【保存版】子育てに必要な費用はいくら?未就学~大学までにかかる費用や制度についても解説!

子どもを育てるにはお金がかかりますが、いつどのぐらいのお金がかかるのか、少し想像するのが難しいですよね。そこで、子どもが生まれてから独立するまで、一体いくらかかるのか、子育てに関するすべてのお金と主な制度について解説します。

子育て費用にはどんなものがある?

「教育費と養育費の合計」が子育て費用

子育て費用には、教育にかかる「教育費」、子どもを養い育てていくための「養育費」があります。教育費とは、学校にかかるお金や受験費用、習い事代、学習塾費用などが該当します。
一方、養育費は食費、衣服費、医療費、子どものお小遣い代、保育料など、教育にかかるお金以外が該当します。これら教育費と養育費を合計した金額が子育て費用になるのですが、当然ながらこれらの費用は子どもの進路や年齢によって変化します。

ここでは、内閣府が2010年に発表した「インターネットによる子育て費用に関する調査 」を参考に、子どもの年代別に子育て費用を見ていきましょう。
なお、この報告書では、以下の項目ごとにその費用が発表されています。各項目がどのような費用を含むのか、まとめましたので、データを見る際は、参考にしてくださいね。

未就学児の子育て費用

未就学児の子育て費用は年間100万円前後

未就学児の子育て費用については、0〜6歳までの7年間総額で約700万円となっています。

出典:内閣府「平成21年度(2009年)インターネットによる子育て費用に関する調査」

どの年齢においても、年間100万円前後かかっているようですね。その中でも、比較的支出割合が大きいのが「子どものための預貯金・保険」です。子どもが生まれて、貯蓄を頑張っているということでしょう。
ただ、その金額は子どもの年齢が上がるにつれて、少なくなっています。その代わり増えているのが食費とレジャー・旅行費です。食費は外食費も含みますから、子どもが成長するにつれ行動範囲が広くなり、支出が増えているのでしょう。

なお、保育費も年齢が上がるにつれて、増えていますが、2019年より幼児教育・保育の無償化がスタートしています。住民税非課税世帯は0歳から、それ以外の世帯は3歳から保育所や幼稚園などの利用料が無料になっていますから、保育費の状況においては、現在はこのデータと金額が大きく異なる可能性があります。

小学生の子育て費用

次に小学生の子育て費用を見てみましょう。小学校6年間にかかる子育て費用総額は約700万円です。小学生になると、教育関連の支出割合が大きくなっているようです。

出典:内閣府「平成21年度(2009年)インターネットによる子育て費用に関する調査」

年間総額はどの学年も約100万円と、未就学児と大きな差はありませんが、未就学児と比べて減っている項目は保育費、増えている項目は、学校教育費と学校外教育費、携帯電話料金、おこづかいです。おこづかいは、1年生では年間約4,000円ですが、6年生になると約1万9,000円になります。おこづかいは、子どもの金融教育になりますから、積極的に取り入れたいですが、同時に、日常的に親子間でお金の話をするとよいですね自然とお金の価値を伝えられ、子どもがお金の使い方を考えられるようになります。

小学生の教育費はいくら?

なお教育費について、文部科学省の最新のデータも参考にみてみましょう(内閣府の報告書と文部科学省の調査において、教育費に関するデータの範囲がやや異なるため、教育費の項目を置き換えられるものではありません)。

出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

まず、見ていただきたいのは私立小学校の教育費合計です。年間100万円を超えていますね。6年間の教育費を合計すると、なんと約1,000万円にもなります。内閣府の子育てデータでは、6年間の子育て費用総額が700万円ですから、私立小学校だと、教育費だけで子育て費用総額を超えてしまうという結果になっていることが分かります。
一方、公立小学校に通う生徒の教育費は、私立に比べ約5分の1です。これは、主に授業料など学校教育費の違いによるものですが、どうやら学校外活動費においても、違いがあるようです。

小学生の塾・習い事費用はいくら?

