家庭学習が思うように進まない…計画の立て方とやる気が起きないときの対処法4つ

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「家庭学習に自主的に取り組んで欲しい」と願うのは、どのおうちのかたも同じだと思います。なかなか自分から取り組めないでいるわが子を目の当たりにすると、気をもんでしまいますよね。
でも、それは、お子さまが勉強をどのように進めてよいかわかっていないことに原因があるのかもしれません。家庭学習をうまく進められるようにするためには、おうちのかたのちょっとしたサポートが鍵になります。

(赤ペン先生 吉田)

この記事のポイント

勉強に取り組みやすくするためにしておきたいこと

時間を決める

勉強は、自分からやる気にならないとなかなか進まないものです。まずは、勉強を始める時間を決めましょう。一人で決めることが難しい場合は、おうちのかたと相談するのがよいと思いますが、あくまで、お子さま主導で決めましょう。

集中できる環境を作る

テレビは消して、ゲームや漫画などの誘惑物は、お子さまの視界に入らないようにします。そして、肝心なことは、勉強道具をすぐに取り出せるようにしておくことです。いざ勉強しようと思ったときに、勉強道具が見当たらなくて、もたもたしていると、せっかくのやる気が下がってしまいます。勉強道具は置き場所を定め、さっと取り出せるように一箇所にまとめておくと効率的です。
そして、机の上には、勉強に必要なものだけを出しましょう。鉛筆もきれいに削っておくと気持ちがいいので、意欲が高まると思います。

兄弟がいる場合

兄弟姉妹がいて、集中できる環境が作れないというお悩みも耳にします。同じタイミングで勉強ができれば理想的ですが、「ぼくは、勉強が終わっているから、テレビを見る、ゲームをする」などの場合は困りますよね。
たとえ目に入らないところでできたとしても、気が散ってしまうようであれば、あらかじめ、「誰かが勉強しているときは、テレビやゲームは禁止。ほかのことをする」というルールを作っておくのはいかがでしょう。「そんなの嫌だ!」という非難の声が聞こえてきそうですが、時間の使い方を工夫できるチャンスにもなります。
下のお子さまが小さい場合は、絵を書く、折り紙をするなど静かにできることをさせるとよいと思います。案外、お兄さん、お姉さんのまねをしたがるものなので、勉強のまねごとを楽しんでできるかもしれません。

計画を立てるときのポイント

学習の計画を立てるときに大切なことは、お子さまが、実行できそうな計画であることです。最初から、量が多すぎたり、時間が長すぎたりすると、やる気ダウンの原因になります。
ポイントは、「毎日少しずつ」です。ちなみに、一般的な小学生の家庭学習の目安は「学年×15分」とよく言われますが、難しいようであれば「年齢×1分」でもよいと聞きます。
大切なのは、時間ではなく、集中力なので、まずは、お子さまに合った短い時間から始めることをおすすめします。
計画を立てることの目的は、「今日は何を勉強するか」ということを明確にすることにあります。「予習・復習」などという漠然とした決め方ではなく「漢字ドリル1日1ページ」「算数の教科書の次の授業でやるページを読む」などのように、やるべきことをなるべく単純かつ具体的にしておくと取り組みやすくなります。
また、1週間のうち、お子さまが自由に過ごせるお休みの日も作りましょう。毎日計画に縛られていては、息が詰まります。緩めること、息抜きをすることも大切です。

計画は定期的に見直しを

計画を立ててもなかなかそのとおりに進まない場合は、計画を見直すことも大事です。
取り組む時間帯が悪い、学習量や時間に問題がある、などの原因を探る必要があります。そのとき、おうちのかたはできないことを責めたりせず、相談役として提案する姿勢をとり、お子さま自身にどうやったら自分が取り組めるようになるかを考えさせましょう。試行錯誤しながら、自分に合ったやり方を見つけていくことも家庭学習の一環です。

とりかかりは得意な教科から。達成感を大切に

お子さまが、好きな教科、得意なこと、簡単にできることから始めるのがよいと思います。「まずは、苦手の克服を!」と思いがちですが、いきなり、苦手なことに取り組むのは、逆効果です。
習慣にすることが優先なので、「これなら続けられる」ということから取りかかりましょう。軌道に乗って弾みがつけば、苦手なことにも取り組みやすくなるはずです。

また、「今日はこれだけやる」と決めたことを、予定の時間より早くやり終えることができたとしても、お子さまがさらにやりたがる場合を除いて、無理に勉強させないことです。「やった!早く終わった!」と気分がよくなっているのに、次を要求されると、せっかくの達成感が台無しになってしまいます。「自分で決めたことを実行する」というくり返しが習慣になるので、集中して勉強できたことをたくさんほめてあげてください。

