字が汚い小学生におすすめ!文字をきれいに書く練習法

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小学生のお子さまの字が汚いことが心配な保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。「テストで減点されてしまうのでは?」「ノートも汚く見えて、印象がよくないかも」と不安になることもあるかもしれません。そこで、子どもの字が汚くなってしまう原因や、きれいに書けるようになるための練習法を紹介します。

この記事のポイント

子どもの字が汚い原因は?

「あわてて書いたから」「やる気が出なかったから」など、字が汚くなってしまうのにはさまざまな原因があります。原因がわかるとアドバイスもしやすくなるため、まずはお子さまの字が汚くなってしまう理由を確認するようにしましょう。その際、「きれいな字を書けるのに書かないタイプ」と「きれいな字を書けないタイプ」別に原因をおさえていくのがおすすめです。

きれいな字を書けるのに書かないタイプ

きれいな字を書こうと思えば書けるのに書かない子どもは、急いでいたり、集中力がなかったりして字が汚くなってしまうことが多いものです。

また、やろうと思えばきれいな字を書けるからこそ、汚い字を書いていても問題意識を持てないことも。「自分が読めればいいや」と考えて、字が汚くても直そうとしないことも少なくありません。

きれいな字を書けないタイプ

きれいな字を書けないタイプは、字のバランスについて理解していないことや、手先の不器用さが原因で運筆がうまくできないことが字が汚い原因となります。また、字のバランスについて理解していないことで、自分の字が汚いことに気づいていないこともあるでしょう。

字が汚いことで発生する3つのデメリット

お子さまの字が汚いからといって「きれいに書きなさい」「丁寧に書きなさい」というだけでは、なかなか改善されないものです。字が汚いことで、どのようなデメリットがあるのかをわかりやすく伝えることで「きれいに書かなければ」という気持ちを刺激することができます。次に紹介する字が汚いことの3つのデメリットを伝えるようにしましょう。

テストで減点になる可能性

テストの解答の字が汚いと、先生が採点するときに書かれた字を読めずに減点となってしまう可能性があります。漢字のトメやハネなどがしっかり書かれておらず、自分では正しく書いたつもりなのに得点できないということもあるでしょう。

自分の文字を読み間違える可能性

自分で書いた字を自分で読み間違える可能性もあります。連絡帳に書いた明日の持ち物を読めなかったり、算数の計算問題で途中式の「0」と「6」、「1」と「7」などを読み間違えて答えを誤ったりすることもあるでしょう。

第一印象で損をする可能性

ゼブラ株式会社の行った「ZEBRAキレイ文字調査」によると「手書き文字に性格は表れると思いますか」という質問に81.3%が「そう思う」、「キレイ文字は第一印象アップにつながると思いますか」という質問に97.0%が「そう思う」、と感じているアンケート結果が出ています。

丁寧な字を書いていると、学校でもノートのまとめ方や授業の取り組み態度を評価されやすくなるでしょう。反対に字が汚いと、印象が悪くなる可能性も否定できません。

きれいな字を書けるのに書かないタイプへのアドバイス3つ

きれいな字を書けるのに書かないタイプは、きれいな字を書かなければという意識が薄いことも多いものです。次の3つのアプローチで、きれいな字を書けるようにしていきましょう。

1:字が汚いデメリットときれいな字を書くメリットを伝える

きれいな字を書けるのに書かないタイプは、普段から文字をきれいに書く必要性を感じていないことが多いものです。そのため、字が汚いことのデメリットと、字がきれいなことのメリットを伝えるのが効果的でしょう。

字が汚いと、自分以外の人に読みづらい状況を与えます。テストで正解を書いているのに、先生が読めないと間違った答えと判断される恐れがあります。

文字は、人に書いた内容を正しく伝えるために、「誰が見ても読めるよう丁寧で綺麗に書こう」と伝えましょう。

また、きれいな字を書くメリットとしては、字を見た人に対して、礼儀正しい、賢い、丁寧、など、良い印象を与えることが挙げられます。また、計算間違いや読み間違いを防いで、勉強の効率もあがるでしょう。