もう少し詳細なデータを見てみると、たとえば、公立に通う小学6年生の学習塾費は、約10万円ですが、私立に通う小学6年生だと約50万円となっています。また、ピアノや水泳、外国語会話など、いわゆる習い事費用も公立に通う小学1年生は約13万円ですが、私立の小学1年生は、約35万円と私立のほうが3〜4倍ほど高い傾向にあります。

ただし、公立小学校に通っていても中学受験する場合などは、学習塾代が高額になるケースがあります。受験を控えた6年生にもなると年間約100万円かかることも珍しくありません。また、受験を考えていなかったとしても、複数の塾や習い事をしているなら平均額を超えてしまうこともあるでしょう。いずれにしても、子どもの進路等によって大きく金額が変化する可能性があることを覚えておきましょう。

中学生の子育て費用

では次に、中学生の子育て費用です。中学校3年間の子育て費用総額は、約470万円です。小学生同様、教育費関連に一番お金がかかっているようですね。

出典:内閣府「平成21年度(2009年)インターネットによる子育て費用に関する調査」

年間にすると150万〜160万円ほどで、小学生の時と比べ、顕著に増えているのがおこづかい、携帯電話料金、教育費関連です。中学3年生にもなるとおこづかいと携帯電話料金合計で約7万7,000円です。月額換算で約6,400円です。

文部科学省は、2020年に中学校への携帯持ち込みを条件付きで許可していますし、携帯もおこづかいも中学生にとっては、今や必須アイテムといってもよいかもしれません。これらは、毎月かかる費用ですから、地味に家計に響きます。携帯代を家庭に合った格安プランにするなど工夫が必要でしょう。

中学生の教育費はいくら?

そして、支出の3〜4割を占めるのが教育費関連です。教育費については、小学校同様、文部科学省の最新データを確認しましょう。

出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

中学校の場合、公立でも私立でも学校外活動費は大きく変わりません。大きく変わるのは学校教育費です。公立では、約15〜24万円であるのに対し、私立では100万円前後かかります。これは、私立の場合、授業料が平均約40万円かかっていること、入学金、施設設備費などの学校納付金が公立より大きいことが金額の差としてあらわれているようです。
また、内閣府の子育て費用調査では、子育て費用が総額で年間150万円ほどだったのに対し、学習費調査では、私立中学だと教育費だけで120〜160万円ほどかかっています。私立中学に進学すると、子育て費用が一気に上昇することが分かりますね。

中学生のクラブ活動費はいくら?

また、中学になると活発になるのがクラブ活動です。学習費調査において、クラブ活動費は「教科外活動費」として学校教育費に含まれています。教科外活動費とは、学芸会や林間学校、クラブ活動費などを含んだ経費で公立の場合3〜4万円、私立の場合5〜6万円となっています。

出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

しかし、公立と私立では特徴的な違いがあり、公立は3年生になると教科外活動費が1万4,000円ほどまで下がるのに対し、私立は3年生が約6万円と金額が下がることはありません。私立の場合、中高一貫など受験がないケースも多いので、それが、金額が下がらない理由の1つかもしれません。

高校生の子育て費用

内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査 」には、高校生以降の子育て費用データがありません。しかし、文部科学省の教育費のデータはありますから、高校生においては、教育費のデータを確認しましょう。

出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

高校3年間の総額で、公立は約140万円、私立は約300万円となっています。年間の費用を見ると、公立なら年間約40〜50万円、私立なら年間約85〜100万円です。しかし、このデータは、調査対象者が必ずしも大学進学を希望しているわけではありません。そこで、保護者が大学進学まで希望しているケースの学習費も確認してみましょう。

※年間の学習費の平均金額です。
出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

上記データを見ると、公立私立とも金額が増加していることが分かります。公立だと年間約50万円、私立だとその倍の約100万円です。しかし、大学受験対策として、予備校などに通うと、毎月の塾費用に加え、夏季・冬季講習等含めて年間100万円ほどかかるケースもあります。通う塾によって、教育費が高額になることもあるので、教育費準備の際は、それら費用も考慮しておきたいところです。

大学進学にかかる受験費用はいくら?

