高校受験対策 効果的で効率のよい勉強法は? 入試本番までの対策スケジュールも解説
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高校受験の勉強は順調に進んでいますか? 受験勉強を効率的に進めるには、いくつかのポイントがあります。今回は、勉強すべき内容や対策スケジュールとともに、やる気が出ない日の対策なども解説。中学1・2年生も今から受験を意識して勉強すれば、中学3年生になってからの負担を減らせますよ。
高校受験対策 志望校合格に向けた勉強とは
高校受験勉強を進めるにあたり、まずは3つのポイントを押さえましょう。「自分の苦手、弱点を知る」「自分に向いている勉強法で進める」「限られた時間で効率よく勉強する」ことです。
・自分の苦手、弱点を知る
第1のポイントは、優先順位をつけて進めること。まずは、これまでの定期テストや模試の成績などをチェックし、点数をとれていない分野をリストアップします。テスト結果が手元にない場合は、薄い基本問題集を一通り解いて不正解が多い分野を探しましょう。
次に、間違えた原因を分析します。たとえば、知識不足、計算ミス、スペルミス、問題文の読み間違いなどはありませんか? 自分の苦手をピンポイントで対策すれば、効率よく対策を進められます。
志望校によって求められるレベルをチェックすることも大切です。志望校の偏差値や合格者の入試本番の点数(または合格最低点)と自分のものを比べ、合格レベルより低い教科・分野から対策を進めましょう。
志望校の偏差値は、模試を受けた際の成績票で確認したり、高校情報と偏差値を掲載しているWebサイトや入試情報誌などで確認できます。学習塾に通っている場合は、塾で教えてもらえることもあります。
・自分に向いている勉強法で進める
長い受験勉強をやり抜くには、自分に向いている勉強法で進めると取り組みやすくなります。たとえば、学習計画の立て方、暗記の進め方、参考書や問題集選びなどで「自分に合っているかどうか」を見てみてください。
部活動で忙しかったり偏差値の高い高校を志望校にしたりする場合、より効率よく受験勉強を進める学習計画が必要です。それには「可処分時間」を意識しましょう。
「可処分時間」とは、自分が実際に使える時間のこと。「平日は7時間勉強する」などの学習計画は可処分時間を無視しているため、実行できずにモチベーションが下がってしまうかもしれません。
まずは自分の今の生活を書き出し、受験勉強に使える時間を割り出すことが大切です。以下を参考に、可処分時間を計算してから学習計画を立てましょう。
<可処分時間の割り出し方>
- ・1週間の曜日ごとに自分の生活時間を記録する
- ・記録をもとに、各曜日の睡眠時間を引き算する
- ・各曜日の学校へ行く時間を引き算する
- ・各曜日の食事、支度、移動、入浴、習い事、塾などで必要になる時間を引き算する
- ・学校の宿題にかける時間を引き算する
- ・「予備日」(勉強の遅れを取り戻す日)となる曜日を決めて引き算する
- ・残った時間が、可処分時間となる
暗記の仕方も自分用にカスタマイズしましょう。
暗記とは「学んだことを確実に思い出せること」です。そのため、「インプット+アウトプット」のセットで進めることが重要です。思考力や判断力を問う問題への対策も兼ねて、背景まで理解した上で暗記を進めましょう。
インプットとアウトプットには次のような方法があります。自分がやりやすい方法を使ってみてください。
<インプットの例>
- ・何度も書く、音読する、見る
- ・絵や図、印象に残りやすい情報と結びつける
- ・語呂合わせを利用する
<アウトプットの例>
- ・学校の課題、小テスト、定期テストをくり返し解く
- ・友達に説明する、何も見ずにまとめノートを書く
- ・暗唱する、音読する
受験勉強に使う参考書や問題集が必要も自分に合ったものを選びましょう。実際に書店で手に取って解説や問題を確認し、「分かりやすい、見やすい、使いやすい」と感じたものを選んでください。
<参考書・問題集の特徴の例>
- ・見た目:図表が多い・少ない、カラー印刷・色数が2色以下、薄い・厚いなど
- ・形式:知識解説+基本問題、要点確認+基本・標準問題、問題のみなど
- ・内容:解説が詳しい、レベル別、分野別など
・限られた時間で効率よく勉強する
限られた時間で効率よく受験勉強するには、可処分時間と1か月・1週間の目標に合わせて1日の目標を決めましょう。
ここで大切なのは、無理に詰め込まない、高すぎるレベルの問題にいきなり挑まないということです。「自分が今できるレベル+α」を意識して取り組んでください。疲れすぎないようにするため、1時間に10〜15分の休憩をとることも忘れずに。
