高校受験の勉強スケジュールの組み方と、塾の宿題を回すコツとは?子ども4人が東大の佐藤ママが語る
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子ども4人を東大理Ⅲに進学させた佐藤ママと、中学受験専門カウンセラーであり算数教育家のきょうこ先生に、中学受験をする子どものための学習スケジュールの立て方と、塾の宿題の進め方について教えてもらいました。
受験生の基本的なスケジュールの立て方とは
勉強スケジュールは2か月分の長期スケジュールと、1週間分と1日分の短期スケジュールの両方を作る(佐藤ママ)
私は子どもたちのスケジュールを、1日、1週間、長期の休みごとに立てて、スケジュールを「見える」化していました。自分でやるべきことが見えること、全体量に見通しを立てておくことが、子どものやる気につながります。
1.机の前に模擬試験の予定を書き込んだ2ヶ月分のカレンダーをさげる
机の前に2か月分のカレンダーをさげ、模擬試験の日に「模試」と書いておきます。その模試の日まであと何日あるのかがすぐにわかります。その日に向けてしっかりと計画を立てることが必要。各科目で準備する項目をノートに書き出して計画をより詳細にすることです。
2.1週間分のスケジュールを作成する
1週間のスケジュールを作って、平日は起床・就寝時間、学校・塾にいる時間、登下校と帰宅予定の時間、学校の宿題・塾の宿題をやる時間をまず決めます。就寝時間は決めたらきちんと守るようにしましょう。寝る時間を守らないと次の日が疲れてダラダラと過ごすことになります。我が家の場合、小6は23時30分、小5は23時、小4は22時30分に寝ることにしていました。すべての予定が決まったら、次にはその時間に何をするのか具体的に考えなければなりません。科目を決めて、どの問題集を何ページするのかをノートに書いておきます。予定をどんどんやりながら、すんだものには丸で囲んでいくとやった感がでます。1日が終わって、予定していた項目がすまずに丸印が付けられなかったものは、明日以降でなんとか少しずつすませるように考えることです。やはり、毎日のやることを問題数やページ数までノートに書いておくことは大切なことで、やることの量がよくわかるし、できずに残ったものを把握することができるので、継続的に頑張ることができます。苦手な分野もはっきりしてきますから、頭の中でやることを考えて過ごすより、書いて記録しておくことは後々便利です。
「親がやるべき受験サポート」より
3.1日にやることをノートに書く
1冊のノートを用意し、1週間の予定をもとに、「その日にやることメモ」を書き出します。
・18:00~18:30 算数問題集 P20~30
・18時30分~19時 国語プリント No.4、5
時間、テキスト名、ページ数まで細かく書いておきましょう。子どもが帰宅して机に座ったら、今日は何をやるべきなのかがすぐにわかるようにしておくことが大切です。
子どものタイプを見極めて、スケジュールを親子で一緒に組む(きょうこ先生)
ざっくりスケジュールが向いている子、細かいスケジュールが向いている子がいるので、我が子がどちらのタイプかをまず見極めましょう。また、スケジュールを組む時は、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に考えて決めること。スケジュールを親が一方的に決めて押し付けるのではなく、子どもも自身が参加して納得することで、きちんとそれを守ろうと意識することができます。
・ざっくりスケジュールがお勧めの子
自分でいつまでに何をやるべきかがわかっている子、また幼すぎてスケジュール通りに生活ができない子には、徐々に時間感覚に慣らすためにまずはざっくりスケジュールがお勧めです。決めるべきことは次の3つ。
①1週間でやること
②どの曜日に何をするか
③1日のうち、いつ勉強するか
・細かいスケジュールが向いている子
自分で時間管理ができない子(ほとんどそうですよね)は、時間間隔を身に付けさせるためにも細かいスケジュールをお勧めします。スケジュールの考え方としては、塾の拘束時間と学校の時間を差っ引いて、残りの時間を勉強時間で埋めるというイメージです。宿題の量が増える上に難易度も上がるので、学年が上がるほどに、勉強時間は自然と長くなってくるはずです。スケジュールを組んだら、1日ごとに振り返り、できなかったことよりもできたことに目を向けて、褒めてあげるようにしましょう。また、勉強が終わったらゲームやyoutubeをOKとしている家庭がありますが、寝る直前にデジタルデバイスを与えると睡眠の質に影響するので、寝る直前は止めておくことをおすすめします。
長期休みのスケジュールのたて方とは
夏休みには、夏休み専用のスケジュールをたてる(佐藤ママ)
