休み時間にひとりでいる子は「友達ができない子」?わが子とのかかわり方は

「小学校の休み時間はお友達と遊ぶもの」と思っていたら、「休み時間はひとりで過ごしている」と先生や我が子自身から言われた…。親御さんとしては、ちょっと心配になるかもしれません。子どもたちにとって、学校の休み時間はどのような時間なのでしょうか?

この記事のポイント

「子どもだからいつも友達と一緒にいる」は、大人の思い込み

休み時間の過ごし方について、「子どもは外で元気に遊ぶものだ」「子どもは、みんなで遊ぶのが好き」と考えていると、意外な落とし穴があります。

子供にも意思がある

「他の子どもたちは一緒に遊んでいるのに我が子だけひとりで過ごしている」などと聞くと、親御さんとっては寂しいことのように感じられるかもしれません。でも、それは「子どもは皆で元気に遊ぶもの」という大人側の思い込みである可能性もあります。

ご自身の子どもの頃を思い出してみてください。

「私が子どもの頃は、小学校の休み時間はクラスメイトと校庭で縄跳びをした」
「あの子は友達と一緒にボールで外遊びをするのが好きだった」
「教室で本を読んでいたら教師から校庭に出るよう言われてイヤだった」

休み時間で楽しかったことも不満だったことも、いろいろ出てくるのではないでしょうか。

大人は休む際に自分で過ごし方を選びます。同じように、子どもにだって「自分の意思」や得意不得意があるのです。大人数で遊ぶのが得意ではない、疲れているので座っていたい、絵を描きたい、本を読みたい…。それぞれの子に自分の好きな過ごし方や休み方があり、「みんなと遊ぶ」ことが全てではありません。

「休み時間は元気に外に出て遊びましょう」という言葉は、ひとつの目安。我が子の個性や疲れ具合、年齢などに合わせて過ごし方は変化するものですので、必ずしもひとりでいることが悪いことではありません。

「休み時間がつまらない」なら理由を聞こう

ただ、お子さんから「休み時間がつまらない」という言葉が出るなら、現在の過ごし方について不満をもっているかもしれません。そのようなときは、ぜひ理由を聞いてみてください。

「つまらない」と感じる理由として代表的なのは、遊びたい子と遊べない、楽しい遊びがなくてヒマだといったものでしょう。遊びたい子と遊べないのが原因なら、その子にどう声をかければいいのかをアドバイスを。楽しい遊びがないなら、図書室へ行ってみるようすすめたり、読書のための新しい本を一緒に探したりするのもおすすめです。

特に高学年になると、「みんなで遊ぶ」こと自体が減ってくる傾向があります。学校生活の変化で長い休み時間を持て余す子もいるようですので、休み時間の過ごし方をときどき聞いてあげるとよいかもしれません。

子ども時代に「ひとり」に慣れておくことも重要

休み時間をひとりで過ごすことは、子どもの経験や成長にとって必ずしもマイナスとは限りません。お友達との関係、自分で自分のことを決める時間など、必要な経験や時間をもてる機会でもあります。

合わないお友達と無理して遊ばなくてもよい

学校には、さまざまな子どもたちが集まります。仲良くなれる子もいれば、そうでない子もいる、それがお友達関係として自然なことでしょう。

もし合わないお友達がいるなら、無理をして一緒に遊ぶ必要はありません。ケンカ中のお友達なら少し距離を置くのは当然ですし、進級したり席替えがあったりして環境が変われば、お友達との関係も変化するものです。

休み時間をひとりで過ごしていても本人にとって特に問題がないようなら、まずはそっと見守ってあげてください。

ひとりで行動することも重要

休み時間をひとりで過ごすことは、必ずしも悪いことではありません。大人の世界でも「お一人様」「ひとりキャンプ」がポジティブな意味合いで使われていますし、自らの意思で行動できることが自分の世界を広げることにつながったかたも多くいらっしゃいます。

ひとりで行動することに慣れておくことは、とても重要なこと。休み時間をひとりで過ごす子どもは「自分はどうしたいのか、どうするのか」を自分自身で考える時間を持っているということなのです。

心配なら学校での様子を覗いてみても

それでもお子さんの様子が心配なら、実際に自分の目で休み時間の様子をそっと覗いてみるのもよいでしょう。多くの学校では、保護者による見学を歓迎しています。

他のお友達の過ごし方も見てみよう

学校で休み時間の様子を見る際は、我が子の様子だけでなく、他のお友達がどのように過ごしているかも見てみましょう。ひとりで休み時間を過ごしているのが我が子だけかと思っていたら、お友達もそれぞれ思うままに過ごしている様子が見えてくるかもしれません。

時間に余裕があるなら、学年による休み時間の過ごし方を見てみると違いがあることもわかります。

子どもたちの休み時間の過ごし方は年齢や個性によって多様。それこそが、むしろ自然なんだと感じられる機会になるかもしれません。

子どもが困っているかどうかが重要

休み時間を子どもがひとりで過ごしていると聞いたときに重要なのは、子ども自身が「ひとりきりの休み時間をなんとかしたい」と思っているかどうかです。

子ども自身が困っているなら親が手を差しのべる必要がありますが、特に困っていないなら見守ることが大切。「他の子は外で遊んでるよ、お友達と遊ぼうよ」と言いたくなることもあるかもしれませんが、強くアドバイスしすぎると逆に子どもが口を閉ざし、学校のことを話しにくくなってしまうかもしれません。

子どもの気持ちを尊重しつつ、子どもが自分で休み時間の過ごし方を決められることを重視してあげてください。

子ども自身が悩んでいるなら、まずは話を聞いてみて

子ども自身が困っていたり悩んでいたりする様子なら、すぐに解決しようとせず、まずは話を聞くことが大切です。

子どもの話を傾聴する

話をじっくり聞くことで、子どもが抱えている問題や不安に寄り添いましょう。自由に話せる環境を用意することで、子どもも自分の気持ちに向き合いやすくなります。

子どもの過ごし方を認める

休み時間はお友達と過ごすものと決まっているわけではありません。本を読んだりゆっくり休んだり、様々な過ごし方があっていいはず。子どもが自信を失っているようであれば、ひとりでいても問題ないことを説明し、安心させてあげましょう。

必要なら、交流についてアドバイスする

子どもが必要としているのであれば、お友達との接し方や声のかけ方について相談に乗りましょう。地域のコミュニティやグループ活動への参加など、学校外での交流の場を提案するのも手です。

先生に相談する

子ども自身での解決が難しい場合は、先生に相談を。連携することで、休み時間だけでなく授業中のグループワークなどでも、注意して見てもらえる可能性があります。先生への状況の伝え方は、子どもの尊厳を傷つけるものにならないように注意してください。

まとめ & 実践 TIPS

小学校には、さまざまな子どもたちが集まります。皆がボール遊びや縄跳びが好きなわけではありませんし、校庭に出るより教室で休み時間を過ごすほうがいいという子がいるのは自然なことです。

親御さんのサポートが必要になるのは、子ども自身が「ひとりきりの休み時間をなんとかしたい」と考えているとき。特に不満を感じていないなら、まずは我が子の個性として見守ってあげましょう。

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