よっても変わってきます。国の制度では、同じ世帯から2人以上の子どもが同時に保育園に入っている場合の保育料は、2人目は半額、3人目以上は無料です。割引があるものの「兄弟姉妹が同時に保育園に入っている」という条件がつきます。つまり、小学校入学前の子どもの数に応じて保育料の負担軽減があるということです。

一方、この年齢制限の条件がない自治体もあり、上記3つの自治体においては、福岡市は国と同じ制度、新宿区と神戸市は小学生以降の子どもも兄弟姉妹としてカウントする制度となっています。たとえば、第1子が小学校1年生、第2子が2歳の場合、福岡市では、第2子は第1子の保育料になるのに対し、神戸市や新宿区では、第2子は、第2子の保育料として保育料が半額になるということです。

認可外保育園の平均費用は?

では次に、認可外保育園の費用についてみてみましょう。 認可外保育園の利用料は、認証保育園と企業主導型保育園を除き、運営者が自由に決めることができます。主な費用としては、保育料、給食代、入園準備金ですが、その他にも夕食費、補食費、リトミックや英語教室など独自サービス費、延長保育料、土曜保育料、制服代等があります。

保育料の平均額は下記の通りですが、これは無償化前のデータです。無償化後のデータはまだ公表されていません。認可外保育園については3〜5歳は月額3万7,000円までは無料なので、現在はこの金額より低いかもしれませんね。

出典:2018年厚生労働省「地域児童福祉事業調査」

なお、先ほどお伝えしたように認証保育園と企業指導型保育園は、運営者が自由に保育料を決めることはできません。上限が定められています。企業主導型保育および認証保育園の保険料上限額は下記のとおりです。

<企業主導型保育園保育料上限>
0歳児  :37,100円
1〜2歳児 :37,000円
3歳児 :26,600円
4歳以上児:23,100円

<認証保育園保育料上限>
3歳未満児:80,000円
3歳以上児:77,000円

企業主導型の保育園とは、企業の従業員のための保育園で従業員は無料で利用できる保育園もあります。一方で、10万円近く保育料が設定されている認可外保育園もあり、保育料の差は大きいと言えますね。

保育料の減免・軽減制度など

保育料の支払いが難しくなったら、保育料を減免する制度があります。詳細は各自治体によって異なり、ここでは、東京都板橋区の主な該当例の一部をみてみましょう。

1)生活保護及び中国残留邦人等支援給付世帯になったとき
2)その年の世帯の収入額が生活保護法の基準に満たないとき
3)住民税の徴収が猶予または、納期が延期されたとき
4)今度分の住民税が均等割以下に課税されたとき、または、減額されたとき
5)災害または、盗難等による損失が生じたとき
6)高額医療費がかかったとき
7)その年に子どもが生まれた等で扶養される世帯員が増えたとき
8)その年に稼働者が失業したとき                など

要するに、収入が減ったり、災害にあったり、病気になったり、失業したり…と保育料を払い続けるのが困難な事態に陥ったときは、保育料が減額される場合があるということです。保育料の減額が認められた場合は、申請日や受理日の翌月から適用されます。さかのぼって減額適用されませんから、減額ケースに該当しそうなら、早めに自治体へ相談してみると良いでしょう。

そのほか、所得割課税額77,100円以下(年収約360万円未満相当)の世帯に対する負担軽減制度があります。基本的には、兄弟姉妹がいる場合、同時に保育園に入っている場合に限り、2人目は半額、3人目以上は無料ですが、所得割課税額77,100円以下世帯については、この条件が撤廃され、1人目が小学生だとしても、2人目が保育園児なら保育料は半額、3人目無料となります。

また、所得割課税額77,100円以下でひとり親世帯や障害児(者)がいる世帯は、第1子の保育料が半額、第2子以降は無料になります。ただし、第1子から保育料を無料にしている自治体もありますから、該当する方は、お住いの自治体の制度を調べてみるといいですね。
さらに、給食費については免除制度があり、所得割課税額77,100円以下の世帯の子と第3子以降のすべての子について、副食費は免除されます。

保育料以外に幼児期にかかる費用は?

幼児期にかかる大きな費用は、やはり保育料ですが、それ以外にも 習い事やお祝い事の費用は比較的大きな金額になるでしょう。習い事だとリトミック、水泳、ピアノ、英会話など幼児期から通っているお子さんは多いのではないでしょうか。複数の習い事に通うと、月に数万円かかることも珍しくありません。

また、1歳の誕生日や七五三など、お祝い時には家族で写真を撮ったり食事に行ったりするご家庭もあることでしょう。ひな人形やかぶとを購入するにも、ものによっては、高額になる場合もあります。習い事やお祝い事に費用をかけるかどうかは、そのご家庭の考え方によると思いますが、最初に上限額を決めておくと出費が大きくなりすぎることを防げるでしょう。
とくに、お祝い事は財布の紐が緩みがちなので、将来への貯蓄を確保したうえで支出をするようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

これまで、保育園児の費用について、みてきました。0〜2歳児の保育料は負担が大きくなりがちですが、3歳クラスになると、保育料は無料、認可外なら3.7万円までは無料になります。この支出がなくなるのは家計にとって大きいですよね。子どもが小さいうちはため時ですから、浮いた保育料は、ぜひ貯蓄にまわして将来に備えたいですね。

前田菜緒

前田菜緒

ファイナンシャルプランナー、公的保険アドバイザー。保険代理店に7年間勤務後に独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。相談は、夜、子どもが寝てからでも可能で未就学児ママに配慮したサービス体系になっている。2児の母。FPオフィスAndAsset代表(https://www.andasset.net)

出典
厚生労働省「平成27年地域児童福祉事業調査」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450047&tstat=000001024841&cycle=8&tclass1=000001139066&tclass2val=0

内閣府「子ども・子育て支援新制度ハンドブック(施設・事業者向け)(平成27年7月改訂版)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/faq/pdf/jigyousya/handbook.pdf

保育料
福岡市 http://www.hoiku.or.jp/about/charge/r1.html
新宿区 https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000234151.pdf
神戸市 https://www.city.kobe.lg.jp/documents/2309/r2_9hutanngakuhyou.pdf

企業主導型保育事業における幼児教育・保育の無償化について
https://www.kigyounaihoiku.jp/wp-content/uploads/2019/09/Doc_kigyousyudou_musyouka_190924-01.pdf

東京都福祉局「認証保育園について」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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