創造力はなぜ大切?鍛えるにはどうすればいい?保護者ができるサポートも
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「創造力」は、これからの時代を生き抜くために欠かせない力だと言われています。とはいえ、具体的にどんな力なのか、なぜ大切なのか、どうすれば育成できるのかなど疑問に思う方も多いのではないでしょうか。そこで、創造力の意味から重要性、創造力を鍛える方法までご紹介します。遊びや生活の中で、簡単に取り入れられる方法もあるので、ぜひ試してみてください。
そもそも創造力とは?
創造力とは、自分なりの方法で新しいものをつくり出すスキルのことです。「想像力とはどう違うの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、英語にしてみると言葉の違いをとらえやすいでしょう。
想像力:imagination(イマジネーション)
創造力:creativity(クリエイティビティ)
想像力は、頭の中で発想することであるのに対し、創造力は発想やアイデアをもとに実際に作り出す部分までを含みます。そのため、創造力は新しい価値を生み出すことにも繋がるといえます。たとえ見たこともない課題、答えが1つとは限らないものに対しても、創造力を発揮することで、自分なりの答えや解決策を見つけ出し、実行することができるといえるでしょう。
創造力はなぜ大切なのか?その重要性とは
創造力は、急速に変化する世界においてますますその重要性が増しています。その理由は、AIの発展や、高度情報化、グローバリゼーション、DX化などにより、社会のあり方そのものが大きく変化し、過去の常識や既存の知識、成功方程式が通用しないことも多くなっているためです。
予測不能な時代を生き抜いていくには、未知の課題に対しても自分なりの方法で新しい解決策を考え、実行し、価値を生み出していく「創造力」こそがモノをいいます。それは、イノベーションを生み出す原動力となるもの。まだまだAIの仕事として置き換えることもできないものです。「創造力」を兼ね備えた人間であることこそが、未来社会に求められる資質と人材像と言えるでしょう。
子どものうちから創造力を鍛えることのメリット
創造力は、子どものうちから鍛えることが重要だと言われています。なぜなら、幼少期は、柔軟で常識にとらわれない自由な発想ができる時期であるからです。幼少期は、創造力を鍛えるゴールデンエイジといえるでしょう。
もちろん、幼少期を過ぎた中学生や高校生、大人であっても、創造力を磨いていくことはできます。しかし、年齢を重ねれば重ねるほど、どうしても経験や常識に縛られてしまったり、周りの空気を読んで自由に発想しづらくなってしまうものです。夢中になれる時間や自由も確保しやすい幼少期から、創造力を磨いていくことを意識していくとよいでしょう。
幼少期に確固たる創造力の土台を築き、中高生や社会人でよりレベルをあげた創造力を積み上げていけるようにしてあげましょう。
子どもの創造力の鍛え方8選
「創造力を鍛えるには特別な教材がいるのでは?」「私にはクリエイティブな才能はないから、子どもに教えることができなさそう」などと不安に思っている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、創造力は自由な遊びの中でこそ鍛えられるもので、特別なレッスンなどは必要ありません。ポイントは「子ども自身で工夫できる遊び」であること。次の8つの鍛え方を参考にしてみてください。
何かをつくる遊び4選
積み木やブロック
大きなサイズのものから小さなものまであるため、月齢・年齢に合ったものを選べば、赤ちゃんから取り組めます。「これを作ろう」と決めてやらせるのではなく、子ども自身の発想に任せて、自由に取り組ませてみましょう。思いもよらないような形や見立てを完成させることもあるでしょう。
また、積み木をつむ、ブロックをつなげるといった行動は、手先を器用にするトレーニングにもなります。手先が器用になれば、ますます創造力を発揮することができるようになるでしょう。
粘土遊び
積み木やブロックより、自由自在に形を変えられる粘土は、柔らかく扱いやすいので、作りたい形をより精緻に実現できるものです。さまざまな色の粘土や、型なども用意できれば「これを作ってみたい」との思いに応えてあげられるでしょう。
砂場遊び
砂は、固まりづらさや扱いづらさがありますが、逆にそれが創造性を発揮させることにも繋がります。水を入れて扱いやすくしたり、型を上手く使ったり、花や葉など自然のもので飾ったりと、お子さまの思うままに自由に取り組ませてあげてみてください。
また、創造力を鍛えるには五感をフル活用することもポイント。砂場で服や体が汚れることが気になるかもしれませんが、そこは危険ではない限りグッと我慢。石やビンなどでケガをする恐れのなさそうな場であれば、裸足で砂に触れるのもよいでしょう。
工作
はさみやのりなどを使えるようになったら、より精度高いものを作れる工作にチャレンジしましょう。段ボールを使って車を作ったり、自分が着れるロボットにしたりとダイナミックなものから、ミニチュアなど繊細なものまでお子さまの発想のままに自由に取り組ませてあげましょう。