また受験費用も忘れてはいけません。試験の費用はもちろん、受験地が遠方なら交通費や宿泊費も必要です。日本政策金融公庫の2020年度「教育費負担の実態調査結果」によると大学進学にかかる受験費用平均は約30万円です。受験費用は、計算に入れておかないと、「こんなはずじゃなかった」ということになりかねませんから、準備すべき教育資金に含めておいてくださいね。

高校生のクラブ活動費はいくら?

最後に、クラブ活動費についても確認しておきましょう。クラブ活動費を含む教科外活動費は、中学より高校のほうが、費用がかかっているようです。高校の場合は、公立も私立も学年が上がるにつれて、金額は下がっています。1年生のときが、最も負担が大きいようですね。

出典:文部科学省「平成30年度(2018年度)子供の学習費調査」

大学生の子育て費用

国公立大学だと年間約110万円、私立大学だと約180万円

最後に大学生の子育て費用です。大学生においては自宅か自宅外通学か国公立か私立かによって学費や生活費は大きく異なります。下記は、日本学生支援機構の学費と生活費の調査金額です。

出典:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査」

合計欄を見てみると、自宅通学の場合は、学費と生活費合わせて、国公立大学だと年間約110万円、私立大学だと約180万円かかっています。下宿やアパート住まいの場合は、国公立大学で年間約170万円、私立大学で約250万円かかっています。
しかし、これら全ての金額を家庭が負担しているわけではありません。家庭からの負担は、その一部。たとえば、国立大学の自宅通学生だと、年間支出合計約110万円に対し「家庭からの給付」は約62万円です。残りの金額については、アルバイトや奨学金でカバーしている状況です。

自宅通学の場合、国公立にしろ私立にしろ、家庭が負担している費用と学費はほぼ一致します。学費だけは親が負担するけれど、それ以外は学生本人が負担している状況がうかがえます。したがって、子育て費用としては「家庭からの給付」の金額が該当すると言えるでしょう。

0〜22歳までに子育て費用はいくらかかる?

国立大学進学の場合で約2,780万円

さて、ここまで0歳から大学生までの子育て費用を見てきましたが、総額にするといくらになるのでしょうか。合計してみましょう。なお、高校生の子育て費用データがないため、中学生のデータを代替し、かつ、大学受験費用30万円を上乗せします。また大学においては、自宅通学・自宅外通学を平均した家庭からの給付のみ子育て費用の対象とします。

繰り返しになりますが、上記は、大学費用すべてを含んでいるわけではありません。学生が家庭からもらっている平均の金額を加算しているだけです。もし、大学にかかる学費と生活費をすべて出してあげたいと考えているのであれば、大学費用は、上記大学の金額の約2倍になります。

また、教育費のデータを見てきたとおり、小学校から高校まで公立か私立かによって、教育費は大きく異なります。お子さまの進学先によって、費用は大きく増える可能性がありますから、この点を考慮して教育資金を準備しておきたいですね。

子育て費用の貯蓄法や節約法

子育て費用総額にすると家が1軒建つくらいの金額になりました。子育てには多額のお金がかかりますから、とにかく早めの準備が大切です。子どもが小さいうちは、進路は分かりませんが、進学先を想像し目標額を決めて逆算し、今から積み立てを始めましょう。具体的な目標額を決めることが、貯蓄を成功させるポイントです。

1) つみたてNISAの活用

資金準備する時期まで10年以上あるのなら、つみたてNISAなど長期積立の資産運用にチャレンジするのがオススメです。積立金額の一部を資産運用し、効率的に資金を作っていきましょう。中学生までのお子さんがいる家庭には児童手当が支給されていますから、積み立ての際は児童手当もぜひ活用してください。

