漢字の覚え方にはコツがある! 覚えづらい原因と対策・勉強法8つ

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小学生は、学年が上がるごとに覚える漢字の量がどんどん増えます。覚えなければいけない漢字が多すぎて、何度も書いているのになかなか覚えられないという子どもも少なくありません。お子さまが漢字の覚え方のコツをつかめるように、保護者のかたができるサポートをご紹介します。

この記事のポイント

漢字を覚えることの重要性

そもそも、どうして漢字を覚えなければならないのでしょうか? それは、「漢字を書く・読む」だけではない、さまざまなメリットがあるからです。

漢字を使うと、ひらがなでは表現しづらい意味も伝えられます。熟語や対義語にも触れられ、語彙力もアップするでしょう。漢字の意味を理解しながら読めば、読解力も育ちます。国語力全体の向上につながるため、将来ための勉強や受験対策ができたり、人との会話がより楽しめたりするでしょう。

また、日本社会には漢字が溢れています。言葉や文章の意味を正しく理解するためにも、漢字の学習は必要なのです。

漢字が覚えづらい原因

暗記科目である漢字は、長期記憶まで持っていかなければ定着しづらいもの。短期記憶や中期記憶をメインとした学習方法で止まっていることが、漢字が覚えづらいと感じる原因かもしれません。

また、漢字を覚えるといえば、何度も何度も漢字ノートに書き取りをするという勉強法をしている人も多いですが、これが逆に覚えづらくさせてしまっていることも。1つの漢字を30回も40回も繰り返し書くことは、とてもつかれるものです。何度も何度も書くことは、書くことが作業化してしまい、頭を使わずにただタスクをこなすだけという状況に陥ってしまいます。

漢字の覚え方にはコツがある!子どもに合った効率的な方法を探そう

漢字の覚え方にはさまざまな方法があります。ただ、子どもに合った方法でなければ、効果を感じづらいでしょう。普段のお子さまの様子もチェックして、合うものを探してみてください。

声に出しながら書く

漢字はまず読み方から覚えるのがコツ。読み方を覚えてから書く練習をすると、効率よく覚えることができます。さらに、家で学習する際には漢字の読みを声に出しながら書くのもよいでしょう。漢字を目で見て(視覚)、耳で聞いて(聴覚)、書く(触覚)とさまざまな感覚が刺激されるため、記憶に定着させやすくなります。

語呂合わせなどイメージしやすい覚え方で覚える

漢字自体の意味や成り立ちを知り、イメージしたり言葉で表したりすることでも覚えやすくなります。中でもおすすめなのは、語呂合わせ。漢字を分解して、語呂合わせを作ってみるのもおすすめです。たとえば「親」という字であれば「立」「木」「見」に分解して、「木の上に立って見るのが親」と覚えるのもいいですね。「破」という字であれば「石」と「皮」にわけて「石で皮を破る」と覚えるのがおすすめです。

部首に注目する

部首の意味を知り、同じ部首の漢字を一緒に覚えていくのもおすすめです。「さんずい」であれば「水」に関連する漢字。それを理解したうえで「海」「池」「波」「河」といった漢字を覚えていきましょう。漢字と意味とがセットになって頭に入るため覚えやすくなるはずです。

熟語で覚える

漢字そのものを単体で覚えるのでなく、熟語で覚えていくのもポイント。漢字の使われ方がわかるため、漢字そのものの意味もつかみやすくなります。「童」であれば「童話」「児童」といった熟語も一緒に確認。それにより「童という字は、小さい子どもを表すんだな」と漢字そのものの意味もイメージしやすくなります。

好きなものやことに関連づけて覚える

好きなマンガ、テレビ、遊びなど、子どもが興味のあることに絡めてあげるのも良い方法です。たとえば、電車好きの子どもであれば、電車に関わる漢字として「電車」「線路」「旅行」「駅」「運賃」「切符」といったものをまとめて覚えていくのもいいですね。
また、新しく習った漢字を使って、好きなことと結びつけるのもおすすめです。たとえば「速」という字を新しく習ったのであれば、好きなアイドルの名前を使って「◯◯くんは足が速い。時速15kmくらいありそうだ」といった例文を作るのもいいですね。好きなことに関連づけるのは楽しいこと。楽しいことであれば自然と頭に入ってくるはず。「漢字の勉強」にとどめず、生活や遊びなどいろんなことにつなげてみてください。