また、保護者から「こんなもの作って欲しいな」とオーダーを出すのもおすすめです。「どんなものにすれば便利かな?」「どう作ろうかな?」とアイデアを膨らませて、夢中になって試行錯誤する経験となるでしょう。
ごっこ遊び
ごっこ遊びは、さまざまなシチュエーションで、いろいろな役を演じることで、あらゆる立場や人の立場に立って考える視野の広さも身に付くものです。ヒーローごっこ、学校ごっこ、お店屋さんごっこなど、いろいろなパターンで楽しみましょう。
また、ごっこ遊びとつくる遊びを組み合わせるのもおすすめ。ヒーローの武器や、お医者さんの診察器具、お店の商品などを工作してみるのもよいでしょう。
リトミックやダンス
創造力を磨くには、五感をフル活用することが大切です。音楽など聴覚に刺激を与える遊びも積極的に取り入れていきましょう。音楽に合わせて体を動かしたり、「これを表現するにはどんな動きをしようか?」などオリジナルダンスを考えるのもよいでしょう。
プログラミング
何かをつくる遊びをもっと進化させるには、プログラミングがおすすめです。どんな動きを作りたいか、手順はどうするか、どうすれば効率的に作れるかなど、さまざまな条件を考えて、試行錯誤を繰り返すことでプログラミング技術と同時にクリエイティビティも磨かれていくはずです。
また、失敗を分析して、立て直していくプロセスで、仮説検証力も高めていくことができるでしょう。
自然の中で遊ぶ
十分でない環境や、適度に足りない状況だと、遊びにも工夫が生まれます。つまり、創造性が発揮されます。そのため、家や普段訪れる公園ほど遊び道具が整っていない自然の中で遊ぶのは創造力が刺激されるものです。ときには、山や川、キャンプ場などに出かけ、自由な自然遊びを楽しませてあげましょう。
子どもの創造力を高めるために親が心がけること
子どもが自由にいかんなく創造力を発揮させるには、保護者のスタンスや声かけも重要です。間違った対応で創造力の芽を摘んでしまうことがないよう、次の4点を心がけていきましょう。
主体性や好奇心のおもむくままに遊ばせる
創造力が磨かれる1番の条件は「夢中になる」こと。そのため、お子さまのやりたい気持ちや好奇心のおもむくままに遊ばせるのが大切です。心配のあまり、つい「それは危ないから」「時間がないから」と口に出してしまうこともあるかと思いますが、言いすぎないように要注意。危険にならない環境をさりげなく整え、制限することなく、取り組ませる時間も時には取れるようにしてあげましょう。
失敗をタブー視して、先回りしない
保護者であれば、できれば子どもの失敗は避けてあげたいと思ってしまうものです。でも、実は失敗こそが創造力を磨く学びの絶好のチャンス。失敗をきっかけに、試行錯誤の工夫が生まれるためです。
そのため、保護者はお子さまのやり方が気になっても「それだとうまくいかないよ」と先回りしすぎたり、「こうするといいよ」とアドバイスしすぎないように注意しましょう。良かれと思ってのフィードバックが創造力を磨くチャンスを失ってしまう可能性もあることはもちろん、お子さまに失敗を恐れる気持ちを植え付けてしまうことにもなりかねません。
お子さまが失敗した際には「どこでうまくいかなかったんだろう?」「次はどうすればいいかな?」など試行錯誤をサポートする声かけをしてあげましょう。それにより、もう一度チャレンジしようという気持ちが生まれてくるはずです。
保護者も一緒に創造を楽しむ
お子さまに創造力を身につけてほしいと願うなら、保護者自身も創造を楽しむ姿を見せてあげましょう。「お腹がすいたのオリジナルダンス見て!」「こんなゲーム考えてみたよ」などお子さまに声をかけてみてください。子どもは親の姿に刺激を受けるもの。楽しそうな保護者の様子を見て、自分もやってみたいという意欲が生まれるはずです。
感想を伝え、ポジティブなリアクションを示す
何かを作ったりするのは、苦労も多いものです。夢中になりながらも、時には失敗続きでお子さまも自信を失ってしまうこともあるかもしれません。それでもチャレンジしてよかったな、次も頑張ろうと思わせるには、保護者からのリアクションが何より大切。お子さまにとって、一番励みになるものです。
「すごいね」「がんばったね」という声かけだけではなく、「ここの工夫や考え方が素敵」「あきらめずにがんばっていたのがかっこよかった」など具体的な意見・感想や、ポジティブな反応を示せると、お子さまの意欲をさらに高めることができるでしょう。
まとめ & 実践 TIPS
創造力は、新しい価値を生み出すもので、これからの社会で活躍するためにも欠かせない重要なスキルです。とはいえ、その養成のために特別な教材やレッスンが必要なわけではありません。普段の生活や遊びの延長の中で、しっかりと育まれるものです。また、保護者のサポートや声かけ次第で、どんどんその芽を伸ばしていくこともできます。今回ご紹介した方法を参考に、お子さまの創造力を大切に育ててあげていってください。
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