【高校入試 面接の対策】受験時によく聞かれる質問と回答例 志望理由・動機なども紹介
- 高校受験
受験生の人柄や入学の意志などを見る高校入試の面接。どうふるまうか、どう答えればいいかという問題はいつも受験生を悩ませるものです。しかし、面接の手順や定番の質問を想定して練習を重ねれば大丈夫。
志望校の入試で面接を実施するかどうかを早めに募集要項などで確認し、面接がある場合はしっかり対策をしていきましょう。
高校入試の面接でよく聞かれる質問と回答例
高校入試の面接では、「受験生がなぜ志望校にここを選んだのか」「中学校でどのようなことに取り組んできたのか」などがよく聞かれます。
こうした「定番の質問」は、公立高校入試でも私立高校入試でも共通するもの。定番の質問に対する自分の答えをよく考えて準備しましょう。
<面接でよく聞かれる質問>
・志望理由
・高校卒業後の進路、将来の夢
・高校に入って頑張りたいこと
・高校で何を学びたいか、何を身につけたいか
・中学校生活で頑張ったこと
・自分の長所と短所
・得意な教科、苦手な教科
・興味のある時事問題(気になったニュースなど)
高校入学後のことに関しては、ぜひ志望校のパンフレットやWebサイトを見たり、高校見学をしたときの印象や感想などを思い出したりしながら考えてみてください。志望校の校舎や教室、施設、カリキュラム、行事、部活動などの写真を見たり、高校見学したときの様子を思い出したりしていると、「自分はここでこうしたい」「これを身につけたい」と感じるものを見つけやすくなります。
中学校生活のことや自分の長所・短所については、思いついたことを紙に書き出してから面接に使えそうなものを選びましょう。長所は「長所+エピソード」、短所は「短所+今後の向き合い方」をセットで答えると効果的にアピールできます。
<長所の回答例>
- 私の長所は、他の人が得意な部分に気づくことができ、その人のよさを生かしてもらいながら、一緒に活動できることです。中学校の文化祭では教室の装飾チームのリーダーとして、手先が器用な人には細かい飾りの作成を、作ることがあまり好きでなく、体を動かすほうが得意な人には材料の運搬や飾りの設置、歩きやすさのチェックなどを任せました。それぞれのメンバーがやる気を持って作業に取り組んでくれた結果、文化祭当日は、多くの来場者に「装飾がかっこいい」と褒めてもらえました。
<短所の回答例>
- 私の短所は、人前で緊張して堂々と発表するのが難しい場合があることです。そのため、発表前に何度も練習したり、本番で慌ててしまったときは深呼吸をしたりするようにしています。また、もっと自信をもって発表できるように、内容をよく考えたり話し方を工夫したりしていきたいと考えています。
興味のある時事問題については、なぜ興味があるのか、その問題についてどのように感じたり考えたりしたのかを少し掘り下げておくと話しやすくなります。
本番の面接では予想していなかった質問をされることもあるかもしれません。驚きや緊張で頭が真っ白になってしまったら、「少し時間をください」と伝えて一度深呼吸をしてみましょう。
また、もし集団面接で他の人と同じ答えになってしまっても大丈夫。その答えについて自分なりの理由を述べられるかどうかのほうが大切です。
高校入試面接での志望動機、自己PR、志望理由の回答例
高校入試で面接がある場合、志望動機や自己PRがとても重要になります。一般入試でも推薦入試でも、面接で気を抜かないようしっかり準備しましょう。
志望動機や自己PRを考える際は、「志望校が期待する生徒の姿」を理解しているかどうかが大きなポイント。期待されている姿を理解した上で、「この高校に入学したい!」という強い思いを伝えられる表現や説明の仕方を検討しましょう。
面接シートや自己PR書の提出が必要な場合の作成ポイント
高校入試の面接にあたって、事前に面接シートや自己PR書の提出が必要となる場合があります。たとえば都立高校では「自己PRカード」、神奈川県公立高校では「面接シート」の提出が必要な場合があり、大阪府公立高校では原則として全員が「自己申告書」を提出しなければなりません。
面接シートや自己PR書では、たとえば次のような項目について書きます。
<面接シートや自己PR書の作成ポイント>
志望理由 | 志望校が期待する生徒の姿を参考にして、なぜこの学校がよいのか、自分の長所と志望校の特色の関係などの点から書く |
中学校で力を入れて取り組んだ学習 | 興味のある教科をどのような方法で高めたか、苦手教科をどのように克服したか、定期テストにどのように取り組んだかなど、中学校での学習で頑張ってきたことを具体例とともに書く |