夏休みこそスケジュール作りが大切です。学校の授業がないので登下校で疲れることもなく、かなりの時間を受験勉強にあてることができます。夏休みのスケジュールを組むとき、下記のことを決めてまず書き入れましょう。家庭での学習は塾の宿題を優先するべきなので、その日にやることの詳細を大学ノートに書き出します。1日分の予定をノート1ページを使って書いておくとわかりやすいです。いつもよりすごく頑張りたいところですが、暑いこともあって欲張った予定を立てるのは挫折する元になりますから要注意です。我が家の夏休みは、いつもは7時に起きるところを、1時間多く寝ることにして8時に起きていました。子どもたちに聞くと、すごく得をした気分になって疲れも取れたと言っていました。
スケジュールにまず書き込むこと
・起床時間
・塾の授業時間
・いつ宿題をやるか
・食事や移動時間など、生活回りの時間
・就寝時間
「親がやるべき受験サポート」より
長期休みは、塾の講習がある日、ない日の2パターンを考えてスケジュールを組む(きょうこ先生)
例えば夏休みは、夏期講習のある日とない日によってスケジュールが変わってきます。夏期講習の時間をまずは書き出して、それ以外で、一日どれくらい勉強できる時間があるかを把握しましょう。
その上で、やるべき勉強を書き出します。夏期講習の宿題への時間の掛け方も子供によって違うので、それぞれにかかる時間を書き出し、その合計時間と空いている時間が一致するかを照らし合わせこと。その上で削った方がいいものがあるのか、それぞれの時間のかけ方を決めてから、いつ何をやるのかを組み立てていきましょう。
塾の宿題の回し方、きちんとこなすためのスケジュールとは
塾の宿題は1/3に分割してやること(佐藤ママ)
塾に行って力をつけるために一番必要なことは、宿題をきちんとやることに尽きると思います。塾の宿題は学校の宿題に比べて格段に難しく、また量も多いので、すべてを終わらせるためには親のサポートが必要です。ここでは私がどのように宿題をスケジュールに落とし込んでいったかを説明しましょう。
塾の宿題を授業の前日だけでやろうとすると、量が多いので時間がかなりかかりますから大変です。多すぎて最後までできなかったり、間違えたところの見直しがいい加減になってしまいますから、しっかりやるためには工夫が必要ですね。私は塾の宿題を3回に分けてやらせていました。2回に分けると1回の宿題の量が多くなり、4回に分けると、4日前にやったことを忘れてしまう。なので、3分割するのがちょうどいいと気が付きました。例えば、水曜日に塾で算数があるとしたら、火曜日は予備日として確保し、土、日、月の3日間で宿題を3分割します。算数の宿題が12問出たとして、1日4問ずつなら無理なく解けます。予備日にとっておいた火曜日に、3日間かけたやった宿題をざっと見直すことで、万全の状態で復習テストや授業に臨むことができます。
「親がやるべき受験サポート」より
塾の宿題が終わらないという子の親がやるべき3か条(きょうこ先生)
1.宿題の優先順位を決める。
親が宿題の内容を把握していないと優先順位がつけられないので、まずは親も宿題に目を通すこと。宿題の取捨選択については、テキストに沿った主たるものを優先させますが、先生がオプションとして独自に与えているものの方が優先順位が高いこともあります。なので、まずは塾の先生に相談しましょう。「宿題は全部やるべき」という方針の先生には、我が子の状態をしっかりと伝えて下さい。
2.スケジュールを見直す。
だらだらとして終わらないという場合はスケジュールを見直しましょう。1週間のうち、宿題の費やせる時間を書き出し、そこに取り組む宿題を当てはめていきます。スケジュールの終了時間がきたら切り上げ、就寝時間は守るように心がけましょう。
3.塾のクラスのレベルが合っているかを検討する。
終わらない子やついていけない子もいますが、塾の宿題は出されたもの全部に食らいつくくらいの気概が必要です。それができないということはついていけないということ。塾のレベルについていけずに宿題が終わらない場合は、クラスを下げてもらう、第三者のサポートを入れるなど環境を変えること。それでも無理なら、転塾の検討も視野に入ってきます。最難関校の合格を売りにしている塾は、中堅校を志望する子どもにとってはレベルが高すぎて合わない場合もあります。
まとめ & 実践 TIPS
受験生が勉強をしたり塾生活をうまく回すためには、学習スケジュールを組むことはマスト。子どもによってスケジュールも変わってくるので、我が子の現状を見ながら臨機応変に組み立てましょう。
出典:「親がやるべき受験サポート」
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