幼稚園と保育園の違いとは? 教育の内容や選び方を解説
子どもが3歳に近づくと、気になるのが幼稚園です。保育園児のママにとっても、3歳からは幼稚園という選択肢もあります。また、子どもが3歳を過ぎたら何か仕事を始めたいというおうちのかたも、幼稚園か保育園か悩むところです。
そこで、幼稚園と保育園の違いについて、知っておきたいポイントをまとめました。

費用などの違いを表でチェックしよう!【先生の免許など】
【保育園と幼稚園の違い】(※1)

保育園と幼稚園では、管轄や法律が違います。保育園は厚生労働省の管轄で「児童福祉施設」となり、保育士は国家資格です。幼稚園は文部科学省の管轄で「教育施設」という区分ですので、教諭免許が必要です。保育園は0歳から利用できる児童福祉施設で、幼稚園は3歳からの教育施設というわけです。
「児童福祉施設」と「教育施設」と聞くと、保育園の方が手厚くみてくれそうで、幼稚園の方がしっかり勉強面でのサポートをしてくれそう、などという印象があるかもしれません。ですが、近年は両方の特徴をあわせもつ、複合型保育施設である「認定こども園」が増えています。また園によっても、「保育園でもリトミックやお勉強をしっかりする」方針だったり、「幼稚園でものびのび外遊び時間をたっぷりとる」方針だったりするので、園の雰囲気や教育方針は、実際にひとつずつリサーチしてみないとわからない部分もあります。
保育園の保育料は、課税状況によってランクが決められています。同じ1歳児の保育料を見ても、埼玉県さいたま市では、年収300万円の家庭では月額19,500円ですが、年収800万円では月額60,000円となります(※2)。他にも、保育園に2人以上子どもを預けていれば、2人目は半額、3人目は無料、という地域もあります。
さらに、自治体によっても大きく差があるのはご存じですか? 保育園の保育料は、保護者が負担する上限額が定められていて、運営費の残りを国・都道府県・市区町村がそれぞれ負担します。ですが、子育て支援に力を入れる自治体では、さらに補助金を出して保護者負担額を減らしているのです。例えば1歳児の保育料を見ると、国が定める保護者負担額の上限は月額104,000円です。これに自治体の補助金が出るのですが、例えば大分県大分市では所得ランクが最大でも月額46,000円となり、兵庫県神戸市では月額85,800円となります(※2)。つまり同じ所得でも住むところによって、保育料が何万円も変わるということがあるのです。
どっちがいいの? 選び方と決めるタイミング
一般的に保育園は、「保育に欠ける事情」がある子どもが利用する施設です。
保育に欠ける事情とは、仕事や病気などで子どもの保育ができない状態のことを言います。自治体によって保育に欠ける事情に対して優先順位があり、入園が決まります。
ですから保育園を希望するには条件があり、その条件の厳しさは自治体によっても違います。3歳児クラスでもフルタイム勤務でないと入園が難しいのか、パートタイムでも入園できるのか、など自身の状況と照らし合わせて、お住まいの地域の保育園の入園条件を調べてみる必要があります。
一方、幼稚園は決められた年齢になれば入園できます。保育時間は保育園に比べて短く、夏休みなどの長期休暇もあるので、両親ともにフルタイムで仕事をしているのであれば、保育園を選択する人が多いでしょう。しかし、今は幼稚園でも延長保育があったり、夏休みや冬休みでも預かり保育を実施している園もあるので、共働きでも幼稚園という選択肢もあります。
幼稚園か保育園か、最終的に決めるタイミングは秋頃です。ほとんどの幼稚園は9月〜11月頃に願書の配布や受付があり、面接などを経て年内には入園が決まります。保育園は4月入園の場合、おおむね10〜11月に入園案内が出され、12月頃までに申請受付があり、入園の可否が決まるのが1〜2月というところが多いです。欠員があれば年度途中の受け入れもあるので、あらかじめ待機児童として登録しておくこともできます。
幼稚園にするか、保育園にするか。またどこの幼稚園、どこの保育園にするかは、しっかり見学して決めたいところです。
まずは、自宅から通える範囲の園をピックアップします。幼稚園ですと通園バスがある園も多いので選択肢はかなり多くなります。その中でホームページを見たり、先輩ママから情報収集したり、実際に見学に行ったりして、夏休みが終わる頃には希望の園を固めておきたいですね。
保育園から幼稚園に転園するときに気をつけること
