【専門家】東西南北の簡単・楽しい覚え方は?忘れてもスグ思い出せる方法とは?
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「東と西がわからない」「暗記しても、すぐ忘れちゃう! 思い出せない……」
東西南北の方角を覚えるのは、子どもだけでなく大人にとっても難しいことがあります。
この記事では、東西南北の覚え方や位置の確認方法、さらに子どもと一緒に楽しく学べる方法を「進研ゼミ小学講座」の「赤ペン先生」がご紹介。
忘れてもすぐに思い出せるようになる方法も、お伝えします。
東西南北はなぜ覚えにくい?
地図は北を上にして表すことは、世界中でほぼ共通しているようです。ただ「上が北の時、東は右か左か?」と問いかけると、首をかしげるお子さまがとても多いです。
東西南北が覚えにくい理由は、毎日の生活で、方角を意識する機会が少ないことが挙げられます。林間学校のオリエンテーリングで、方位磁石と地図を手にして道しるべをたよりに夢中でゴールを目指すような状況が、日常生活で頻繁にあるわけではありません。外出先で目的地を探す場面があっても、スマホに入力すれば簡単に行き方を案内してくれます。
東西南北を考えながら自分で行き先を探す力が身に付く経験を日々の中で積みにくいことも原因の一つといえそうですね。
東西南北のカンタンな覚え方3選 忘れてもスグ思い出せる!
東西南北がパッとわかるためには、思い出せる自分好みの覚え方を見つけるのがおすすめです。手遊びを加えたり言葉を唱えたりしながら何度も繰り返すと記憶に刻まれ、時間がたっても思い出しやすくなります。
お子さまが気に入ってくれたら親子で何度も口ずさんで覚えましょう。
・飛行機になったつもりで両手を広げ、「(頭を北と見立てて)北へ向かう、日の出は右手の東から」と右手をきらきら動かす。
・夜空を眺めている気持ちで「北極星、右は東で左は西」。
・日本地図を思い浮かべて「関東は右、関西は左」。
お子さまと一緒に!東西南北が身に付く外出での声かけ
おうちの周りを散歩する時に、親子で方角当てゲームをしてみましょう。スマホは使わずに、目に見えるものをたよりに方角を調べます。晴れた昼間ならば、太陽の方角が南ですね。朝ならば日が昇ってくる方角が東、夕方で日が沈むころならその方角が西。影を見て太陽がどちらから照らしているのか考えるのも楽しいものです。
曇りの日や太陽が見えない所なら、まずは地図看板を見つけましょう。
町内の住居表示、商店街の店舗、防災案内などいろいろありますね。見つけたら北が上に表されていないこともありますので、まずは方位マークを確認しましょう。
「あっちが北だね」と声をかけるようにすると、次の地図を見つけた時にはお子さまのほうが早く「北はあっち!」と教えてくれます。
歩いて移動してきたことが、前に見た地図と次の地図の見え方の変化でわかります。
たとえば
「おうちから東に歩いたら公園に着いたね」
「公園から帰る時には西に歩いて帰ればいいんだね」
といった会話をしながら、地図と実際の位置関係を照らし合わせると、方角も覚えやすくなります。
方角と方位マークの違いって?
方位マークは「4」に似ている記号です。イラストや略図では方位マークのないものもありますが、地図にはきちんと方位マークがあって、東西南北を示してくれます。では、方位マークと方角はどのように違うのでしょう。
方角とは「ある場所を基準として、東、西、南、北などの方向」を指すものです。世界・日本地図では北を上にして表すことが多いため、上が北、右が東とわかります。それに対して、おうちの周りの散歩で見る地図では、北を上にして表しているものが多いわけではないようです。東西南北にとらわれずにその地域で目印になりやすいものを中心に地図に表し、東西南北は方位マークで示すほうが地図としてわかりやすいからかもしれません。
地図で方位マークを確認すると、今いる場所から見てどちらが北かがわかります。「学校の西側グラウンドに集合」などという場面でも、地図と方位マークを見れば西側がパッとわかります。
さらに、「冬、おうちの玄関前の雪がなかなか解けないのは北側だからだね」「ベランダは南側だね」「だからヒマワリもアサガオも元気に花が咲いているんだね」など、方角について気付いた発見と会話が親子でたくさんできるといいですね。
東西南北の方角は、さらに細かく「8方位」と「16方位」に分けられる
天気予報で聞く「明日は北西の風が強いでしょう」や節分で耳にする「今年の恵方は東北東です」等々。方位には東西南北をより細かく表す言い方がありますが、「東北東」ってどっち? 恵方巻を食べる前に、親子で悩むおうちも少なくないのではないでしょうか。
ここで、「8方位」と「16方位」をしっかりおさえておきましょう。
東西南北をさらに細かく8に分けて示すのが「8方位」、16に分けたものが「16方位」です。
「8方位」は時計回りに「北」→「北東」→「東」→「南東」→「南」→「南西」→「西」→「北西」です。覚えるには「北」や「南」が「東」、「西」の前に付くと覚えるとよいかもしれません。
さらに細かく分けた16方位は「北」→「北北東」→「北東」→「東北東」→「東」→「東南東」→「南東」→「南南東」→「南」→「南南西」→「南西」→「西南西」→「西」→「西北西」→「北西」→「北北西」です。
16もあると呼び方が混乱しそうですが、「8方位の前に、近い方角の『東』『西』『南』『北』のいずれかをくっ付ける」と覚えてみてはいかがでしょうか。
大人でもきちんと覚えている人は少ないものです。
おうちのかたもお子さまと一緒に8方位や16方位をまず手書きして、方位の位置関係を親子でおさえましょう。方位の呼び方の仕組みを理解すると、すべてをがむしゃらに丸暗記するよりカンタン。パッと言えるようになりお子さまも得意が増やせます。
親子でいろいろ想像をふくらませ、たとえば船長になったつもりで「北北東に向けて面舵(おもかじ)いっぱーい!」、パイロットになったつもりで「西南西に左旋回!」など、ごっこ遊びも楽しいもの。方位の呼び方のルールがわかれば、地図だけでなく、方位に関わるさまざまな分野にも興味がわきそうですね。
まとめ & 実践 TIPS
東西南北がパッとわかるためには、思い出せる自分好みの覚え方を見つけるのがおすすめです。
手遊びを加えたり言葉を唱えたりしながら何度も繰り返すと記憶に刻まれ、時間がたっても思い出しやすくなります。おうちの周りの地図を見たり、天気予報を聞いたりして、方位を意識できるように親子で会話に取り入れるのもいいですね。
方位マークや8方位・16方位など、複雑に見えるものは規則性を理解することがコツです。おうちのかたも一緒に楽しみながら覚えてみてくださいね。
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