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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
アデノイド肥大と言われ、症状が悪ければ手術と言われました。
先日、息苦しそうだったので耳鼻科を受診したところ、アデノイド肥大と言われ症状が悪ければ手術と言われました。ネットなどで調べたところ、全身麻酔と書いてありました。手術も全身麻酔も抵抗があります。一度アデノイド肥大と診断されると自然に治ることはないのでしょうか?
6歳を過ぎるころにはよくなってくると思いますが、その間、鼻づまり等の症状がよく出るようになれば、手術を考えなければならない状況となる可能性も十分考えられます。
アデノイドは咽頭扁桃(いんとうへんとう)とも呼ばれ、鼻の一番奥にあるリンパ組織の固まりです。通常3歳から6歳の間に自然と大きくなる生理的肥大の時期を迎え、その後は徐々に小さくなり、大人になると痕跡程度しか残らなくなります。
ご相談のお子さんの場合、息苦しそうだったのは一時的な症状だったのでしょうか? 滲出(しんしゅつ)性中耳炎や副鼻腔炎(ふくびくうえん)を合併していませんか?
アデノイドの肥大があると、鼻の奥の空気の通り道が狭くなりますので、鼻づまりやいびきの原因となります。ひどい場合には昼間も口呼吸が目立つようになり、睡眠時には無呼吸を生じることもあります。さらに滲出性中耳炎や副鼻腔炎が長引いたり、重症化する要因のひとつともなります。炎症が加わると一時的にアデノイドは大きくなりますので、ふだんの呼吸状態に特に問題がないようであれば、今しばらく経過を見てもよいかもしれません。
しかしながら、お子さんはまだ3歳前ですので、今後、アデノイドは徐々に大きくなる可能性が高いと考えられます。
どこまで大きくなるかの予測は困難ですが、鼻づまりの状態や、夜間のいびき、無呼吸、滲出性中耳炎や副鼻腔炎等の症状に注意しながら経過を見て、それぞれの症状がひどくなるようであれば、手術の選択も十分考えられると思います。
なお、6歳を過ぎますと通常アデノイドは自然に萎縮(いしゅく)して小さくなってきますので、小学校入学ごろには、さまざまな症状が自然とよくなって、手術をしなくてもよい可能性が高くなると思われます。
また、現在は、手術は全身麻酔で行われるのが一般的です。どのような手術であれ、麻酔のリスクは「ゼロ」にはなりませんが、麻酔の専門医のいる病院で手術を受けられれば、リスクは極めて低いと考えてよいでしょう。