字が汚い子どものための文字をきれいに書く練習8つ-アドバイスのコツも紹介
本記事では、字が汚い子どものための文字を練習する方法8つやアドバイスのコツも紹介していきます。子どもの字が汚いとテストの回答で先生に読み間違えられてしまい点数をもらえなかったり、将来的に第一印象の良し悪しにつながったりする可能性もあります。
子どもの字が汚い原因は?
問題を解決するためにはまずは原因から見ていく必要がありますが、子どもの字が汚い原因としては、「きれいな字を書けるのに書かないタイプ」と「きれいな字を書けないタイプ」が存在していると言われています。
きれいな字を書けるのに書かないタイプ
きれいな字を書けるのに書かない子どもは、集中して字を書く書写の授業ではきれいな字を書くことができます。「丁寧に字を書いてみて」と言うと上手に書けるため、保護者としては安心できる部分でしょう。
しかし宿題や普段のノート、テストの答案などの字は、丁寧に書いたときの文字とはまるで違うのです。このような子どもは普段、字を書く機会があると「早く済ませたい」と考えてしまうタイプです。字のバランスや、綺麗に書く方法はある程度身についているのです。
きれいな字を書けないタイプ
きれいな字を書けるかどうかも、手先の器用さにかかわるその子の個性です。きれいな字を書けないタイプの子どもも珍しくありません。
きれいな字を書けないタイプは字のバランスについて理解していないことや、手先の不器用さが原因で、書写の授業や宿題、ノートなど、いつでも字が汚い傾向にあります。字以外でも、絵を描いたり、工作をしたり、手先や道具を使う授業も苦手である可能性が高いです。
字が汚いことで発生するデメリットとは?
ゼブラ株式会社の行った「ZEBRAキレイ文字調査」によると「手書き文字に性格は表れると思いますか」という質問に81.3%が「そう思う」、「キレイ文字は第一印象アップにつながると思いますか」という質問に97.0%が「そう思う」、と感じているアンケート結果が出ています。
子どもの字が汚いまま成長すると、将来的に第一印象で損をする状況が起こりかねないということです。大人になってからも字の書き方を矯正することは可能ですが、子どものうちから綺麗にしておいて損はないでしょう。
きれいな字を書けるのに書かないタイプへのアドバイス4つ
きれいな字を書けるのに書かないのは勿体ないことです。ここでは、きれいな字を書けるのに書かないタイプへのアドバイスを4つ紹介していきます。
1:文字を書く目的について伝える
きれいな字を書けるのに書かないタイプは、普段から文字をきれいに書く必要性を感じていません。字を丁寧に書けば上手に書けるため、文字を書く目的について伝えるのが効果的でしょう。
字が汚いと、自分以外の人に読みづらい状況を与えます。テストで正解を書いているのに、先生が読めないと間違った答えと判断される恐れがあります。
文字は、人に書いた内容を正しく伝えるために、「誰が見ても読めるよう丁寧で綺麗に書こう」と伝えましょう。
2:きれいな字を書くメリットについて伝える
きれいな字を書くメリットについて伝えてみましょう。頭ごなしにきれいな字を書くように伝えても子どもは「めんどくさい」と思ってしまい納得しないかもしれません。では、きれいな字を書けることにどのようなメリットがあるのでしょうか。
きれいな字を書くメリットとしては、字を見た人に対して、礼儀正しい、賢い、丁寧、など、良い印象を与えます。
デジタル化によって手書きの頻度は減る傾向にありますが、文字を手書きするという行為自体がなくなることはないため、きれいな字を書けるメリットは大きいでしょう。
3:ゆっくり書ける環境を整える
きれいな字を書けるのに書かないタイプの子どもは、ゆっくり書けばきれいに書けますが、書くスピードが速すぎると字のバランスが取れず、はねやはらいにも注意が向かなくなるため、文字の形が汚くなってしまいます。
普段から「早く宿題終わらせなさい」「時間を無駄にしないで」など、急がせるようなことを保護者が言っている場合、「早く済ませることが良い」と子どもが認識しているケースがあります。
保護者は「時間はあるから字を書くときは丁寧に書いて」と子どもを焦らせず、ゆっくり書ける環境を整えましょう。
4:テストだけなど範囲を決めて丁寧に書く癖をつける
書写の授業で書く文字は整っているのに、普段は雑で汚い字になってしまう子どもはたくさんいます。集中力が続かず面倒くさがりだったり、せっかちだったりする子どもに多いでしょう。
どんなときも「字は丁寧に書いて」と伝えると、子どもにとってはストレスになってしまうことも考えられます。きれいな字を書く習慣がついてない子どもの場合は、テストだけなど範囲を決めて丁寧に書く癖をつけさせましょう。