中学校生活の中で得たこと | 学級活動、生徒会活動、部活動、ボランティア活動、資格や検定試験の取得など、中学校3年間の学校生活の中で、自分が重要な体験をしたこと、成長したことなどを具体的なエピソードとともに書く |
自分自身の長所・特徴 | 自分の長所を、中学校生活でのエピソードとともに書く |
中学校での体験をどのように高校生活に生かすか | 高校の教育方針や求める生徒像に関連づけながら、中学校の生活で印象に残っている経験とそこから学んだことを書き、そこで学んだことをふまえて入学後にどのような高校生活を送りたいかを具体的に書く |
高校卒業後の進路 | 将来の夢や目標、目指す職業など、自分が高校卒業後の進路について考えていることや努力していること、高校に入ったら始めようとしていることなどを具体的に書く |
どの項目について書く必要があるかは都道府県や高校によって異なりますので、都道府県の教育委員会や高校の公式サイトやパンフレット、書類の様式などをよく確認してから作成しましょう。
志望動機、自己PR、志望理由の回答例
「ポイントはわかったけど、まだどう書けばいいのかイメージがわかない」という受験生のために、回答例をいくつか見てみましょう。
たとえば、高校のカリキュラムや校内行事をもとにした志望動機や自己PRなら、次のような伝え方が可能です。
<この学校に入学したい理由>
- 私は、将来英語を使った仕事をして海外で活躍したいと考えています。A高校では、海外の姉妹校との国際交流や、オーストラリアでの短期研修をはじめ、授業でも英語でのディベートなど、実践的な英語が学べる行事や活動が多く、魅力を感じています。それらの活動を通して英語力、コミュニケーション力を身につけていきたいと思い、志望しました。
<中学校で力を入れて取り組んだ内容>
- 私は、中学校で数学の学習に力を入れてきました。中学2年生までは数学に苦手意識があり、勉強するのがとても大変でした。数学に力を入れるようになったきっかけは、学校の先生に「ここはできている」「ここが苦手なんだね」と言われたことです。数学の全てが苦手なわけではないと気づき、苦手な分野を中心に1年生や2年生の内容を基本から復習しました。このような対策を行った結果、3年生の定期テストでは、すべて90点以上という結果を残すことができました。
<部活動や委員会など教科以外で意欲的に取り組んだ内容>
- 私は、中学校で放送部の部長を務め、その活動に意欲を持って取り組んできました。昼休みに人気のある歌や先生方からのメッセージ、学校行事のことを放送する日々の活動のほかに、文化祭では中学校を訪れてくれた方々に学校の特色や出し物のPRなどを行いました。自分たちが通う中学校にどのような魅力があるのか、どのような先生がいるのか、学校行事のうち何が人気なのかなどを調べて分かりやすく伝えられるよう、部員全員で分担して準備を進めました。文化祭当日の放送では「面白かった」「楽しい中学校なんだなと感じた」という評価をいただけました。
<高等学校卒業後の進路>
- 将来はプログラマーになりたいと考えています。そのため、高校を卒業したら情報やシステムについて学び、プログラミングの技術を高められる大学に進学したいと思っています。この夢を持つきっかけは、アプリやシステム開発で活躍するBさんについて知ったことです。Bさんが開発したアプリは、多くの人にとって大変な手続きを簡単に済ませられるようなものでした。私も、社会で役に立つアプリやシステムをつくりたいと思っています。志望する大学に合格できるように各教科の学習を進めるとともに、B高等学校ではプログラミング部に所属し、まずは小さなアプリを作れるようになりたいと考えています。
長所・短所の回答例については、先述した「高校入試の面接でよく聞かれる質問と回答例」をご覧ください。
大切なのは、自分の経験と志望校の特徴の共通点を見つけること。まずは志望校のホームページやパンフレットから気になる言葉(キーワード)を見つけ、それに関連する自分の経験を思いつく限り書き出してみましょう。その上で、キーワードと深い関係があり、面接官に良い印象を与えられそうなエピソードをピックアップして志望動機や自己PRを構成してみてください。
高校入試の面接 練習と対策は
面接の練習で最も基本となるのは、面接中のふるまい方やあいさつ、言葉づかいです。公立高校入試か私立高校入試か、一般入試か推薦入試かといったことにかかわらず、入退室のしかた、あいさつのしかた、目線、言葉づかいは、その人の印象に大きく影響します。
普段の生活で意識したりご家庭で模擬面接などを行ったりして、自然にできるように練習していきましょう。
