小学生のための読解トレーニングと家庭学習法を、予約が取れない国語の受験コーチに聞いてみた

「文章がなかなか頭に入ってこない」「読めても答えにたどり着けない」など、国語の読解問題にお子さんが悩んでいませんか?長年にわたり中学受験の指導実績があり、国語を専門とする受験コーチの齊藤美琴先生に、「文章の読解トレーニング」と「家庭学習」の進め方についてお話を伺いました。

この記事のポイント

文章の読解とは

文字が読めることと、読解との違い

「読解」とは、文章の内容を把握し、読み解くことです。読解が苦手なお子さんは文字だけを追って文章を読んでおり、論旨展開の前後がひっくり返っていたとしても、気にせずにそのまま読んでしまいがちです。そのため、例えば国語でよく出題される接続詞の問題で「だから」が入るところに「しかし」を入れても、そのまま平気で読み進めてしまいます。指示語の問題も同様に、大人であれば「これ」と書かれているものを探す問題で、置き換えて読めなければ「これは違うな」とわかります。ところが「これ」と書いてあったら直前の言葉をとりあえず入れてみたらいい、などとテクニックだけで解こうとするお子さんは、本質的に文章が読み解けていないので、なかなか正解にたどり着けません。

読解力をつけるための、文章の種類別・読解トレーニング方法

論説文の読解は、日常会話で鍛えられる

—受験における読解問題の素材文としては、主に「論説文」、「物語文」「随筆文」があります。その中でも論説文は、大人が読んでも難解なものが多く、手強い印象があると思います。しかし、それまでの子どもたちの読書は物語中心ですので、読書量の多少や今までの経験による差がつきにくいのが「論説文」のようなロジカルな文章です。では、家庭ではどんなトレーニングをすれば、論説文の読解力がつくのでしょうか。その1つの答えは、身近な大人との「会話」にあると私は思います。日常会話の中で、「つまり」、「そして」などの接続詞を使って話すことはあまりありませんが、論理矛盾なく会話ができる子は、論説文にも強い傾向にあります。どれだけ会話や話の流れを自然に受け止めているか。会話の「量」もそうですし、例えばおうちの方を説得する際にも、「だってこうだから、~~だ」などと、論理立てて説明できる子は、論説文の論理主張を流れとして受け止めることができています。ご家庭の中のたくさん会話の中でお子さんの主張に耳を傾け、言葉をつなぐのを待ってあげてほしいと思います人の話を聞き、受け止めた上で発信する、それを繰り返すことで、自然と読解力を鍛えていくことができます。

「物語文」の読解は、経験と語彙力がカギ

—「物語文」では、心情表現の読み取りがとても重要になるので、自分が感じた感情を言葉にしたり、深く考えたりするという経験値が、内容理解に深く影響しています。例えば文章の中に、「うつむく」という言葉が出てきたとします。その言葉を使っている場面で、それは恥ずかしい状態なのか、がっかりしている状態なのか。もしそれがわからなかったとしても、プラスマイナスで言えばプラスの感情ではないな、など。深さ浅さの差はあれど、その子がどう感じているかは、ご家庭でも確認することができます。また、読書量と読解力が必ずしも比例しているわけではないですが、読書をすることで、疑似体験の経験値が増え、それが文章を読み取る時に役立つということはあると思います。

「随筆文」の読解は、文章の正体がわかれば怖くない

—「随筆文」は定義があいまいなため、難しいと思われがちですが、「論説文」と「物語文」の中間で、子どもたちには「大人の作文」だとよく話します。大人が子どもの頃思ったことや、今の世の中のことを自分の体験とともに話すこと。そのように、大人が出来事と気持ちを書いたものが随筆で、読者に伝えたい主張や訴えがあると「論説文」寄りの話になりますし、昔の話を思い出しながら出来事と気持ちを丁寧に描くと、「物語文」寄りの話になります。
 そう考えると「随筆文」という、物語文でも論説文でもない、ふわっとした文章の正体が理解できるようになります。「これは論説文的な随筆文だな」などと判断ができるようになると、論旨展開や接続詞に注目しながら読めばいいなど、対策も考えやすくなります。

小学生の家庭学習における親の役割とは

場所よりも時間の管理が大切

—ここまでは文章の読解トレーニングについてお話をしてきましたが、受験コーチとして、勉強する“環境”についても少し考えてみたいと思います。よくリビング学習がいいか、個室で勉強するのがいいか、という相談を受けますが、その判断は、子どもの精神年齢やその子の置かれた環境によって変わってきます。親子ともにリビング学習を希望していたとしても、リビングには下のお子さんもいて、どうしても騒がしくしてしまう…といったケースもあるでしょう。リビング学習のメリットは「おうちの方が、時間を管理できる」ところだと思います。子どもは時間の感覚がまだまだ弱いので、「何にどのくらい時間がかかるか」という見積もりが立てられないことが多いです。その点、個室で1人で勉強する場合には、効率の悪いやり方をしていても止めることができないという点でせっかくの勉強時間がもったいないな思います。ただし、「これは10分でやる!」などと時間がわかっているルーティンの宿題などは、個室で集中してやるのもいいと思います。場所よりも時間の管理、サポートができることが大切です。

親はどこまで手を出す? 口を出す?

—親がどこまで子どもの勉強や学習スケジュールに関わるかということは、「目的ありき」だと思います。例えば中学受験において、学習スケジュールに関与せずに、効率よく勉強ができているというご家庭はなかなかありません。だからと言って、おうちの方が全部ガチガチに決めてしまうのも、また違う気がしますよね。お子さんがどれ位自分で考えてできるのか、親子でお試しスケジュールを立ててやってみるといいと思います。例えば、範囲が決まっているテストなどで、スケジュールの立て方の練習をします。まずはお子さんに立ててもらい、「この日に算数を全部やる!」などの予定が立てられていた時は、「いつもこれ1ページやるのに何分ぐらいかかってる?」とおうちの方が聞いてあげることで、時間の見積もりを加えていきます。また、お子さんが自分でスケジュールを立てられたこと自体、まずはほめてあげることで、やる気もアップすると思います。学年が上がるにつれて、どこに力を入れるべきかの強弱もつけられるようになってくると思いますので、例えば「理科のこの分野はもう覚えたけれど、こっちはまだ覚えていないから、繰り返したい」などがわかっていれば、「こっちは10分、こっちは30分にしよう」といった感じで、時間の見積もりを入れつつ、スケジュールを立てていくことで、効率的な学習ができるようになっていきます

まとめ & 実践 TIPS

文章の読解トレーニングとしては、「論説文」「物語文」「随筆文」など、文章のパターンは違えど、本質的には内容を読み解くために、読書や日々の会話の中で経験値を積み、自分で言葉にする体験が大切です。小学生の親の役割としては、大事なのは「時間の管理とサポート」。また学習スケジュールを子どもと一緒に立てることで、やる気と自信を持たせることができるようです。

プロフィール

齊藤美琴

齊藤美琴

学習コーチング「PICCOLITA」を主宰し、中学受験をサポート。
専門は国語で、セミオーダーメードの「読解トレーニング」レッスンを行っている。自身も慶應義塾中等部出身の中学受験経験者。

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