字が汚い子どものための文字を練習する方法8つ
次は、字が汚い子どものための文字を練習する方法8つについて見ていきましょう。練習方法次第で子どものやる気を削いでしまう危険もあるため、小さなことでもできることが増える度に褒めることをおすすめします。
1:鉛筆の持ち方を確認する
きれいな字を書く前に、書き方よりもまず先に鉛筆の持ち方を確認しましょう。鉛筆には正しい持ち方があり、正しく使うことで思い通りの線が書けるようになります。
まず、人差し指は指腹で上から押し当て、鉛筆の先から25mmあたりのところに置きます。親指は人差し指より少し後ろ、中指を人差し指より前に置いて、中指の爪の根元で鉛筆をしっかりと支えます。
また、鉛筆を正しく持てるようになるサポートグッズを活用している家庭もあるようです。
・鉛筆が正しく持てるようになる市販のグリップを着けて使わせました。(高2・埼玉県)
・鉛筆が正しく持てるようになる市販のグリップを着けて使わせました。(小6・埼玉県)
2:姿勢をよくして書く
姿勢が崩れていると、腰や腕に負担がかかり、物事を正確に理解したり、集中して物事に打ち込んだりしにくくなります。姿勢をよくするためには、日ごろからたくさん体を動かして鍛えることが必要です。
そうすることで、書く姿勢がよくなり文字とのバランスも意識するようになります。
保護者からも「丁寧に書くために姿勢をよくして椅子に座ることを繰り返し伝えました。(小1・北海道)」との声が寄せられています。
3:線を書く練習をする
字が汚い子どもに共通しがちなのが、線を真っ直ぐに書けないことです。まずは、子どもが線を真っ直ぐに書けるかを確かめてみてください。
文字というのは、縦線と横線で構成されている部分が大きいです。地味で単調な作業ですが、文字をきれいに書く土台として、線を縦と横、まっすぐに書けるように練習させましょう。
「縦線がまっすぐ下ろせなかったので、手首を固定せずひじごと動かすように伝えた。(小6・大阪府)」というように、線を上手に書きづらい原因をアドバイスしてあげるのもいいですね。
4:お手本をよく見て書く
目で見て、頭の中でその文字の美しいバランスを把握できているかも字の上達として大切なポイントです。お手本をよく見て書かないと文字のきれいな形に気づかず、ただ文字を書いているだけになってしまいます。
線の書き出しと書き終わりの位置はどうなっているのか、大きさとして部首とつくりの関係はどうか、はらいのとき線の曲がり具合はどうか、など気にする部分はお手本に書かれているため、お手本を注意深く見る癖をつけるように子どもに教えましょう。
それでも難しい場合は「正しい姿勢と鉛筆の持ち方からはじめて、綺麗な字のお手本をなぞらせてみた。(小1・北海道)」との保護者からのアドバイスにある通り、お手本をなぞるところから始めてみるといいでしょう。
5:正しい書き順で書く
正しい書き順を意識して書くと、全体の形や線の方向が安定し、文字のバランスを整えやすくなります。基本的に文字は、左から右へ、上から下へ、書くものが多く、同じ形の文字の書き順も同じです。
正しい書き順で書けるようになれば、止めやはね、はらいもリズム良く書けるようになり、字を覚えやすい利点もあります。
6:マス目のノートを使って練習する
文字を書く練習をするときは、マス目や十字リーダーのあるノートを使ったり、保護者がマス目を書いてあげたりしましょう。「最初の線は左上の部屋の真ん中あたりから始まっているな」といった具合に、お手本を見ながらバランスの調整をしやすくなります。保護者からも次のような体験談が寄せられています。
・(マス目のノートで)4つの部屋を意識した(中1・愛知県)
・一文字の全体バランスが悪いので、ノートのマスのように、初めて書く漢字とかは、紙に大きくマスと十字点線を書き、書く練習をさせています。子供は字を大きく書きたがるので、とてもイイ練習方法ですよ。(小2・都道府県不明)
・十字線があるノートの場合は、どの部分に字のどこがあるかを意識させました。十字線がなくなってくずれだしたら全体のバランスを意識させました。(学年不明・岐阜県)
7:ゆっくり丁寧に何度も練習する
字は急いで書く必要はなく、ゆっくり丁寧に何度も練習することを伝えましょう。書くスピードが速すぎて字が汚くなっている可能性があります。普段から急いで書けば文字のバランスまで気にしないため、結果的に汚い字になっているのです。
8:楽しく練習できる工夫をする