最近は0〜2歳児クラスまでは保育園で、3歳クラスから幼稚園に転園するケースも多いと聞きます。その理由として挙げられるのは、どんなことでしょう。
・小学校受験を考えた「お受験対策」
・下の子が生まれて育児休暇中、またはフルタイムからパートタイムになったなどの勤務状況の変化
・幼稚園児のママが多いエリアで、小学校入学前に親も子どももコミュニティをつくるため
・祖父母世代から「保育園より幼稚園の方がしっかり入学準備ができる」などと強くすすめられたから
などがあります。
園によって特色はあるものの、やはり保育園は「保育」が目的なのに対し、幼稚園は「教育」が目的ですから、「椅子に座って先生の話を聞く時間」や「読み書きの機会」は幼稚園の方が多いようですね。ですから、小学校の入学準備を考えると幼稚園の方がいいと考える人も多いようです。
また、送り迎えが必要な幼稚園や保育園と違って、小学校に入ると親どうしが顔を合わせる機会がぐっと減ります。ですので、親どうしのコミュニティをつくるのは、入学前が非常に大切になります。保育園が校区外にあり、保育園から同じ小学校へ上がる同級生はひとりもいない、入学予定の小学校は幼稚園出身の子どもが多い…となると、親にとっても子どもにとっても「友だちづくり」は入学してからゼロからのスタートとなるわけです。そのような入学後の友だち付き合いや人脈のことを考えて、転園を考える人も少なくありません。
しかし、保育園から幼稚園に転園する際に気をつけたい点がいくつかあります。
まず、費用面です。先述のように、保育園の保育料は地域や収入によって大きく差がありますが、幼稚園は私立と公立で差があるものの、収入は関係なく一律です。ですから、収入が多い家庭は幼稚園の方が安い場合もありますし、収入が低い家庭は、幼稚園に転園することで費用が大きく増えることが考えられます。
幼稚園は、公立と私立では2倍の金額の差があるともいわれています。自治体によっては子どもが私立幼稚園に通う場合に補助金が出るところもあるので、チェックしてみてください。
私立幼稚園はさらに、制服や体操着、指定バッグなどそろえるものも多く、入園金も3万〜10万円かかります。また、通園バス代、地域によっては冷房費や暖房費、体操やサッカーなどの放課後の習い事オプションの費用、延長保育料金などがかかる場合があります。保育園の保育料は同じ自治体の認可園では一律ですが、幼稚園は園によって違うので、どれくらい費用がかかるのか、保育園の保育料と比べてどれくらい増えるか減るかなどについては、しっかり調べておきましょう。
次に気をつけたいのが、子どもの人間関係です。3歳ともなると友だちとの関わりも多くなる年齢なので、仲のよいお友だちと離れてしまうことが子どもにとってどうなのか、考えてみてください。なかには幼稚園ではすぐに新しいお友だちができて、保育園時代のお友だちにもお手紙を書いてと、交友関係を広げられるタイプのお子さまもいますが、なかなか自分からお友だちをつくれないタイプのお子さまもいます。
また、幼稚園が保育園と違うところは、放課後があることです。保育園はお迎えのあとはすぐに夕食の時間になりますが、幼稚園はお昼過ぎに終わるので、習い事をしたり、お友だちの家を行き来したりする「放課後のお付き合い」があるのです。それで気の合う子どもやママによってグループができることもよくある話です。幼稚園には行くけれど延長保育を利用して仕事を続ける人や、ママ友付き合いが苦手…という人は、放課後活動についてはよく考えた方がよいかもしれません。
幼稚園と保育園、同じ子どもを預ける施設ですが、メリットとデメリットはそれぞれあります。決め手になるポイントは見つかりましたか? どこを重視するかは、生活リズムや子どもの性格、ママのタイプによっても違いますので、子どもと一緒にどんどん見学に行ってみるのがよいかもしれません。
*ここで紹介する情報は2016年1月時点のもので、変わることがあります。
※1
http://www8.cao.go.jp/kisei/giji/03/
wg/action/05/2.pdf
(いわゆる「幼稚園と保育所の一元化」について 文部科学省)
※2
http://www.childcare-ppin.com/cat5/post_222.html
(保育園の国と自治体の負担)
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