自分から勉強する習慣を付けるには? [中学受験 4年生]

受験生活の最初の段階で、自分から勉強する習慣を付けることはとても大切です。そこで、学習習慣をつけるためのポイントについてお話しします。

手間暇をかけて「話に引き込む」「聞かせる」工夫を

多くのお子さまは放っておけば遊んでしまいます。しかし、それは自然なことともいえます。遊びも勉強のうちですが、そんな中でも学ばせるチャンスは逃したくないものです。保護者のかたは、「学習習慣を付けるには手間暇がかかる」ことをまず認識しておいてください。

まず前提として、「お父さん、お母さんの話を聞いていると楽しいなあ」という関係をつくっておくこと。次はどんな世界を見せてくれるんだろう?とワクワクさせるために、あらゆる手段を使いましょう。勉強を教える際には、クイズやパズル、謎解き物語の要素を入れるなど、興味を引き付けるためのさまざまな材料を用意してください。ただ「聞きなさい」と言っても、面白くなければ子どもの耳には入りません。

たとえば、多くの東大合格者を育てたある先生は手品が得意で、授業中、必ずちょっとした技を披露しています。だから、子どもたちは自然と先生の一挙一動に集中します。もちろん手品でなくてもかまいませんが、勉強に集中させるにはそれなりのテクニックが必要なのです。

時間管理のコツ 15分を単位に家庭学習の設計を

子どもの集中力が続くのは、約15分といわれています。その15分で、お子さまにちょうどよい分量を見極めてやらせることが大切です。お子さまにとってどこからが難しいのかやりとりの中で見極め、解けたらどんどんマルをつけてあげましょう。「解ける」問題を出すのが基本。まったく手が出ない難問は、ご本人が興味を示さない限り出さないことです。計算問題や言語知識の問題は、「1セット15分」の筋力トレーニングのつもりで、毎日取り組ませましょう。

なお、時間を区切らず「解けるまでやりなさい」と放っておくのは、いちばんよくないやり方です。お子さまが問題を解くあいだ、保護者のかたは目の届く範囲にいてあげてください。放っておかれているようで見守られている、そんな距離感がいいですね。

このように、時間を区切りながらお子さまのペースをつかみ、月曜は算数30分、国語30分……というふうに家庭学習の設計をしていきましょう。最初のうちは1日1時間できるかどうかだと思います。お子さまと相談して「毎日これだけはやろうね」と約束し、守れたら表にマルを付ける、好きなおやつを用意するなど、やる気が続く工夫をしてください。

初学者だからこそ、教える側も下調べを

考え方を身に付けるのに時間がかかる算数・国語は毎日、理科・社会は週に1~2回ずつは学習させましょう。

算数は1問1問、一緒に図を描きながら丁寧に教えてください。考えるのが楽しくなるようなパズル的な問題、原理原則を扱った良問に絞ることがポイントです。

国語はおろそかにされがちですが、普段活字と接していないため、文章を「読めない」子が増えています。お子さまが興味を持ちそうな内容の短い文章を選び、交代で音読する、文章の内容を絵に描くなど、時間をかけて読む力を引き出してあげてください。

学習習慣を付けるには、早い段階で「勉強って面白い!」と感じさせることがいちばん。そのためには、教える側にも下調べが欠かせません。全教科を教えるのは大変ですから、家庭教師や得意なかたに頼んでもかまいませんが、お子さまと学ぶ楽しさを再確認するのも、今しかできない中学受験の醍醐味(だいごみ)かもしれませんね。

(筆者:森上展安)

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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