2:ゆっくり書ける環境を整える

きれいな字を書けるのに書かないタイプの子どもは、「早く済ませることが良い」と認識していることも多いものです。普段から「早く宿題終わらせなさい」「時間を無駄にしないで」など、急がせるようなことを言いすぎてはいないでしょうか。適切な声かけなら問題ありませんが、言いすぎてしまうと「早いことがいいこと」と考え、書くスピードが速くなり、字のバランスが取れず、はねやはらいにも注意が向かなくなってしまいがちです。

「時間はあるから字を書くときは丁寧に書いて」「上手でなくてもいいから、丁寧に書いてみよう」と子どもを焦らせず、ゆっくり書ける環境を整えましょう。

3:範囲を決めて丁寧に書く癖をつける

どんなときも「字は丁寧に書いて」と伝えると、子どもにとってはストレスになってしまうことも考えられます。きれいな字を書く習慣がついてない子どもの場合は、漢字ノートだけや、テストだけなど範囲を決めて丁寧に書く癖をつけさせましょう。

きれいな字を書けない子どものための文字を練習する方法7つ

次は、きれいな字を書けない子どものための文字を練習する方法を7つ紹介します。

1:鉛筆の持ち方を確認する

鉛筆の持ち方が正しくないと、運筆がうまくいかなかったり、手が疲れやすくなってしまったりします。思い通りの線が書けるように、正しい鉛筆の持ち方を確認しましょう。

まず、人差し指は指腹で上から押し当て、鉛筆の先から25mmあたりのところに置きます。親指は人差し指より少し後ろ、中指を人差し指より前に置いて、中指の爪の根元で鉛筆をしっかりと支えます。

鉛筆を正しく持てるようになるサポートグッズを活用している家庭もあるようです。

・鉛筆が正しく持てるようになる市販のグリップを着けて使わせました。(小6・埼玉県)

2:姿勢をよくして書く

姿勢が崩れていると、腰や腕に負担がかかり、集中力を発揮しづらくなります。書くときの姿勢は、次のような点を意識していきましょう。

・背筋を伸ばす
・机と体の間を握りこぶし1つ分ほど空ける
・あごを引く
・足は組まない

保護者からも「丁寧に書くために姿勢をよくして椅子に座ることを繰り返し伝えました。(小1・北海道)」との声が寄せられています。

3:線を書く練習をする

字が汚い子どもに共通しがちなのが、線を真っ直ぐに書けないことです。まずは、お子さまが線を真っ直ぐに書けるかを確かめてみてください。

線をまっすぐ書けない場合は、腕や指、肩などに力が入りすぎていることが多いものです。力を入れすぎずに書くことができるよう、まずは縦線や横線を引く練習からはじめてみましょう。その際、ひじを体の側面につけていたり、手首を固定していたりしないか注意深く見てあげてください。

「縦線がまっすぐ下ろせなかったので、手首を固定せずひじごと動かすように伝えた。(小6・大阪府)」というように、線を上手に書きづらい原因をアドバイスしてあげるのもいいですね。

4:お手本をよく見て書く

正しい文字の形やバランスを把握することも、きれいな字を書くための大切なポイントです。その際「お手本をよく見て」というだけでは、何に気をつければいいかわかりません。次のような点に注意してお手本を確認するようにアドバイスしましょう。

・線の書き出しの位置
・線の書き終わりの位置
・部首とつくりのバランス
・トメ・ハネ・はらい

お手本を見ても感覚をつかむことが難しい場合は「正しい姿勢と鉛筆の持ち方からはじめて、綺麗な字のお手本をなぞらせてみた。(小1・北海道)」との保護者からのアドバイスにある通り、お手本をなぞるところから始めてみるといいでしょう。

