パソコンばかりで、勉強の習慣が身に付いていない子ども 親が言っても聞きません[教えて!親野先生]

スマホやゲーム、パソコンなど、好きなことには集中力を見せるのに、勉強は全然しないというお子さまに頭を悩ませてしまうこともあるのではないでしょうか。その集中力を少しでも勉強に向けてくれたら・・・と途方に暮れてしまうこともあるかもしれません。好きなことばかりに夢中な子どもに、勉強習慣も身に付けさせるにはどうすれば良いのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生に伺いました。

【質問】パソコンばかりで、勉強どころか宿題もできない中学2年。勉強習慣を身に付けさせるにはどうすればいい?

中学2年にもなるのに、まったく勉強の習慣が身に付いていません。宿題すら、しっかりできない始末。パソコンにはいくらでも集中できるのに……。パソコンで勉強をとも思ったのですが、遊びと勉強は違うようで。なぜ勉強しなければならないのか、意味があるのかがわからないようで、私もどう説得してよいのかわかりません。(サトレン)

親野先生からのアドバイス

サトレンさん、拝読いたしました。

パソコンにはいくらでも集中できるということは、好きなことならがんばれるということです。そう考えればいいと思います。その好きなことを生かしながら、その子を伸ばしていくといいのではないでしょうか。そこに、希望の光が見えてくると思います。

まずは、子どもがパソコンで何をするのか好きなのかを理解してあげて

そこで、大切なのは、その子はパソコンで何をするのが好きなのかということです。ひとくちにパソコンといっても、さまざまなことが考えられます。

パソコン本体の組み立てとか、プログラミングなどの本格的なことが好きなのでしょうか? それとも、ネットサーフィンや動画サイトを見ることでしょうか? または、ブログやSNSで発信すること、写真や映像の編集をすること、音楽に関係すること、パソコンゲームなどいろいろ考えられます。

いずれにしても、まず、子どもがパソコンで何をするのが好きなのかをよく理解してやることが必要です。それは、子どもを危険から守るうえでも大切なことです。中学2年生なら、その気になればパソコンでかなりのことができますから。

好きなことでも、子ども自身の力だけで伸びていくには限界がある。親のサポートで、能力をどんどん伸ばしていってあげて

そして、子どもがパソコンで何をするのが好きなのかを理解してやることで、子どもを伸ばしてやる方向性も見えてくるはずです。

パソコン作り、プログラミング、ネットサーフィン、ブログやSNSでの発信、映像の編集、音楽の編集、どれもこれもすばらしい可能性を秘めています。これらが好きで得意なら、すばらしいことです。なぜなら、これからの世の中では、ますますITリテラシーの重要性は増していくからです。

ですから親がうまく支援して導いてやり、その方面での子どもの能力をどんどん伸ばしてやってほしいと思います。それに、親の目があれば正しい方向に伸びていくことができます。

ところで、いくら好きなことでも、子どもが自分自身の力で伸びていくには、限界があります。親が一緒にやってやったり、本を買ってやったり、関連する教室に連れて行ってやったりすることで、子どもはぐんぐん伸びていけるのです。

また、パソコンゲームが好きな場合はどうしたらいいでしょうか? この場合も、うまく導ければ、ゲームソフトを作る方に伸ばしていくことも可能です。現に、今ゲームのクリエイターと呼ばれる人たちは、みんなもともとはゲームソフトで遊んでいた人たちがほとんどなのですから。

そして、上記のいずれの場合においても、日頃から親子のコミュニケーションに心がけて、よい親子関係をつくっていくことが必要です。そのためには、子どもが好きなパソコンについても、上から目線で一方的にダメ出ししたりルールを押しつけたりするのはやめましょう。

逆に、日頃からパソコンの話を共感的に聞いたり、「詳しいね」等とほめたりしてあげてください。そういうコミュニケーションを十分取っていれば、子どもは「親にわかってもらえている」と感じて心がオープンになります。このような親子の信頼関係をつくることを最優先にしてください。

その上でどうしても心配なことがあれば、親の心配する気持ちを伝えたり、一緒にルールを作ろうと投げかけたりしてみてください。そして、ルール作りにおいても、上から目線で押しつけるのではなく、話し合いながら民主的に決めるようにしましょう。このようにして決めたルールなら、子どもも「守ろう。守らなくては」という意識になれます。

民主的であるためには、親が子どもを心からリスペクトする姿勢が本当に大事です。こういうことについて、子どもは非常に敏感です。本能的に察知するといってもいいでしょう。子どもたちは決して侮れない人たちです。

実力がつけば、大きな自信につながる
好きを生かして、やる気を刺激しよう

このようにして、その子が好きなものを応援して伸ばしてあげてください。そうすれば、子どもは毎日楽しく生活できますし、親子関係もよくなります。また、好きな分野で実力がついてくれば、大いに自信を持つことができます。それは、やがていろいろな面にいい影響を及ぼします。もちろん、勉強面においてもです。

ご質問のように、勉強の習慣がまったくなくて意欲もないような場合に、親が説得して勉強を進んでやるようにさせるなどということはかなり難しいことだと思います。それは、すでに十分おわかりだと思います。「急がば回れ」の気持ちで臨むとよいと思います。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。サトレンさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。TwitterやYouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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