お手伝いにお小遣いは必要?導入する際のルールや金額は【保護者のホンネ】

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お手伝いをしたらお小遣いを渡すかどうかは、意見が分かれることが多いものです。
「お小遣いを渡すことで、お金の大切さや働くことの意味を知ってもらいたい」と思う一方、「お小遣い目当てのお手伝いになっていいのだろうか……」と迷うこともあるでしょう。

そこで、全国の保護者の皆さまにアンケートを実施。お手伝いへお小遣いを渡す家庭の割合や、それぞれの意見、各家庭の工夫についてご紹介します(※1)

大事なのは、お手伝い・お小遣いを通して、「お子さまに何を学んでもらうかを、明確にすること」。お手伝いやお小遣いを通して、お子さまがどんなことを学んで成長したか、保護者の皆さまの体験談もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

お手伝いにお小遣いを渡している家庭は54%

お子さまがお手伝いをした際に、お小遣いを渡している家庭は54%と、渡していない家庭46%を上回りました。(出典※1)

お小遣いを渡さない派の意見は?

お手伝いに対してお小遣いを渡さないというかたからは、お手伝いの目的や意味を大切にした次のような意見が寄せられました。

お手伝いは家族で分担するものだから

家族の一員として当たり前のことだから日々の手伝いではお小遣いをあげません。ほしい服やお菓子、文房具などは適度に買ってあげてるので、お小遣いもほしがらないです」(小学3年生の保護者/埼玉県)

家事は、家族で分担するものと教えているため。将来家庭を持った時にパートナーと生活できるように」(小学6年生の保護者/静岡県)

「家の仕事は家族ならやって当たり前という考えなので。家事は給料がもらえる仕事ではないが、家族を支える大事な仕事だとわかってもらいたいです」(小学3年生の保護者/東京都)

お小遣いがないとお手伝いしないようになるから

お小遣いをくれないならやらないという気持ちを育てたくないので毎回はあげません。時々、いつもありがとうの気持ちで、お菓子やほしがっていた物をプレゼントすることはあります」(小学4年生の保護者/愛知県)

「お手伝いをすればごほうびをもらえると思い、そのために手伝おうと思ってほしくないからです。お母さんが喜ぶからやる、やると気持ちがよくなるから手伝うと感じてほしいから」(小学1年生の保護者/静岡県)

お小遣いより感謝を伝えることが大切だから

「生活を共にするうえで、必要もしくはしたほうがよいことをしたことで小遣いやごほうびを渡すより感謝を伝えるほうがよいと思うからです。小遣いやほしいものがある時は相談するように伝えてあります」(小学4年生の保護者/大阪府)

お小遣いを渡す派の意見は? 金額の相場も

お手伝いにお小遣いを渡すというかたからは、お金を稼ぐ意味や大変さを理解してほしいという社会勉強の観点での意見や、お手伝いへの意欲を上げたいといった意見、お金を貯めることを通して計画性を学んでほしいといった意見などが寄せられました。

また、金額についてはお手伝いの内容ごとに金額を定める、ポイント制を導入するなどさまざまな工夫をされているようです。

お金を稼ぐ意味や大切さを教えたい

「お手伝いでも、労働には対価が必要という親の考え。低学年でも、少額のお小遣いを与えることで、お金を稼ぐ意味を教えたいから。親が幼いころから、「1円に笑う者は1円に泣く」という言葉を教わっていたから」(小学1年生の保護者/愛知県)

「ゴミ捨て(マンションなのでゴミドラムに持って行く)5円や掃除機10円などお手伝いによって金額が違います。お菓子を買うにも簡単には買えないこと、これだけ仕事をしないといけないということをわかってほしいと思っています」(小学5年生の保護者/大阪府)

善意のお手伝いや日々必要な家事以外には対価が必要だから

「自らやりたくてやってくれる善意のお手伝いについてはお金は渡さず感謝のみ。こちらからやってほしいと依頼したお手伝いに関してはポイント制で、ポイントが貯まるとお小遣いになるしくみにしています。子どもは遊んだり勉強したりするのが本分だと思うので、親の都合により、家事手伝いでその時間を搾取した場合は、その時間の対価を払うようにしています」(小学5年生の保護者/静岡県)

「食卓を拭いたり、お風呂掃除をしたり、家族全員が暮らしていくために必要な家事はお小遣いなしです。車の掃除、ベランダの落ち葉を掃くなど少し特殊な家事はお小遣いを出しています」(小学1年生の保護者/東京都)

お手伝いへのモチベーションを上げたい

「定額制のお小遣いだったが、友達の家のシステムを導入させてほしいとの懇願を受け、手伝い報酬お小遣い制に変更。でも、それをモチベーションにお手伝いをがんばってくれているので、今のところよかったです」(小学5年生の保護者/京都府)

お金を貯めるプロセスも学んでほしい

「月のお小遣いを渡していないので、なるべく自分がほしいものは、自分で買うことにより、物を大事にできるのではないかと思い、お手伝いへお小遣い制を導入しました。目的のものまでのお金を貯める楽しみ、やりがい、両替のやり方、計算など、お手伝い自体もそれ以外のことも、身に付けてもらえたらと」(小学2年生・小学6年生の保護者/三重県)

お手伝いにお小遣いを渡さない派、渡す派それぞれのご意見を見てみると、渡さないかたはお手伝いの意義や本質を重視し、渡す派のかたはお金を得ることをきっかけに深まる学びを重視している傾向が見えてきました。

お手伝いへのお小遣い、金額や渡し方は?