自分でテストを作って解いてみる

漢字を覚えるために、家庭でテストを行うのもおすすめ。このとき、自分でテストを作るのがポイントです。保護者のかたが用意するのではなく、子どもが自分で作って自分で解くようにしましょう。いらない紙に文章や単語をひらがなで書き、その横に漢字を書いていくだけで立派なテストになります。

自分でテストを作れば、文章や熟語を考える作業ができ、漢字の意味を覚えられます。解くときは、漢字を覚えているかの確認ができるでしょう。答え合わせまで自分で行い、わからなかった漢字を集中して復習すれば、短時間で効率良く学習を進められます。

たくさん書くことにこだわらない

学校からの宿題として出されることが多い書き取り。ただ、一つの漢字を繰り返し書いているだけでは単なる作業になってしまい、覚えることにはつながりにくいでしょう。子どもがよくやりがちな1画目を10個、2画目を10個……というような書き方では、覚えるまでにさらに時間がかかってしまいます。

書く回数が多ければ覚えられるわけではありません。少ない回数で無理なく覚えるのが効率の良い方法です。お子さまに合った勉強法を探して、漢字学習へのハードルを下げてあげられるとよいですね。

記憶に定着させやすいと言われる夜に取り組む

漢字を効率的に覚えるには、取り組む時間もポイントです。おすすめの時間は夜。脳は、寝ている間にその日にあったことを整理し、記憶に定着させていきます。その際、寝る直前に見たものから順に整理していくと言われているため、1日の勉強の最後に取り組むと覚えやすくなるでしょう。寝る前に親子でミニ漢字クイズなどに取り組んでみてもいいですね。

漢字に苦手意識がある子どもへのサポート方法

小学校低学年の間は見守りも大事

お子さまが書き取りの仕方に慣れるまでは、保護者のかたが隣に座って学習過程をチェックしてあげるとよいですね。書き順、とめ・はね、訓読みや音読みなどの読み方などを確認しながら書けば、書き取りが単なる作業ではなく効率良く覚えるための学習になります。きれいに書けたら褒めることで、丁寧に書く意識も高まるでしょう。

覚えた漢字を見える化して自信を付ける

漢字がなかなか覚えられないとき、やる気が出ないときには、成果が見えるようにしてあげるのがおすすめです。毎日目にする場所に、1年間で習う漢字のポスターなどを貼ってみましょう。覚えたものをチェックしていけば、成長していることが実感できます。漢字学習へのやる気を引き出すこともできるかもしれません。

叱るのではなく認めて褒めるサポートを

「できない」「わからない」ことを叱るのではなく、「できた」「わかった」ことを褒めるようにしましょう。そうすれば苦手意識がなくなり、漢字学習に対する気持ちも変わるかもしれません。

自作のテストなどで同じ問題を繰り返していると、点数は上がっていくはずです。満点が取れれば、それは大きな自信になり、次へのやる気につながるでしょう。もちろん、点数がすべてではありません。丁寧に書けていること、昨日より1つでも覚えた漢字が増えたこと、自主的に机に向かっていることなど、お子さまの頑張っている姿を認めてあげるだけでも学習意欲は向上します。お子さまが楽しみながら漢字を覚えていけるような環境づくりやサポートを、大切にしたいですね。

まとめ & 実践 TIPS

たくさん覚えなければいけない漢字は、ただ暗記しようとしても覚えるのに時間がかかってしまいます。すぐに忘れてしまえば意味がありません。日常生活の中で正しく漢字を使えることが、漢字学習の本当の目的のはず。その漢字の意味や成り立ちを知り、漢字への興味を持つことで、効率的に記憶を定着させていきましょう。保護者のかたは、楽しみながら学習できるようなサポートを心がけてみてください。

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