「どうしてうちの子の内申点は上がらない?」もしかして授業態度や提出物で点数を引かれているの…?
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期待して開いた通知表に「え……?本当にうちの子の成績?」と衝撃を受けたことはありませんか?
「思ったより良かった」のであれば喜ばしいことですが、問題は「思ったより悪かった」とき。「テストは良かったはず! 授業中に居眠りでもしたんじゃないの?」と感情のままに責めてしまうことも。
でも本人は「そんなことない!」と言う……。
そうだとしたら「うちの子、先生に嫌われているの? ちゃんと公平に評価されてる?」とモヤモヤが止まりませんね。
でも内申点が期待どおりでないのには何か原因があるはず。お子さまの個性をよくご存じの保護者のかただからこそできるフォローがあります。内申点を上げていく方法を一緒に考えていきましょう。
(勉強法アドバイザー 滝)
内申点対策は「減点されない」を最優先に。「発言が少ない=減点」ではない。
テストが成績不振の原因でない場合、原因は【授業態度】【提出物】の2つ。
【授業態度】で高評価をもらいたいとき、「もっと発言しよう」「授業を真面目に聞こう」と考えるお子さまが多いです。
でも「毎回挙手しているのにあててくれない」「いつもは授業を真面目に受けているのに、一瞬眠ってしまったときに注意された」などは、勉強法アドバイザーである私がよく目にするもの。たしかに挙手・授業態度は先生によってどう評価するのかわかりづらいところ……。
実は、誰が見ても白か黒か一致する評価があります。
それは【忘れもの】と【期限】。いずれも「忘れた/持ってきた」・「守らなかった/守った」の2通り。
これらは基準が明確で先生にとって「減点しやすい」ポイント。まず「忘れ物をしない」「提出物の期限を守る」から徹底していけるといいですね!
「宿題をやって、使った教科書を忘れていく」というようなことも多いです。
「忘れないように今しまっちゃおう!」といった優しい声かけで忘れものを防げることも。課題の提出期限をカレンダーに書き込んでおくのも良いですね。
「内申点を取りたい!」というお子さまの意欲を高めることが大切。内申点についての正確な情報を一緒に調べてみましょう。
あたりまえのようですが「内申点を取っておくとどんなメリットがあるか」を理解できている子は内申点が高い傾向にあります。
一方で「内申点がどんなものかよくわからない」という子には逆の傾向が……。
実際に、【内申点と入試当日点の合計で合否が決まる】ということは知っていても「詳しいことは親子ともわからない……」というかたも多いかもしれませんね。
内申点は都道府県ごとに計算方法が違います。
内申書に記載される具体的な内容も含め、一緒に調べることで共通の時間・認識を持て、思いがけず楽しい時間になることも!
内申点がどう有利に働くかがわかると、「内申上げなきゃ!」と力の入るお子さまが多いです。
学校での取り組みは大丈夫?「先生を頼る」「文章力を高める」がカギ。「文章を書くこと」に苦手意識の強いお子さまも。
もちろん学校の授業内で完結する課題・作品などさまざまな活動も評価対象。
それらは「期限に遅れて減点」ということも少なくないですが、我が子は「丁寧に作りすぎて、完成しきらないまま提出」という経験をしています。
この経験から「製作が遅れているときは、先生に相談してみるといいよ」と伝えました。先生が「放課後の時間を使っていいよ」と提案してくれることもありますよ。
中学校以降はどの教科であっても、文章で提出する課題が増えます。
音楽の鑑賞文や理科・社会のレポート……我が子も「〇〇の技術を応用した新製品を開発するとしたら?」といった技術の課題が出ていました。
アイディアは浮かんでも、文章力が弱く課題に消極的というケースも。文章力を上げておくと、楽に・自信を持って取り組める課題も増えます。
文章力は入試でも役立つことが多いので、「できるだけギッシリ書こう」など、声をかけてあげてください。
そうは言っても成績に疑問を感じることは多いもの。
お子さまに「”提出物やテストを自分なりにがんばったのですが、どうすれば5になりますか?”と先生に聞いてごらん」などと促してみましょう。次に向けての改善点・頑張りどころがわかると気持ちも前向きになります。
お子さまが消極的な場合は、保護者の方が聞いてもOK。面談の機会でもいいですし、「思ったより成績が良くなかったので学校での様子が心配になりまして……」などと電話してみてもいいと思います。小学生のときと比べ、お子さまの様子も見えにくくなる中学生。学校での様子を知るための良いきっかけにもなりそうです。
まとめ & 実践 TIPS
通知表を見た後に「次はがんばりなさい!」で終わりにしてしまうのはもったいないです。
一緒に原因を考えてあげると、お子さまの内申点への意欲も高まるはず。
「期限までに出さないから評定が悪かったんだよ」→「次は期限までに出せば【5】が取れそうだね」と前向きな声がけに変換すると、お子さまのやる気もグッと上がりますよ!
ただ、どんなに「内申点は重要!」と説いても「試験当日に点数を取るからいい」と言い切るお子さまもいます。
模試で余裕を持って得点できているなら、きっと本人なりの考えや勝算があってのこと。
自主性を尊重し、「内申取らなきゃ……」の重荷を減らしてあげるのもひとつかもしれません。お子さまの個性に合わせたフォローができるのは、保護者のかただからこそだと思います。
滝 りえ
アドバイザー歴11年。
学生時代の家庭教師や塾講師のアルバイトを通じて、同じ中学生でもそれぞれに適した勉強の仕方や声のかけ方が違うことに気づき、その経験をいかしたいという思いからアドバイザーに。それぞれの会員に適した受け止めやすい言葉や表現でアドバイスを届けることをモットーとしている。
座右の銘:「因果応報」自分がしたことは善い行いも悪い行いもすべて自分に返ってくる
趣味:洋楽のミュージックビデオの鑑賞、書道。3人姉妹の母。
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