やる気が起きないときの対処法4つ

1.取り組みのハードルを下げる

お子さまが、時間になっても勉強をやりたがらないときは、「1問だけ解く」「5分だけやる」などのように、「これだったらできそうだ」と思えるような提案をしてみましょう。そうするとお子さまの気持ちも楽になります。
やり始めたら、意外とやる気になって、気づいたら全部終わっていたということもあるものです。

2.すぱっと切り替える

やる気が起きず、遊んでもいない、勉強もしていない、何をしているのかわからない時間をズルズル過ごすのは、親にとっても子どもにとっても精神的によくありません。どうしてもやる気にならないときは、すぱっと切り替えて、「先に遊ぶ」などの方法をとったほうがよいと思います。
その場合は、「何時までには勉強を必ず終わらせる」「宿題だけは必ずする」などの約束をしておきましょう。
勉強は、後回しにすればするほど重くのしかかってきます。「勉強」を気にしながら遊ぶより、終わらせてから遊んだほうがすっきりして数倍楽しいので、「先にやっておいたほうが楽」ということを子ども自身が実感できる経験を積んでいけば、案外、先に済ませるようになるものです。

3.朝学習を取り入れてみる

疲れているときは、やる気も低下します。そういうときは、無理をせず、早く寝て、早起きして朝に勉強するのもおすすめです。

4.勉強する場所を変える

勉強を習慣づけるには、同じ時間に同じ場所で取り組むことが有効であるとも言われていますが、やる気が起きないときは、違う場所でやるのも気分転換になる場合があります。
目先を変えることにもなるので、試してみてはいかがでしょう。

やる気を継続させるには

「勉強してよかった」と思えることです。「目標を立て、実行し、達成感を得る」という成功体験を重ねていくことです。
わかりやすい手段としては、「計画どおりにできたら、シールを貼る」などがあります。並んだシールを見ると、自分のがんばりが自分の目で確認できて、充足感を得られるものです。「続けていこう!」という意欲にもなると思います。

また、お子さまにとっては、大好きなおうちのかたに認めてもらえることが、いちばんの後押しになります。完璧を求めないで、たとえできていないことがあったとしても、どんな些細なことでも「できていること」に目を向けてほめてあげてください。

そして、少しずつでもコツコツ勉強を続けていけば、必ず、成果が表われます。「計算のスピードがアップした」「漢字テストの点数が上がった」などお子さま自身が手応えを感じることがあるはずです。そこで、おうちのかたも、すかさず、そのがんばりを言葉にしてしっかりほめてあげてください。「がんばったからできるようになった」と自信をもつことが「良い行動」の継続につながります。

まとめ & 実践 TIPS

家庭学習がうまくいかないと、塾に通わせたほうがよいのではと考えたくなることもあるかもしれません。
でも、「自分で勉強する」という力がついていないと、たとえ塾に通ったとしても、“勉強しているポーズ”だけになってしまいます。
勉強は、「させられている」という受け身でいる限り、嫌気は増すばかり、内容もなかなか頭に入ってきません。でも、「勉強=興味」となれば、どんどん知りたくなり、知識として吸収することができます。
ぜひ、ご家庭の中でも、「なぜ?どうして?」とお子さまが興味をもって考えられるようなきっかけを、たくさん作ってあげてください。どのお子さまにも、きっと「好き」はあるはずです。それを大切に育んであげてください。その「興味」が、自ら学ぼうとする意欲の源になるはずです。
たとえ、学習が計画どおりに進まなくても、取り組めない日があっても大丈夫です。「興味の芽」が育っていけば、それが、自ら学ぶ意欲となって花を咲かせていくことでしょう。

参考:家庭学習の習慣付けは小学生のうちに!学年別に見るポイントとやる気アップの方法|ベネッセ教育情報サイト

吉田かさね

赤ペン先生 吉田かさね

赤ペン先生歴26年。3年生担当
高校生のとき、進研ゼミを受講していて、赤ペン先生の文字の美しさ、丁寧さ、優しさにふれ、自分もこんなふうにできたらいいなと思い、赤ペンの道へ。日々「『赤ペン』って楽しい!」「次もがんばろう!」と思えるような声かけ・指導を心がけている。
また、続けることで、力がついたと実感でき、自信をもってもらえることが一番の励み。
趣味:読書・舞台鑑賞
自己紹介:ケセラセラ(なるようになる!)
一男一女の母。

プロフィール



赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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