作文の書き方のコツは?原稿用紙の使い方のルールや構成の作り方を解説
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作文が苦手で筆が進まない子どもに、どう教えればよいか悩まれるかたも多いのではないでしょうか?また、いざ教えるときに、何を確認すればよいのかという疑問もあるでしょう。
文章の書き方にはコツがあり、知っていれば筆がぐんと進みやすくなります。この記事では、作文の書き方について、意識すべきことやルール、テーマを考える際のコツなどをまとめました。
【作文の書き方1】原稿用紙の使い方
まずは、作文を書くときの原稿用紙の使い方を理解しましょう。原稿用紙の使い方には、さまざまなルールがあります。
子どもの作文を見てあげるときには、ルールを守れているかどうかも確認してあげてください。
書き方の基本ルール
原稿用紙は1マスに1文字書くというのが基本ルールです。小文字の「ゃ」「ゅ」「ょ」「っ」なども、同じく1マス使ってください。
句読点(、)(。)やかぎかっこ(「 」)を使うときも、原則は1マスに1つの記号が入るようにしましょう。
ただし、句読点は行の始めには書きません。句読点の直前の文字が行の最後にきたときは、句読点を最後のマスに一緒に書くか、欄外に書くようにしましょう。
題名と名前の書き方
題名は、原稿用紙の上を2〜3マスあけてから書き始めましょう。
題名の次の行には、名前を書きます。また、組と名前の間、姓と名の間はそれぞれ1マスあけ、名前の下は1〜2マスあけるようにします。
段落の書き始め
段落の書き始めは、上に1マスあけましょう。段落が変わるときも同じく、書き始めはそれぞれ上に1マスあけます。
こうすることで、段落の区切りがわかりやすくなります。
かぎかっこ(「 」)の使い方
会話文を書くときはかぎかっこを使います。そのうえで、原則として行を変えてください。なお、思ったことを書くときには、行は変えません。
終わりの句点(。)とかぎかっこは1マスに一緒に書きます。
かぎかっこの中でもう一度かぎかっこを使うときは、二重かぎかっこ(『 』)を使います。たとえば、
私は「先生が『歌が上手になったね』とほめていたよ」と花子さんに言いました。
のように書きます。
そのほか、本や映画のタイトルを示すときにも二重かぎかっこを使います。
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原稿用紙の使い方
英数字の書き方
縦書きの原稿用紙を使うときには、数字は基本的に漢数字(一・二・三)を使います。
英語を書く場合、大文字や小文字にかかわらず1マスに1文字使うようにしましょう。
【作文の書き方2】テーマ設定と構成のつくり方
作文を書き始めるときは、最初にテーマと構成を考えましょう。何を書くのか先に決めておかないと、手が止まってしまうからです。
ここでは、作文のテーマと構成のつくり方を解説します。
最初にテーマを決める
作文を書くときは、最初にテーマから一緒に考えてみましょう。題名から考えるケースもあると思いますが、そうすると、書きたいことが具体的に思いつかず、手が止まってしまうかもしれません。
まずは何について書くかをざっくり考えることがポイントです。作文をチェックするときは、内容がそのテーマに沿って書けているかを見てあげてください。
子どもがテーマ決めに悩んでいるときは、ヒントを与えてあげるのがおすすめです。楽しかった思い出や興味を持っている内容のほか、テーマ集から書けそうなものを一緒に探してあげるのもよいでしょう。
最後に題名を書く
題名は、文章をすべて作成してから最後に書くようにしましょう。題名を決めるコツは、作文の中で一番伝えたい内容を考えることです。
題名を確認するときは、わかりやすい言葉か、結論や内容が端的にまとめられているかをあわせて見てあげてください。
構成を意識する
作文を書くためには、構成を決めることも大切です。構成にはさまざまな型がありますが、最もシンプルな型は「はじめ」「なか」「おわり」です。
はじめ:作文のテーマを紹介します
