小学生・中学生のお小遣い、平均金額や相場は?「定額制」と「その都度」どちらが多い? お金の 管理能力を身につけさせるには

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Q:小学生のお小遣いのあげ方は、「定額を定期的に」と「必要な金額をその都度」のどっちが多い?

A:お小遣いのあげ方は、必要なときに「その都度」必要な金額を渡す方法と、「毎日」、「1週間に1回」、「月に1回」と定期的に金額を決めて渡す「定額制」の2通りがあります。金融広報中央委員会のアンケートを見ると、低学年(1~2年)では、お小遣いを「その都度」あげている回答が、57.3%と最も多くなっています。しかし、その割合は学年があがるにつれてだんだん減っていき、高学年(5~6年)になると38.3%です。

一方、「月に1回」もらっている回答は、低学年で13.4%ですが、高学年になるにつれてだんだん増えていき、高学年では45%です。「毎日」、「1週間に1回」などの定期的なあげ方も含めると、約54%の半分以上です。このように、学年があがるにつれて、お小遣いを「その都度」あげるよりも、金額を決めて「定期的」にお小遣いをあげている「定額制」の割合が増えていることがわかります。

「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)」知るぽると金融広報中央委員会2015年度

Q:小学生や中学生の「定期的」なお小遣いの1ヶ月の平均金額や相場はいくら?

A:「バンダイこどもアンケートレポート:小中学生のお小遣いに関する意識調査」によると、親からもらう定期的なお小遣いの1ヶ月平均金額は、小学1~3年生で1,045円、4~6年生1,845円です。中学生全体平均では2,298円と、学年が上がるにつれて金額は増えています。

「バンダイこどもアンケートレポート:小中学生のお小遣いに関する意識調査」結果
(実施機関2019年4月12日~4月14日)

Q:小学生と中学生のお小遣いの使い道TOP10は?

A:小学生と中学生の「お小遣いの使い道アンケート」を見ると、1位「お菓子やジュースなどの飲食物」、2位「文房具」、3位「マンガ(雑誌・コミック)」です。お稽古事や塾の帰りに、お菓子やジュース、そしてマンガを買って家に帰り、リラックスする小中学生の姿が目にうかぶようです。しかし、小学生で4位だった「貯金」は、中学生になると8位に下がっています。

中学生になると、4位「外出時の交通費」、5位「映画を観に行く」、6位「外食」と新しい項目が登場します。中学生になると自宅以外への行動範囲が広がり、クラブ活動の帰りなど友達と一緒に行動するようになり、そこでお小遣いを使う様子がわかります。4~6位の消費行動へと変化した結果、お小遣いの用途の「貯金」の順位が下がったことが伺えます。

「バンダイこどもアンケートレポート:小中学生のお小遣いに関する意識調査」結果
(実施機関2019年4月12日~4月14日)

男女別TOP10 の使い道の違いを見ると、男子は小学生8位、中学生で9位だった「ゲームソフト」が、4位に上昇していることが特徴です。女子は6位「友達へのプレゼント」、7位「服・アクセサリー」などが登場します。9位「外出時の交通費」、10位「映画を観に行く」などの項目もあり、お洒落に興味をもって、友達と出かける様子がわかります。

このように学年があがるにつれて、学業以外の友達とのつきあいなど消費行動の範囲が少しずつ変わっていくことが特徴です。

「バンダイこどもアンケートレポート:小中学生のお小遣いに関する意識調査」結果
(実施機関2019年4月12日~4月14日)

Q:最近のトレンドと子どものお金の管理方法は?

A:最近のトレンドは、お小遣いをあげる人が、親以外に祖父母や親戚の人からのケースが多いことです。
お年玉以外にも、子どもの進学時や誕生日、ランドセルや学習机の購入費用として現金を渡される機会があります。多額な金額のこともあるでしょう。そんな時、親は金融機関で子ども名義の通帳をつくったり、親名義の通帳に管理したりとさまざまでしょう。

下のアンケートは、子ども自身が自分の貯蓄があるかどうかの意識調査です。小学生や中学生までは「自分の貯蓄の有無」の数値はあまり変わりませんが、高校生になると、「自分の貯蓄がある」という数値は50%以上です。また中学生までは、貯蓄を「家の人が管理している」の数値が高いものの、高校生になるとそれが下がっています。高校生になると、「自分の貯蓄がある」と意識して自分で管理をしていることがわかります。

「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)」知るぽると金融広報中央委員会2015年

また、最近はお小遣いを現金でなく、電子マネー等で渡すこともあるようです。電子マネーを使ってお小遣いを渡しているのは、全体の4.4%ではあるものの現金管理をしなくていい利便性や、使用履歴を追いやすいというメリットから今後も増えていくことが予想されます。

スナップスナップ調べ「おこづかい事情2022」結果
(実施期間 2022年1月14日~2022年1月24日)

Q:お小遣いについて注意することはありますか?

A:これまでお小遣いの平均について見てきましたが、小学生、中学生、高校生と子どもの成長とともにお小遣いの使い道も多様化しています。
お金は自分の欲しいものを買ったり、楽しいことに使えます。しかしせっかく蓄えたお金を使うと、貯蓄が減るのはあたり前です。これまでは親や祖父母や親戚からもらったおこづかいやお年玉を使って、欲しいものを買うことができました。しかし将来働き始めると、自分が稼いだ収入内で生活していかなければなりません。

お金の基本は、「働いてお金を得る」、「使うとお金が減る」、「貯めるとお金が増える」。この3つです。あるだけ使っていてはお金は貯まりません。

「計画的にお金を管理する能力」、「欲しくても我慢できる能力」、そして「うまい話には注意する能力」。この3つができれば、将来大きくお金に苦労することはないでしょう。お小遣いを渡すときには、お金の大切さを教えてあげて下さい。

山本節子

山本節子

ファイナンシャル・プランナー。専業主婦の時代、15回の不動産売買の経験をキッカケに、FPや日本証券アナリスト検定会員補の資格を取得。現在は買い手の立場に立った相談業務、セミナー講師、雑誌や書籍の執筆などを行う。(株)リスタート代表。2男1女の母でもある。

出典:
「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年」知るぽると金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/

「バンダイこどもアンケートレポート:小中学生のお小遣いに関する意識調査」結果
(実施期間2019年4月12日~4月14日)
https://www.bandai.co.jp/kodomo/question251.pdf

株式会社ラボネットワーク「おこづかい事情2022」
(実施期間:2022年1月14日~2022年1月24日)
https://www.atpress.ne.jp/news/302107

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メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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