わざと嫌がること、悪いことをして親を困らせる子どもの心理とは? 「試し行動」について知ろう
- 育児・子育て
何度注意しても、保護者のかたを困らせる行動をとる……しかも、大人の顔色をうかがいながら「わざと」やっている……。お子さまのそんな姿を見たら、イライラしてしまいますよね。でも、この行動の裏には「かまってほしい」というお子さまの気持ちが隠れている可能性もあります。
わざと親を困らせる「試し行動」
まだ小さいお子さまなら、いろんなことを学んでいる段階。注意されたことを繰り返すというのは、よくあることです。でも、大きくなってきて物事の良し悪しもわかってきているはずなのに、親をわざと困らせてくる子どももいます。たとえば、このような行動です。
- 絵本や大事な本を破る
- 飲み物をわざとこぼす
- クレヨンを折る
- 弟や妹をいじめる
このように、わざと親を困らせようと行っている行動を「試し行動」といいます。これは、「自分は本当に愛されているのだろうか」ということを確かめる行動。もちろん、困った行動がすべて試し行動なわけではありません。発達障害などが原因であったり、不注意でやってしまったりすることもあります。
しかしそうではない場合は、「試し行動かもしれない」と思ってみることも必要。そうすることで、お子さまの気持ちに気付きながら、困った行動を解決できる可能性もあります。
「かまってほしい」「認めてほしい」試し行動の心理
試し行動をしている時、子どもはどんなことを思っているのでしょうか。
・「こっちを見て」「私をかまって」と気を引こうとしている
仕事が忙しかったり、きょうだいが生まれたりして、少しお子さまとの関わりが減ってしまった時。そんな時に子どもは、「自分をもっと見て!」と気を引こうとします。これが、親を困らせる時の子どもの気持ち。赤ちゃん返りとも似ていますよね。
でも、どうしてわざと「悪いこと」をするのでしょうか。それは、子どもにとってこの方法が一番効果を感じるからです。子どもが「良いこと」をしている時は、手がかかりませんよね。だから、つい放置してしまいがち。そうすると子どもは、保護者のかたの気を引くために「悪いこと」をしようと考えます。
悪いことをすれば、「ダメでしょ!」「いけません」とすぐに駆け付けてくれる。たとえ叱られたとしても、子どもにとっては「かまってもらった」ことになります。「良いこと」をするよりも「悪いこと」をした方が、お母さんやお父さんを簡単に独り占めできるからなのです。
・「どんなことをしても自分を見捨てないか」を試している
その名の通り保護者のかたを「試している」こともあります。「どんなに悪いことをしても、私のことを好きでいてくれるだろうか」ということを、保護者のかたの反応を見て確認しているのです。
これは、「自分が愛されているのか不安」だからしてしまう行動。保護者のかたに対して、何か不信感を抱いてしまっている可能性もあります。だから、愛情が確認できるまで何度も繰り返してしまうのです。
「困った行動」だけに注目しないで!意識して子どもとの関わりを増やそう
子どもの困った行動が「試し行動かも」と思った時は、どうしたらよいのでしょうか。
まず、試し行動そのものに対しては、きちんと注意をしてOKです。ダメなことはダメと注意してください。でもこの時、子どもを否定する言葉は言わないようにしましょう。「〇〇をして、あなたは悪い子ね」ではなく、「〇〇はしちゃいけないよ」と行動だけを叱るようにしてください。
そして叱った後は、「どんなことをしてもあなたのことが好き」だということを、言葉や態度で伝えてあげましょう。抱きしめてあげるだけでも、お子さまはホッとするかもしれません。
また、困った行動だけに着目していても問題は解決しません。子どもの「かまってほしい」「もっと見てほしい」という気持ちに答えてあげる必要があります。ですから、少し意識してスキンシップを増やしたり、「ほめる」ことを増やしたりしてあげましょう。困った行動をしている時ではなく、良いことをしている時や何でもない時こそ、愛情を伝えてあげるチャンスです。
まとめ & 実践 TIPS
試し行動をする相手というのは、子どもにとって大切な相手。「この人に愛されたい」と思うから、気を引こうとします。それだけ、子どもはお母さんやお父さんが大好きなのですね。
もしお子さまが「わざと親を困らせている」と感じたら、少し自分の行動を振り返ってみましょう。「最近遊ぶ時間が取れていない」「スキンシップが減ったかも」「怒り過ぎているかも」そんな心当たりがあれば、ちょっと意識してお子さまと向き合ってみてください。
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