【医師監修】授乳回数と間隔は?1回あたりの時間は?新生児から1歳までのペースまとめ

赤ちゃんが生まれたばかりの育児において、悩みのひとつが授乳です。「間隔が短すぎたり長すぎたりしないだろうか」「1回の授乳時間はこれでいいのだろうか」「ミルクと母乳を混合であげている場合の量はどう量ればいいんだろうか」など、悩みは尽きないもの。そこで今回は、新生児から生後1年までの赤ちゃんについて、目安となる授乳ペースをまとめてみました。量や授乳回数、間隔に迷ったときにぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

授乳回数と間隔は?月齢別のまとめ

生後1カ月までは、1日に8~10回と多く、間隔も2~3時間おきと短いです。その後、時間を追うごとに少しずつ間隔が長くなっていきます。
以下に、月齢ごとの傾向や注意点を詳しく解説します。

【生後1カ月まで】新生児のうちは間隔も1回の授乳時間も短い

赤ちゃんは胃の容量が小さく、一度にたくさんの量を飲めない

生後1カ月までの赤ちゃんは母乳やミルクを吸う力が弱く、少し飲むとすぐに疲れて眠ってしまいます。一回に飲む量も少ないため、すぐにおなかが空いてしまうことが特徴。授乳間隔も1回の授乳時間も短くなります。

授乳回数は平均8~10ほど。1日に12回以上になることも

少ない量を何回にも分けて飲むため、母乳だと授乳回数が平均8~10回ほどで、中には1日12回以上になることもあります。「飲ませすぎでは?」と心配する必要はありません。ほしがるタイミングであげてください。

間隔の目安は、2~3時間おきくらいです。母乳の場合は、左右それぞれ5~10分ずつ飲ませてあげましょう。片方からばかり授乳していると乳首が痛くなったり母乳の分泌が悪くなったりする可能性があるため、均等に入れ替えることが大事です。ただし、時間はあくまで目安。目安と違っていても、赤ちゃんの体重が増えていれば問題ありません。体重があまり増えない場合は母乳量が少ない可能性もあるため、ミルクの量を増やしたりしてみましょう。

ミルクをあげる場合の注意点

ミルクの量はミルク缶に記載されているものを目安にしますが、基本的にはほしがるだけあげて大丈夫。ただし、ミルクは母乳よりもカロリーが高く、消化吸収が悪いです。目安を大きく外れないように気を付けながら、間隔は母乳より長めの3時間ほどにするとよいでしょう。

【生後3カ月頃】授乳の間隔がだんだん長くなる

赤ちゃんも保護者のかたもコツがつかめてくる時期

生後2~3カ月になると、赤ちゃんもうまく母乳やミルクを飲めるようになり、消化器官も発達してきます。まとめて3時間くらい眠ることも多くなるため、授乳間隔も長くなってくるでしょう。夜間の間隔も空いてきて、新生児期に比べると少しラクになってきます。

胃の容量も大きくなり、一度にたくさんの量が飲めるように

授乳回数も安定してきます。母乳だと1日8~10回くらい、ミルクだと6回くらいが平均です。間隔は、1~3時間程度になります。ミルクの場合は新生児期と同じく、3時間は間隔をあけるようにしましょう。

一回の授乳にかかる時間は、母乳なら左右それぞれ15分くらいが平均です。ミルクの場合、時間は個人差がありますが、量は1回160ミリリットルくらいを目安にしてください。

【生後3カ月~1年】赤ちゃんも保護者のかたもペースができてくる

母乳の分泌効率が良くなり保護者のかたも赤ちゃんもラクに

赤ちゃんと保護者のかたの間で授乳のペースがつかめてくるのが、生後3カ月以降です。回数は、母乳の場合1日6~8回程度、ミルクの場合1日5回程度が平均。授乳時間は、左右それぞれ15分くらいが目安です。時間や回数が少なくても、体重が順調に増えていれば問題ありません。

ミルクの場合は、1回200ミリリットルくらいになるでしょう。ミルクから母乳に移行する場合は、3カ月を過ぎたあたりからミルクをあげる回数を1日1回程度まで減らしてみてください。

なお、産後3カ月を過ぎると母乳の分泌効率が良くなるため、おっぱいはあまり張らなくなります。ただ、母乳の出が悪くなっているわけではありません。焦ってミルクを足しすぎないように注意しましょう。

赤ちゃんと保護者のかたにとって一番良いペースで進めて

この頃になると、赤ちゃんにも満腹中枢ができてきて、保護者のかたから見ても「おなかがいっぱいなんだな」というサインがわかるようになります。1回の授乳でしっかりと母乳やミルクを飲めるようになり、時間も回数も減ってくることが特徴。授乳する時間も決まってくるため、1日のスケジュールも立てやすくなるでしょう。

ただ、授乳回数や間隔、時間は個人差が大きいもの。体調や気分が優れないことが原因で飲みが悪くなるときもありますし、離乳食が始まればまた変わってくるでしょう。タイミングは、赤ちゃんがほしがったときがベスト。体重が増えていれば基本的には大丈夫なので、赤ちゃんと保護者のかたにとって一番良いと思うペースや方法を見つけて進めてみてください。困ったときには助産師さんに相談してみてもよいでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

赤ちゃんの成長にともなってだんだんと授乳間隔はあき、一度に多くの量を飲めるようになってきます。ただ、授乳ペースは個人差が大きいもの。今回ご紹介したのはあくまで目安ですから、授乳回数や時間が多かったり少なかったりしても大丈夫です。赤ちゃんの様子や保護者のかた自身の体調に目を向けながら、自分たちにとってベストなペースをつかんでいってください

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プロフィール



子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

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