【高校受験】入試当日 受験生・保護者の心得 実力発揮を妨げてしまう要因と対処法をチェック!
- 高校受験
入試当日、受験生がのびのびと実力を発揮するために知っておいてほしいこと、保護者にできることはなんでしょうか?進研ゼミ高校受験総合情報センター長の浅野剛が、受験生・保護者へのメッセージを贈ります。
「ふだんどおりの実力発揮」を妨げる「ノイズ」避けることが最重要
入試直前の受験生に、いつも私自身が伝えるメッセージは、「きみには、既に志望校に合格できる力がある」ということです。その力をふだんどおり発揮できれば大丈夫なのです。
とはいえ、入試という特別な場に身をおくと、子どもたちは実力発揮を妨げるさまざまなことに直面します。
寒さや暑さ、隣の人の様子が気になったり……。そういった「ノイズ」を避ける方法について、少しお子さまと話し合っておくとよいと思います。
「時間がない!」というパニックを避けるために
言うまでもなく、受験は大切な日ですから遅刻や忘れ物といったトラブルは最大の「ノイズ」です。問題はトラブルそのものより、子どもがパニックになってしまい、ふだんの実力を発揮できなくなることです。
入試当日は、少し時間に余裕を持って行動しましょう。時間に余裕さえあれば、たいていのトラブルはなんとかなります。
受験会場までの交通機関については、万一の遅延に備えて、ざっと別ルートを確認しておきましょう。また、何かあったときにお子さまが相談できるよう、当日はいつでも連絡がつくようにしておくとよいですね。
受験票、筆記用具などの持ち物は、出かける前に一度確認したいものです。都道府県によっては作図用具なども必要な場合があります。ただし、実はたいていの忘れ物はなんとかなります。万が一受験票のような大事なものを忘れてしまった場合は、受験校の先生に相談しましょう。「取りに戻らないと受験させてもらえない」といったことはまずありません。
いちばん大切なのは、トラブルの際、保護者が一緒にパニックに陥らないことです。冷静に対処法を考え、お子さまにはとにかく「無事受験会場に着く」ことを最優先してもらいましょう。
受験会場でも「ふだんの自分」でいるために
受験会場で起こり得ること、いわば「受験生あるある」については、ぜひご家族で、保護者ご自身の体験も交えて楽しく話題にしていただければと思います。前もって心の準備をしておくと、集中力を妨げる「ノイズ」を避けやすくなります。
○周りの受験生が賢く見える!?
どういうわけか、同じ教室にいる受験生が全員秀才に見えることがあります。いかにも賢そうな表情だとか、難しそうな参考書をいっぱい持っているとか……。でも、それはそう見えるだけで、相手にも自分は同じように見えているはずです。
同じ学校を受けに来ている受験生の実力には、さほど差はありません。「みんな同じ」と思うようにするとよいですね。
○休み時間は「振り返らない」!
休み時間になったら、前の科目のことは振り返らないようにしましょう。ときどき「問い4の答え、絶対に『イ』だよなあ」などと、解答速報のような話題で盛り上がっている受験生を見かけますが、まったく利益のないことです。受け流すか、気になるならその場を離れたほうがよいですね。
参考書などで、次の科目の見直しをするのはよいことです。本を開いていても頭に入ってこないかもしれませんが、気持ちが落ち着くならそれでよいのです。
○試験中に助けてくれる唯一の味方は?
試験時間が始まると、受験生は誰もが孤独に陥ります。家族も先生も友達も、誰も助けることはできません。周囲から響いてくるのはシャープペンの音だけ。そんなとき、たった一人だけ助けてくれる味方がいます。それは、過去の自分です。自分でやったことしか、自分にはできないからです。一生懸命あきらめずに勉強した過去の自分が、入試本番で唯一の味方になってくれるのです。
この記事が届くのは、入試本番の何日前になるかはわかりませんが、お子さまは今まさに最後の努力の最中であり、入試本番の「唯一の味方」をつくっている最中だと思います。「今の自分」が、「未来の自分」を助けてくれるんだよ、ということを、ぜひ何かの形でお伝えいただければ幸いです。
- 高校受験