字を書くことが嫌いになってしまうと上達するものも上達しません。そこで、子どもが楽しく練習できる工夫をすることも大切です。楽しく練習できる工夫としてのおすすめは、イラスト付きの解説が載っている字の練習帳を購入することです。
子ども向けの可愛いイラストがついているため、子どもも楽しんで字の形を学べます。きれいに書くポイントも丁寧に書かれているため、保護者が子どもに教えるときも練習帳の内容に沿えば教えやすいでしょう。
また、他の保護者からは「お気に入りの鉛筆を購入。まずは鉛筆を持ち書きたくなる環境を作った(小3・兵庫県)」といったアイデアも寄せられていました。
字が汚い子どもへアドバイスをするときのコツ4つ
最後に、字が汚い子どもへアドバイスをするときのコツ4つについて紹介していきます。字が汚い子どもへアドバイスをするときのコツには、「他の人が読める字を目指す」「叱らない」「失敗したときにタイミングよく声をかける」「きれいな字が書けたら褒める」などがあります。
きれいな字を書けないタイプの場合は、すぐにきれいな字が書けるようにならないこともあり根気が必要です。時間をかけてじっくりアドバイスしていきましょう。
1:他の人が読める字をめざす
字が汚い子どもは、そのような意図はなくとも他の人に読めないような字を書いていることもしばしばあるでしょう。後から自分でその字を見ても「なんて読むかわからない」と言ってくるケースもあります。
まずは、自分だけではなく他の人が読める字をめざすことが大切です。この点に気づけなければ子どもはいくら練習しても上手くなりません。
他の人が読める字にしていくためには、まず保護者が子どもに書いた字を見て、「この字は読めるよ」「この字は読めないよ」と一つずつ指摘して、本人に自覚させましょう。
全般的に読めない字の場合は、線の入ったマス目に字を書いて、上下左右のバランスを客観的に見られるよう工夫すると効果的でしょう。
2:叱らない
字が汚い子どもがすぐに上達しなくても叱らないであげてください。アドバイスしたとおりにできなくても、癖がついてしまっていれば直すのは大変です。それまできれいな字を書く意識のなかった子どもはなかなかきれいな字をかけるようにはなりません。
手先が器用な子もいれば不器用な子もいます。字が汚いことも個性の一つと捉え、字を書くことを嫌いになってしまわないよう穏やかな気持ちで子どもに接してあげてください。
3:失敗したときにタイミングよく声をかける
失敗したときにタイミングよく声をかけることも、字が汚い子どもへアドバイスするコツの一つです。字が汚い子どもは、字を書いているとき、どこで汚くなってしまうのかがわかっていません。バランスが悪いことに気づけば、次からはその部分を書く時に注意できるでしょう。
例えば、「三」や「五」「美」「言」など、横線が目立つ文字の場合、まず字の横線は右上がりになっているか、最初から右下がりや横線の角度が違いすぎているとここで失敗しています。失敗したときに伝えれば、次に書くときは文字の傾きに対して以前よりも集中するでしょう。
4:きれいな字が書けたら褒める
子どもがきれいな字が一つでも書けたら保護者が褒めることも、子どもがやる気を失わない秘訣です。「この字は形がきれいに書けているよ」「とめ、はらいが上手に書けるようになったね」など、できたことを細かく褒めると、子どもも嬉しくなって練習を嫌がらずにするようになるでしょう。
字が汚い子どもへのアドバイスや練習方法を知ろう
字が汚い子どものための文字を練習する方法7つやアドバイスのコツについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。子どもがきれいな字を書けるようにするには、まずは保護者が子どもの字が汚い原因を探り、その子に合ったアドバイスの仕方や練習方法を知って、一緒に練習に付き合いましょう。
少しずつでも字をきれいに書く癖が身に付けられるように、アドバイスする際は、すぐにできなくても叱らないこと、神経質になり過ぎないことを意識するようにしましょう。子どもがやる気を失わないために、上手にサポートしてあげてください。
出典
『「書き順」が大事な理由って? きれいな字が書けるようになるためのポイントをご紹介』(ベネッセ教育情報サイト)
https://benesse.jp/kyouiku/202009/20200927-2.html
『ZEBRAキレイ文字調査(2015年)』(ゼブラ株式会社)
https://www.zebra.co.jp/press/news/2015/0403.html
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