なか:テーマについて具体的な描写をします
おわり:今まで書いたことをもとに、考えたことをまとめます
構成の段階で流れが自然かどうかを見てあげると、わかりやすい文章が書けるでしょう。
また、論理的な作文を書く際には、頭括型(とうかつがた)、尾括型(びかつがた)、双括型(そうかつがた)の3つの型が適しています。これらの型は、主張や結論を明確に示すことで、読者が理解しやすくなります。
頭括型は、「結論。なぜなら理由」という構成で、文章の冒頭に結論を提示し、その後に理由を説明します。この形式は、主張を最初に伝えることで、読者の注意を引き、その後の理由に集中させることができます。
一方、尾括型は、「理由。ゆえに結論」という構成で、最初に理由を説明し、最後に結論を示します。これにより、読者は理由を詳しく理解したうえで、結論を受け入れやすくなります。
最後に、双括型は、「結論。なぜなら理由。ゆえに結論」という構成で、文章の最初と最後に結論を提示し、その間に理由を説明します。この形式は、結論を強調することで、主張の説得力を高めることができます。
作文のテーマや内容、子どもの発達段階に応じてどの構成で考えるか意識するとよいでしょう。
書きたいことを箇条書きでメモさせる
構成をつくるのが難しい場合は、最初に書きたい内容を箇条書きでメモするところから始めるとスムーズに進みます。
まずは作文に入れたい内容を子どもにメモさせてみてください。そして、その内容を構成のどの部分に反映できるかを一緒に考えてあげると、文章が書きやすくなります。
【作文の書き方3】読みやすい作文を書くコツ
内容が決まったら、いよいよ作文を執筆していきます。読みやすい文章をつくるために意識することや、確認すべきポイントは以下のとおりです。
主語と述語をそろえる
主語と述語は、文章の骨組みとなる部分です。「誰が」「何をした」のかを書かないと、読み手に伝わりにくい文章になってしまいます。
完成した文章を見て、主語と述語が対になっているか確認しましょう。
「いつ・どこで・誰が・何を・どのように」を意識する
いわゆる「5W1H」を意識することで、状況が把握しやすい文章になります。
もし説明が不十分な場合は、「これはいつ起きたのかな?」「どこでやったのかな?」と問いかけてあげると、補足しやすくなります。
一文は20~40文字を目安にする
一文が長すぎると、全体的に読みにくくなってしまう場合があります。
一文の長さの目安は20~40文字程度。長すぎる場合は、二つの文に分けて書けないか子どもと一緒に考えてみてください。
【作文の書き方4】提出前のチェックポイント
作文が書き上がったら、提出前に文章を必ず確認しましょう。以下のチェックポイントを意識してみてください。
誤字脱字がないか
誤字脱字の確認はとても大切です。作文を読みやすくするためにも、間違っている部分がないか最終確認する癖をつけさせましょう。
音読をさせてみるのも有効です。そうすることで、自分で違和感に気付きやすくなります。
ただし、誤字脱字を指摘しすぎると、文章を書くのが苦痛になり、作文が嫌いになってしまう可能性もあります。書くことが楽しいと思えるように、間違いを指摘するだけでなく、良い点もほめながらチェックを進めるとよいでしょう。
文体がそろっているか
読みやすい作文を書くには、全体で文体をそろえることも重要です。「です・ます調」「である調」どちらかにすべて統一されているか確認しましょう。
ただし、子どもは文体を使い分けること自体を知らないことも多いです。まずは、文体は一つではないことを教えるところから始めましょう。
まとめ & 実践 TIPS
作文が苦手な子どもは、「そもそも書き方を知らない」可能性があります。いきなり本文を書かせるのではなく、文章を書く準備から順序立ててフォローするのがおすすめです。
書き方を知れば文章で伝えることが面白くなり、作文も得意になるでしょう。ぜひ今回の内容を参考に、作文の書き方やチェックポイントを指導してあげてください。
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