5:正しい書き順で書く

書き順は、バランスよくきれいに書けるように定められています。正しい書き順を意識して、全体の形や線の方向を安定させ、文字のバランスを整えていきましょう。

また、正しい書き順で書けるようになれば、止めやはね、はらいもリズム良く書けるようになり、字を覚えやすくなるでしょう。

6:マス目のノートを使って練習する

文字を書く練習をするときは、マス目や十字リーダーのあるノートを使ったり、保護者がマス目を書いてあげたりしましょう。「最初の線は左上の部屋の真ん中あたりから始まっているな」といった具合に、お手本を見ながらバランスの調整をしやすくなります。保護者からも次のような体験談が寄せられています。

・(マス目のノートで)4つの部屋を意識した(中1・愛知県)
・一文字の全体バランスが悪いので、ノートのマスのように、初めて書く漢字とかは、紙に大きくマスと十字点線を書き、書く練習をさせています。子供は字を大きく書きたがるので、とてもイイ練習方法ですよ。(小2・都道府県不明)
・十字線があるノートの場合は、どの部分に字のどこがあるかを意識させました。十字線がなくなってくずれだしたら全体のバランスを意識させました。(学年不明・岐阜県)

7:楽しく練習できる工夫をする

字を書くことが嫌いになってしまうと上達するものも上達しません。そのため細かいことを言いすぎないことや、子どもが楽しく練習できる工夫をすることも大切です。

「お気に入りの鉛筆を購入。まずは鉛筆を持ち書きたくなる環境を作った(小3・兵庫県)」といったアイデアもいいですね。鉛筆だけでなく、お気に入りのキャラクターのついたノートで練習するのもいいでしょう。

また、丁寧に文字を書けたたびにシール帳にごほうびシールを貼っていくというのもおすすめです。シールが増えていくことで「こんなに練習したんだ」との達成感を覚えることもできるでしょう。

字が汚い子どもへのNGアドバイスに注意!

丁寧に字を書けるようにアドバイスしたつもりが逆効果になってしまうこともあるものです。次のようなNGアドバイスをしていないか注意していきましょう。子どものやる気をそがないように、注意していきましょう。

細かすぎる指摘

字をきれいに書くクセがついていないのを矯正していくのには、時間がかかるものです。そのため、あれもこれもと細かい指摘をしすぎないように注意しましょう。指摘の数が多すぎると「何に注意すればいいのかわからない」と混乱させてしまいます。

まずはマス目の中におさめることからはじめ、次にトメハネ、それができたら作りのバランスというように段階的に練習していくのがいいでしょう。

「丁寧に書きなさい」というだけ

子どもの字が汚いと「丁寧に書きなさい」と注意しがちなものです。でも、それだけだと曖昧すぎて子どもはどうすればいいのかわかりません。具体的にどこができていないかを指摘するようにしましょう。「”具”という字が”貝”に見えてしまっているよ」など客観的にどう見えるかを指摘するのもいいですね。

まとめ & 実践 TIPS

字が汚いとテストで減点されたり、読み間違えが発生したりと思わぬデメリットがあります。上手に書けなくてもいいので、丁寧に書くことをまずはアドバイスしてあげたいですね。改善には時間がかかるものですが、保護者も一緒に練習に付き合うなど根気強くサポートしてあげましょう。

少しずつでも字をきれいに書く癖が身に付けられるように、アドバイスする際は、すぐにできなくても叱らないこと、神経質になり過ぎないことを意識するようにしましょう。子どもがやる気を失わないために、上手にサポートしてあげてください。


出典
『「書き順」が大事な理由って? きれいな字が書けるようになるためのポイントをご紹介』(ベネッセ教育情報サイト)
https://benesse.jp/kyouiku/202009/20200927-2.html

『ZEBRAキレイ文字調査(2015年)』(ゼブラ株式会社)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000006581.html

保護者コメントはベネッセが2023年に行ったWebアンケートより

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