英語ができると思っていたのに通知表の評価は「普通」、なぜ?【小学校英語・保護者の声】

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小学校の現行学習指導要領が2020年度に全面実施され、教科となった小学校5・6年生の英語には成績が付くようになりました。評価には、授業中の様子、市販のペーパーテストなど複数の材料が用いられます。また評価をする人も学級担任、英語専科の先生、ALT(外国語指導助手)など、自治体や学校によって異なるようです。校外学習で英語を早くから学んでいたり、英検®に合格していたりする小学生は良い評価をもらっているのだろうと思いきや、小学校の英語の評価はいまひとつというケースがありました。保護者の声を紹介しながら、その背景と要因を確認してみたいと思います。

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この記事のポイント

保護者の声から読み解く~英語ができると思っていたのに通知表の評価は「普通」の理由

まずは3つのケースをご紹介します。そこから読み取れることは何でしょうか。

ケース1 「テストは100点だったのに、なぜ?」

5年生の保護者、kaiさん。英検®に合格した友達に刺激を受け、kaiさんが勧めたこともあり、お子さまは英検®5級を取得しました。「小学校のリスニングテスト、お手本を見て単語を書くテストはすべて100点でした。子どもの話では、いつもクラスで一番にテストを提出していたそうです。CDから流れる英語のスピードはゆっくりだと感じていたようでした」。その様子に安心していたところ、5年生1学期の通知表での評価は、あまりよくなかったとのこと。「先生によると『積極性や主体性が足りていなかったため、良い成績は付けていない』とのことでした」。

ケース2 「たぶん積極的に英語の授業に参加していないので…」

6年生の保護者、ゆちこさん。お子さまは1年生から外国人の先生がいる英語教室に通っていて、5年生の終わりに英検®3級を取得しました。「5年生と6年生で評価する先生はかわりましたが、5年生から6年生の1学期まで、小学校の英語の成績は常に[普通]です」。先生にその理由を聞いたことはないとのことですが、(積極性が足りていないからでは?)と感じているとのことです。「子どもは授業中に手を挙げたり発表したりすることはしないんです。緊張するのが嫌なようで。その態度から、積極的に英語の授業に参加していないと先生に評価されているのかもしれません」。

ケース3 「自分からすすんで意見を言う姿勢が必要なのかも…」

6年生の保護者、てぃあらさん。お子さまが小さいころから「将来、英語は大事になる」ということを伝えており、お子さまも自主的に英語学習に取り組んできました。先日英検®3級の一次試験に合格、現在は二次試験の結果待ちです。「5年生から6年生の1学期まで、英語の成績は3段階中、常に真ん中。ALTの先生と対面で話すテストでも本人は『話せた』と手応えを感じていたのですが…。(真ん中の評価となる)理由は授業態度かもしれません。子どもは授業中わかっていても手を挙げないし、すすんで発表をしないんです。それで積極性がないととられたかもしれません。今の時代は自分からすすんで意見を言うことが求められているということでしょうか」。

小学校英語・家庭での保護者かかわりポイント

ここからは、先ほどのケースをもとに、保護者の声から小学校の英語教育で現場の先生がどのような点を重視しているのか、お子さまの英語学習にどうかかわったらよいのかを考えてみます。

保護者の声でわかった1
小学校英語のさまざまな場面ではかられる「主体性・積極性」

前出のkaiさんは、先生の「主体性や積極性が足りない」発言が腑に落ちなかったそうです。そこで「具体的にどういうことか」と聞いたところ、「ノートには、板書したことだけではなく、自分が気を付けようと思ったことを自分の言葉で書いているかなどを見ている」と言われ、何が足りていなかったのかがわかったとのことでした。先生が児童のどういう気持ちや考えを育てようとされているのか、その結果として期待されている姿勢や行動をうかがってみるのもよいでしょう。

保護者の声でわかった2
「自分から伝えようとする姿勢」は、やはり大事

お話をうかがった保護者からは「自分からすすんで意見を言うこと」ができていなかった(かもしれない)という声がありました。「性格的に苦手だから」「わかっているなら黙っていてもいいじゃない」と思うかもしれませんが、少し先のお子さまの将来を想像してみてください。社会でさまざまなバックグラウンドをもつ人たちと英語でコミュニケーションをしていくとき、相手の考えを聞いて自分の考えをしっかり伝えること、自分から相手に働きかけていく姿勢が求められます。ことばの学習は「伝え合い、わかりあう」ためととらえて、お子さまが英語の授業に参加することを応援してみましょう。

まとめ & 実践 TIPS

今回お話をうかがったケースで印象的だったことは、英語を学ぶ目的や目標を親子で共有していたことです。日頃からお子さまが英語の勉強をがんばっていることや成果を認めている様子でした。保護者自身の経験から「英語ができて楽しかったこと」「英語ができなくて悔しかったこと」をお子さまに伝えてもよいでしょう。お子さまが英語を学ぶ目的を考えるきっかけになります。英語を学ぶ目的や英語学習の目標を、親子で話す機会をこまめにもてるとよいですね。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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