【専門家】 5-6年生で習う間違えやすい漢字とは?難しい熟語を覚える時や、保護者の声かけを嫌がる時はどうする?
- 学習
5-6年生で習う漢字は字形が複雑で、大人でも正しく書ける自信がないような字も多数あります。
一字を書くのに時間がかかるうえに、意味も覚えなければなりません。
難しい漢字や熟語に奮闘している5-6年生に、少しでも漢字学習を楽しんでもらえるようなサポートのヒケツを、「進研ゼミ小学講座」の「赤ペン先生」がご紹介いたします。
5-6年生が間違えやすい漢字とは?
5年生で習う漢字の特徴と、間違えやすいポイント
5年生で学ぶ漢字は、193字。複雑な形や画数の多い漢字が増え、意味の理解もこれまで以上に重要になります。
形が似ている漢字の混同にも注意が必要です。
間違えやすい漢字のポイント
・形が似ている漢字の混同:小5で習う「輸」と、小4で習う「輪」等
・同音異義語:たとえば「こうえん」。2年生では「公園」を習いますが、5年生で「講」「演」を習うことにより、「講演」「公演」と3つの熟語の使い分けが必要になり、音だけでなく意味もあわせて覚える必要がある
6年生で習う漢字の特徴と、間違えやすいポイント
6年生で学ぶ漢字は、191字。習得漢字が増えるからこそ、同音異義語、似た字形、細かい点の有無、棒の数等の混同の間違いが増えます。
「どんな意味でこの漢字が使われているか?」を考える必要があります。
間違えやすい漢字のポイント
・同音異義語:たとえば「おさめる」なら、6年生では過去に習った漢字も含め「修める、収める、納める、治める」の4つの漢字に表す必要がある
・社会科の学習内容と連動した難しい漢字: たとえば「閣」を使って「内閣」
5-6年生に漢字の学習を楽しんでもらうヒケツ
5-6年生の漢字学習が難しいのは、「書き言葉」で使われる字を多く習うからです。
日常生活の中ではあまり見かけない漢字や、会話の中では使わない熟語を覚える必要が出てきます。
ご家庭では、お子さまが難しい言葉に少しずつ慣れていけるようにサポートしてあげてはいかがでしょうか。
1.「読めて」いることをほめる。
難しい漢字の連発ですから、習った字をすぐに正しく書けなくてもしかたない、と考えてあげましょう。まずは、確実に「読める」ようにすること。それには「音読」の宿題が役に立ちます。
高学年になると、「音読」の宿題は、読むほうも聞くほうもお互いうわの空、ということが少なくないかと思います。
時間に余裕がある時には、しっかり聞いてあげることがおすすめです。問題なく読めていればほめ(この学年でもまだまだ効果的です!)、漢字の読みでつまずいたところがあれば「さっきのところ、もう1回読んでみようか」とさりげなく促し、読めない字がないようにしてあげましょう。
2.教科書以外の文章を音読してもらう。
新聞や雑誌の記事、ゲームの取り扱い説明書など、お子さまが興味を持てそうな分野の文章を音読してもらうのもよいと思います。
習った字がたくさん使われているでしょうし、習っていない字は「見る」だけで今後の予習になります。知らない熟語があれば、一緒に意味を調べてみましょう。
「お勉強」としてではなく、親子の楽しみの一つとして「読む」時間を共有されたらよいと思います。
3.知らないふりをして、聞いてみる。
「ちょっとわからないから教えて」という雰囲気を醸し出しながら、「この意味にぴったりくる熟語って何かなかった?」「この場合の漢字ってどれを使うんだっけ?」など、知らないふりをして熟語の意味や同音の漢字の使い分けを問いかけてみましょう。
人に説明することで、お子さまの記憶にその言葉がしっかり定着します。お子さまが答えられなければ、辞書をひいてわかったことを「教えて」もらってもよいですね。
4.思いを込めた「提案書」を作ってもらう。
お子さまに何か欲しい物や行きたい場所、やりたいことがあったら、「なぜ、欲しいのか」「なぜ、それをしたいのか」「実現したらどんないいことがあるのか」など、理由やメリットを書いた「提案書」を作成してもらいましょう。
「なるべく漢字を使うこと」だけを条件に、自由に書いてもらえばよいと思います。お子さまはきっと、自分の思いを伝えたくて夢中になって書いてくれることでしょう。
こんな時はどうしたら? 5-6年生の保護者のかたからのQ&A
Q.高学年になって、声かけされるのを嫌がります。どのようにアドバイスしたらよいですか。
A. 自我が芽生え、思春期にさしかかったお子さまへのアドバイスは次第に難しくなりますね。それでもやっぱり、ほめられるのはうれしいものです。
お子さまの書いたものを見せてもらえる機会があった時に、よく書けている字を「この字いいねー」「こんな難しい字よく書けるね」などとさりげなくほめてあげましょう。それだけで、応援している気持ちは伝わるはずです。
Q.生活でなじみのない難しい漢字や熟語のよい覚え方はありますか?
A.何度書いても覚えにくい字はあると思います。なかなか覚えられない字や熟語は、字だけを何回も書くより、その字や熟語を使った文を考えながら書くと、頭に残りやすいよ、とアドバイスしてあげましょう。
そして、「書く」のは何度も何度も間違えながらゆっくり覚えていけばよいから、まずは「読み」をしっかり覚えようね、と伝えてあげたらよいと思います。
まとめ & 実践 TIPS
難しい漢字が多くなる5-6年生にこそ、漢字を学ぶのは、他の人の考えを読み取ったり、自分の気持ちや考えを表現したりするためであることをぜひ教えてあげたいですね。
教科書や問題集だけでなく、家庭の中にあるさまざまな文章にふれてもらいながら、漢字に慣れ、同時に視野を広げてもらいましょう。
お子さまの希望や思いを「提案書」にしてプレゼンしてもらうのもおすすめです。自立へと向かい始めるお子さまを尊重しつつ、さりげなくフォローする。そんなふうに、ご家庭で漢字の学習をサポートしてあげてはいかがでしょうか。
- 学習