<面接のあいさつ・言葉づかい・ふるまい方>
・入室のあいさつ:「失礼します」
・お辞儀
・入室して椅子の横に立つ
・あいさつ:「(自分の名前)です。本日はよろしくお願いします」
・「どうぞ座ってください」と促されたら座る
・座っている間、手は膝の上に置く
・面接官の目(または口元)を見て話す
・面接が終わったら、あいさつ:「本日はありがとうございました」
・部屋の出入り口まで行って面接官に向き直る
・退室のあいさつ:「失礼します」
・お辞儀をして退室
・言葉づかい:「です」「ます」で話す
言葉づかいについては、必ず「です」「ます」の丁寧語で。「ヤバい」「っていうか」「…だし」のような言葉づかいは、基本的に友達同士の話し方ですので面接には合いません。
このような言葉は、たとえば次のように言い換えるとよいでしょう。
<面接における言葉の言い換え>
・ヤバい:「印象に残っています」「感銘をうけました」など具体的な表現に
・AっていうかB:「AやBなど」「Aといいますか、私にはBであるように感じられました」
・…だし:「…ということもありますし」「…とも言えます」
面接の流れや適切な言葉づかいのポイントを押さえつつ、「定番の質問」に対する答えを自分の言葉で伝える練習をしていきましょう。
なお、練習するときは丸暗記して話すよりも、大まかな流れを覚えてその時の言葉で話すほうが好印象です。手元にキーワードを書いた紙を用意し、それを見ながら答える練習から始めてみてください。
面接時の服装や髪形は
面接時の服装や髪形では、状況に合った身だしなみができるかどうかをチェックされます。制服を着崩していないか、清潔感があるかなどを、家を出る前や面接前にしっかり確認しましょう。
<面接時の服装チェックリスト>
・服装は制服(制服がない場合は清潔感のある服)か
・着崩していないか
・肩にフケが落ちていないか
・ネクタイやリボンが曲がっていないか
・ネクタイやリボンが緩んでいないか
・ボタンやホックがとれていないか
・ボタンやホックをきちんととめているか
・襟元や袖口が汚れていないか
・服がシワだらけになっていないか
・校章などをつけている場合、曲がっていないか
・ズボンやスカートの折り目がきれいにプレスされているか
・スカートの丈が短すぎないか
・ズボンの裾がボロボロになっていないか
・靴下の色は白や紺などの無地(または学校指定のもの)か
・靴のかかとを踏んでいないか
・靴に汚れはついていないか
<面接時の髪形チェックリスト>
・寝癖をとって、きちんととかしているか
・長髪は束ねているか
・前髪で目が隠れていないか
・髪にフケはついていないか
<その他の身だしなみチェックリスト>
・爪はきれいに切ってあるか
・アクセサリーをつけていないか
・マニキュアや化粧をしていないか
面接の前日は、必ず面接に着ていく服の準備をしておきましょう。当日は、面接直前に身だしなみのチェックができるよう、手鏡や携帯用粘着ローラー(または携帯用洋服ブラシ)を持っていくと安心です。
面接に行く日の服装や髪形で迷う点があった場合は、細かいポイントを気にするよりも、自分を客観的にみて清潔感がある状態になっているか、志望する高校の先生たちからみて好印象を与えられそうかで判断するとよいでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
高校入試で課されることが多い面接試験。特に推薦入試では合否にとても大きな影響を与えることが多く、対策方法がわからないと不安になってしまうかもしれません。
しかし、面接には「定番の質問」や適切な身だしなみ、ふるまい方があります。そうした面接の基本を押さえつつ対策をしておけば、落ち着いて面接本番に臨めるでしょう。
出典:
高校入試の面接 よく聞かれる質問と対策
https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/article/closeup/00/1368119_13514.html
【東京都】都立高校入試 自己PRカードの書き方のポイントは?
https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/exam/13/feature/1286065_3563.html
【大阪府】公立高校入試「自己申告書」の書き方のコツは?受験者は原則全員提出!
https://czemi.benesse.ne.jp/open/nyushi/exam/27/feature/1286068_5206.html
「進研ゼミ中学講座」高校入試情報担当
- 高校受験