完璧主義を捨てることも、効率よく勉強を進める上で重要です。「1問でも間違えたらやり直し」「ノートまとめが終わるまで問題演習に進まない」といった完璧主義は、ストレスが大きくなって「どうせやったって…」という気持ちになってしまうかも。入試だって、全問正解でなくても合格点になります。1問のミスを防ぐために1つの分野に延々取り組むよりも、まずは「8割で合格」として先に進むことを意識しましょう。
定期テスト対策などでの「一夜漬け」も効率の良い勉強ではありません。一夜漬けは短期記憶にしかならず、高校入試まで覚えておけないからです。定期テストには重要ポイントがまとまっています。内申点対策だけでなく受験勉強にもなるので、しっかり取り組みましょう。
効率の良い定期テスト対策は、たとえば以下のように進めることができます。
<効率的な定期テスト対策>
- ・テスト範囲が出た時点で対策を始める
- ・テスト範囲を復習したあと自分で小テストを実施する(テスト形式で勉強)
- ・出題範囲の中で覚えているものと覚えていないものを分ける
- ・覚えていないところだけを集中暗記する
- ・間違えた問題や単語だけをノートにまとめる
- ・覚えていないものだけを覚えるまで何度もテストする
- ・赤シートやタイマーを使って時間を効率的に使う
定期テストや小テスト後、記憶が新しいうちに間違えた問題を解き直して復習すれば記憶に定着させやすくなりますよ。
高校受験の勉強スケジュール
高校受験の勉強スケジュールは、一般入試の入学試験が行われる1〜2月頃から逆算すると概ね以下のようになります。部活動などのスケジュールを考慮しつつ、自分に合った学習計画を立ててください。
・中学1~2年
中学1〜2年生は、主に内申書(調査書)対策と3年生からの受験勉強の負担をなるべく減らすための準備を行います。
・中学3年 夏休みまで
中学3年生1学期は、これまでの内申書(調査書)対策を続けながら、中2範囲までの苦手分野を復習しましょう。暗記学習もなるべく早く始めるのが得策。入試本番までに3周することを目指します。6月頃から学校説明会も始まりますので、興味のある高校の説明会や見学回に積極的に参加しましょう。
・中学3年 夏休み
中3の夏休みは、これまでの学習の遅れを取り戻し、2学期の先取り学習をすることが中心になります。中2範囲までの苦手分野は夏休み中の克服を目指しましょう。暗記学習の1周目も夏休みのうちに終えておくと、2学期以降が楽になります。合間に志望校の学校説明会などに参加すると、受験勉強のモチベーションが高まりますよ。
・中学3年 9月から冬休みまで
中3の2学期から冬休みまでは、内申書(調査書)対策を続けつつ、中3分野の苦手単元対策、苦手でない単元の標準問題演習や入試問題演習を行うとよいでしょう。模擬試験も増えてきますので、テスト本番の時間配分を検討・練習したり、模試の解き直しを行うのも忘れずに。暗記学習は2周目に入ります。1周目で忘れてしまったものを中心に覚え直しましょう。また、模試の偏差値と志望校の偏差値を見比べつつ、候補を絞り込んでいってください。
・中学3年 冬休みから入試直前まで
中3の冬休み以降は、これまで解いてきた問題集や志望校の過去問題集を何度も繰り返し解きます。新しい問題集を使うより、「何度も繰り返し練習して解けるようにする」ことを大切にしましょう。単語暗記は、いよいよ3周目です。あまり時間をかけず、覚えていないものだけ集中して覚えてしまいましょう。体調管理にも十分気をつけ、しっかり睡眠時間をとってください。
【教科別】高校受験対策の効率的な勉強法とは
全体の流れが分かったら、教科別の勉強すべき内容を確認しましょう。
・国語
「声に出して読む、覚えながら書く」を中心に学習しましょう。百人一首や竹取物語などの文学は、作者の名前と時代をセットで覚えるのがポイント。学校や塾の小テストでは満点を目指します。暗記ものは、用語集などを最低3周して覚えましょう。
・英語
「英文を声に出して読む、正しい発音を聞く」を中心に学習します。正しい発音の学習はリスニング対策としても効果的。文法や構文は、例文の音読と和訳をセットで覚えましょう。英作文は例文の暗記+アレンジで練習します。国語と同様、学校や塾の単語・熟語テストでは満点を目指し、英単語集などは最低3周して覚えましょう。
・数学
「図や表を一緒に描く、誰かに説明する」を中心に学習してください。問題文を読んで正確に図や表を描く練習を繰り返すことが大切です。問題を解く流れ(なぜこの公式が使えるのかなど)を理解するとともに、公式はクイズ形式などで覚えてしまうとよいでしょう。まずは基本問題を確実に解けるよう基礎を固めて。その後、標準問題演習へ進んでください。
・理科
