子どもが「自分を客観視する力」を育てるために、保護者ができること

子どもが「自ら目標を立てて、主体的に学習を進める」ことを続けていくためには、3つの要素が大切です。それは「学習動機付け」、「良い勉強方法を身につけること」に加えて、「自分を客観視する力を育てること」です。3つめの「自分を客観視する力」のことを「メタ認知」と呼びます。今回は「メタ認知」に着目し、メタ認知が学習にもたらす効果と、メタ認知を家庭でどう育てられるのかについて考えます。

メタ認知の発達は小学校高学年から伸びる

メタ認知とは、見たり、聞いたり、覚えたり、理解したり、考えたり、書いたりするといった認知的活動を一段高いところから客観的に捉えることです。小学校高学年から顕著な発達がみられます。メタ認知が発達すると、それを使って、自分の学習の状況や進み具合を振り返ったり、評価したりできるようになってくると言われています。

ここで、ベネッセ教育総合研究所で、最近行った「小学校高学年の学びに関する調査」から子どもの「メタ認知」に関するデータをみてみましょう。

図1をみると、約9割の子どもは「自分は何が得意で、何が苦手かをわかっている」と自己評価しています。また、自分がうまくいく勉強方法を考えて進めたり、テストの後、自分のたてた目標をどこまで達成できたのかを考えたり、振り返りを行ったりしている子どもは3~4割います。

さらに、約4~6割弱の子どもは自分の話があまり相手に理解されていないと気づいたら、自分の説明の仕方を変えみたり、自分の学習状況を捉え、理解できないときに、勉強の仕方を変えてみたりしていることが明らかになっています。

そして、メタ認知は小学4~6年生にかけて、少しずつ伸びていることもわかりました。

メタ認知の高い子は、学力も高い

メタ認知は、学習にどんな効果を与えるのでしょうか。今回の調査から、メタ認知が高い子どもほど、学習への好奇心が高い、また目指したい高校や大学といった将来への目標を持って、学習に取り組むといった自律的動機付けで学習に向かう力を持っています。 

また、図2のようにメタ認知が高い子どもほど、間違えた問題の見直しを行ったり、答え合わせをした後、解き方や考え方を確かめたり、今まで勉強したことと関連付けて考えたりする学習方略を活用する比率が高いです。さらに、自分の学習を意識・俯瞰したうえで、学習計画を立てたり、そしてうまくいかないときに、計画を修正したりする行動ができるのがメタ認知の高い子どもの特徴です。

動機付けや学習方略だけではなく、メタ認知がテストの成績や思考力、非認知能力にもつながることが明らかになりました(図3)。

家庭で「メタ認知」を育てるには

それでは、自分を客観視する力であるメタ認知をどう育てればよいのでしょうか。家庭でできることはあるのでしょうか。

今回の調査では、保護者の関わりの行動の一つとして「ほめ方」について、詳細にたずねています。9割の保護者は子どもをほめています。具体的なほめ方をみると、「具体的にほめる」保護者は4割(「とてもあてはまる」)で、「努力をほめる」や「成長をほめる」は3割前後、「プロセスをほめる」は2割います。そして、このようにほめると、子どもの「メタ認知」を促すことができる結果も得られています。

ほめるときに、「すばらしいね」「すごいね」だけではなく、なぜすばらしいといえるのか、どこがすごいのかと、具体的にほめることで、子ども自身が自分のことをより客観的に捉えられ、その結果、子どものメタ認知が働くことにつながります。日常生活の中で、子どもが自分自身の行動を意識し、メタ認知を高められるようなほめ方を工夫してみてはいかがでしょうか。

出典:ベネッセ教育総合研究所「小学校高学年の学びに関する調査」(2019年)
   調査対象:全国小学4年生~6年生とその保護者3,004名

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