2) 保険の活用

また、保険も準備手段として、視野に入れておくとよいでしょう。低金利ですから、保険にはお金を増やす機能はなくなってしまいましたが、そもそも保険は、万一に備えた制度。自分で積み立てするなら、お金が積み立てられていないと、進学費用を準備できませんが、保険なら親である契約者に万一のことがあった場合でも、子どもが進学できるようお金を残すことができます。保険は、必ずしも学資保険でなくてもよいでしょう。定期保険や終身保険もあります。万一のリスクに備る考え方が大切です。

3) 節約を考えよう

同時に、将来の教育資金のため、節約が必要になることもあるでしょう。通信費に削減の余地はあるか、習い事は多すぎていないか、今一度チェックしてみてください。特に、習い事は一度スタートさせると、やめるタイミングを見失いがちです。将来の教育費と天秤にかけ、本当に必要な習い事か、スタートする前にしっかり考えてみてください。

子育てをするうえで、知っておきたい制度や助成金

1) 児童手当

中学卒業までの子を育てる養育者に毎月1万〜1万5,000円が支給されます。所得制限があり、所得制限をオーバーすると特例給付として一律5,000円の支給になります。特例給付でも、総額にすると約90万円になりますから、家計的に助かるのですが、2022年10月から年収1,200万円以上の養育者は支給対象外になることが予定されています。

2) 幼児教育・保育の無償化

3歳〜5歳の子が利用する保育所や幼稚園等は利用料が無料になります。無料になる範囲は基本的に利用料ですから、給食費や遠足代、通園バス代などは実費です。しかし、自治体によっては、それらに対して補助があります。お住まいの自治体の制度を調べておくとよいでしょう。

3) 私立小中学校就学支援実証事業

私立小中学校に通う生徒に対して年間 10万円の授業料減額を支援する制度です。2017年〜2021年度に実施される5年間の実証事業で、対象は年収400万円未満の世帯です。

4) 高等学校等就学支援金

高校生に対する就学支援制度です。年収目安910万円未満の世帯に年間11万8,800円が授業料として支援され、年収目安590万円未満の私立高校に通う子がいる世帯においては、年間39万6,000円まで授業料が支援されます。これは国の基準ですが、各自治体では、支援金額の引き上げや年収条件の緩和などが行われています。お住まいの自治体の制度を確認してみてください。

5) 高等教育の修学支援新制度

住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生に対し、大学等の授業料減免と給付型奨学金の支給がセットになった支援制度です。減免額や奨学金の金額は、世帯の所得や国公立か私立か、自宅か自宅外生かによって異なります。

まとめ & 実践 TIPS

さて、ここまで、子育て費用や教育費について解説してきました。それら金額を参考に、これからご自分のお子さまにかかる費用を計算してみてください。また、上の子は教育費の準備をしているけれど下の子は金額が少ない、まだ準備していないなど兄弟姉妹間で準備額が違うご家庭の話もしばしば聞きます。しかし、いざ下の子が進学となった時に資金が不足しては困ってしまいます。
将来、後悔しないためにも、必要資金を計算し、計画的に資金準備をしておきたいですね。そして、今準備中という方は、現状の準備資金で問題ないかもチェックし、不足するなら早めに軌道修正しておきましょう。
子育ては予想外の出費がたくさんあります。予想できる範囲だけでもしっかり備えておきましょう。

前田菜緒

前田菜緒

ファイナンシャルプランナー、公的保険アドバイザー。保険代理店に7年間勤務後に独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。相談は、夜、子どもが寝てからでも可能で未就学児ママに配慮したサービス体系になっている。2児の母。FPオフィスAndAsset代表(https://www.andasset.net)

出典
内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_hiyo/pdf/zentai/data1_1.pdf

文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00400201&tstat=000001012023&cycle=0&tclass1=000001135827&tclass2=000001135828&tclass3=000001135829&tclass4val=0

日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/gakusei_chosa/2018.html

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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