「図表を理解する、語呂合わせなども使って用語を覚える」ことを中心に学習しましょう。図やグラフをセットで覚えることがポイントです。学校の資料集も使って考え方や見え方の特徴を押さえてください。用語や考え方が身についたかどうかは、基本問題を解いて確認。問題文の読み間違いや計算ミスに気をつけましょう。
・社会
「ワードツリーを書く、重要なできごとの年号を語呂合わせなどで確実に覚える」ことを中心に学習を。歴史上の出来事は、前後に起こった出来事との因果関係などもあわせて把握すると覚えやすくなります。分からない用語は必ず意味を調べ、ノートにまとめておくことで、短時間で復習できるオリジナル教材ができますよ。過去問題演習では読むべき文章の量が多いので、問題文で何を問われているのかをしっかりチェックしてください。
勉強へのやる気が出ない・集中力が続かないときの対処法
受験勉強は長期間におよびます。ときにはやる気が出ない日、集中力が続かない日もあるでしょう。そんな日は、無理に勉強するよりも少し休んだり時間の使い方や場所を工夫をしたりすると、やる気が復活するかもしれません。
・体調が悪い日は休む
体調が悪い日は、無理をしないことが大切です。
はっきりとした原因が思い当たらない場合でも、風邪を引いている、睡眠不足、頑張りすぎてストレスがたまっているなどが考えられます。無理に勉強しても効率が悪くなって余計疲れてしまい、勉強がはかどりません。
早めに休み、翌日また元気に勉強することを選びましょう。
・やる気が出ない日は少し運動する・簡単な勉強をする
やる気が出ない日は、軽い運動をしたり簡単な勉強をしたりして、弾みをつけましょう。
軽い運動は気分転換になりますし、やる気を高める効果を得やすくなります。少し早足の散歩やラジオ体操などがおすすめ。運動しすぎると逆に疲れて勉強しにくくなってしまうことがあるので、あくまで軽く済ませましょう。
外出や屋内での運動が難しい場合は、机の上の片付けもよいでしょう。軽い運動になりますし、ゲームやマンガといった勉強に関係ないものを視界からなくすこともできます。スマホは「機内モード」などに設定し、なるべく見えない位置へ。文房具は置く場所を決めると物を探す時間を減らせます。
簡単な勉強では、「得意な分野の問題を5分間だけ解く」「簡単な計算問題を5分間解く」、「教科書や参考書を音読する」などがおすすめ。音読で知識をインプットしてから問題に取り組めば、スムーズに勉強に移れます。
なお、やる気の有無にかかわらず「まずは10分机に向かう」を習慣にすることも重要です。
・集中力が続かない日はこまめに休憩をとる
「集中力が続かない」という悩みは多いものですが、そもそも集中力は長く続くものではありません。大人だって多くの場合で30分程度と言われています。
長時間集中し続けるより、小まめな休憩をとりながら長く勉強しましょう。「25分に1回5分間の休憩」「50分勉強して10分休憩」など、自分に合ったサイクルを探してみてください。
休憩中は窓の外を見たり目を閉じたりして、頭や目、手などを休ませて。「好きな音楽を1曲聴く」「仮眠する」などもいいですね。ただし、仮眠で布団に入るのは危険。仮眠は「椅子に座ったままで15分以内」にしましょう。
場所や教科を変えるのも気分転換になります。苦手な教科に疲れたら30分だけ得意教科をやる、自分の部屋からリビングや学習室に移動するなどを試してみてください。
また、1日のゴール(目標)と進捗の「見える化」も効果的。方眼紙を使って1ページまたは1問終わるごとに1マス塗りつぶす方法がおすすめです。あらかじめゴールとなるマスに赤ペンで印をつけておけば、どこまでやったか、あとどれくらい残っているかがひと目で分かります。
まとめ & 実践 TIPS
高校受験は長丁場の戦い。順調に進む時期もあれば、どう進めるべきか迷う時期もありますし、なかなか勉強できない日もあるものです。勉強方法で迷ったら、この記事で紹介した方法や考え方を試してみてください。
自分に合った勉強方法や教材を見つけ、志望校合格に向けて突き進みましょう。
出典:
高校受験のための勉強を始めるのはいつから? それを決めるポイントは?|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/juken/201608/20160817-1.html
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https://benesse.jp/juken/202012/20201222-1.html
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