お手伝いに対してお小遣いを渡す場合、一つひとつのお手伝いに金額を定めているケースや、ポイント制でまとめて支払うケースなどがあるようです。渡し方の例をいくつかご紹介します。

お手伝いごとに金額設定

「月々のお小遣いはなしで、手伝ってもらえたらその都度メモし、月の合計を翌月に渡しています。
皿洗い(家族全員分)、風呂洗い、洗濯干し・50円、お米とぎ・30円、
高校生の息子のみ、下の子の勉強の面倒を見る・10分につき100円
きっかけはお金ほしさでしたが、家事の大変さを実感し、感謝する気持ちを持ち積極的にしてくれるようになりました」(小学4年生・高校1年生の保護者/東京都)

ポイント制

「ポイント制にしています。お手伝いを何かしたら1P=10円。洗濯物をたたむ。お風呂を掃除する。各1Pです」(小学4年生の保護者/岡山県)

「お金の大切さやお金を稼ぐことの大変さを知ってもらいたいと思って、お手伝い(お仕事)の対価としてお小遣いを渡しています。
毎日のお手伝いの回数を確認して1回10円。1か月分をまとめてお給料のようにしています!
1か月分まとめて渡すことで子どもも達成感があるようです」(小学2年生の保護者/新潟県)

シールで管理

「犬のお世話や配膳など、どんなささいなお手伝いでも、1回お手伝いしたらカレンダーにシールを1枚貼って、月末に数を数えさせて1枚10円換算でお小遣いを渡しています」(小学1年生の保護者/和歌山県)

1か月ごとに保護者が金額を判断

「月末に1か月の働きを見てゼロ〜1,000円の中で設定しています」(小学3年生・小学4年生の保護者/愛知県)

お手伝いのお小遣い制において、保護者のかたが気を付けていること

お手伝いにお小遣いを渡す報酬制は、ともするとお金が目的となってしまうことも考えられます。アンケートには、報酬目的のお手伝いとならないように保護者のかたが気を配られている工夫が寄せられていました。

仕事としてお願いする

「お手伝いとは言わず、子の「仕事」としてお願いしています。お休みの日の日課としてお風呂掃除をお願いし、休日はそのお小遣いで遊んだり買ったりするようにしています」(小学3年生の保護者/三重県)

自発的な姿勢を大切にする

「お願いされたものは10円、自発的なものは20円。苦手なもの、量が多いものは50円や100円とボーナスも。
自発的に動いてほしい、また働くとはどういうことか、お金の大切さを知ってほしいので渡しています」(小学2年生の保護者/神奈川県)

物の大切さに気付かせる

「好きなものがほしい時は、『お手伝いをがんばれ〜』と言っています。物を買うためには、働いてお金をもらってるからなんだよと伝えています。
金額は10円です。好きなものが買える金額でなかったとしても、物はタダではもらえないってことを教えているつもりです」(小学2年生の保護者/埼玉県)

働くことの意義を感じられるプロセスにする

「風呂掃除、布団敷き、机拭き、皿運び、皿洗いを日課としており、習い事等でできない日もありますが、1項目1日1回5円の単価で計算しています。
月末締め、翌月初旬渡しで、締め後に回数を本人に確認させ、月初にそれを私が確認し、総額を算出し、手渡しします。
手作りの通帳に記入し、受け渡しの印鑑とサインのやり取りもします。
大人になっていくステップとして、金銭授受の受け渡しや管理の大切さ、働くことについての意義を身に付けられるといいなと思って続けています」(小学5年生の保護者/愛知県)

お手伝いにお小遣いを渡す意味を伝える

「ずっと渡していませんでしたが、なかなかお手伝いをしてくれなく、周りのお友達の話を聞いて、お手伝いをしてお小遣いをもらいたいと言い出しました。
家事を覚えてもらいたい気持ちもあるので「本来は家事に報酬は発生しないこと」「覚えてもらうためのお小遣いであること」「将来、お小遣いをもらえないならお手伝いはしないというのはダメ」を説明し、お小遣いを渡すことにしました。
家事に対するお小遣い金額を、細かく設定してリストにしました。
普通に毎月のお小遣いも渡しているので、そちらは金額を少なく設定し直し、今までと同じぐらい、もしくはそれ以上もらいたいなら、お手伝いをして稼ぐ、ということにしています。
単価はかなり安いですが、ほんのちょっとしたお手伝い(たとえば食後のテーブルを拭く)なんかも、してくれるようになりました。
覚えてほしいけど、なかなかやってくれない家事を高めに設定したり、日々、更新中ですが、今のところいい感じです。
高齢出産だったため、更年期の症状とも戦い始めており、小学生のうちに、ある程度の家事を覚えてもらいたいと思っています」(小学4年生の保護者/北海道)

まとめ & 実践 TIPS

お手伝いにお小遣いを渡す場合も、渡さない場合も、各家庭でその理由をしっかりと考えられている様子が見られました。

大事なのは、お手伝い・お小遣いを通してお子さまに「何を学んでもらうかを明確にすること」。
働く意義など社会勉強的な観点から、家事を覚えることまで、お子さまの学齢・性格・おうちの教育方針によって、学んでもらいたいことはさまざまです。

お子さまと一緒に、ご家庭のルールを相談して決めていくのもいいですね。
お手伝いをきっかけに、家族の役割やお金の意味、計画性などさまざまな学びを広げてみてくださいね。

※1
調査地域 全国
調査対象 小学生・中学生・高校生のお子さまをお持ちの保護者のかた
調査期間 2023年8月29日~2023年9月29日
調査手法 WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数 560名

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