小学生の習い事に人気の「武道」7選。それぞれの特徴やメリット、注意点、費用を種類別に徹底解説!
- 習い事
小学生の習い事として年々人気が高まっている「武道」。しかし「武道」と一言でいっても、種類は様々で、一体何を習わせたらいいのかと悩む保護者も多いのではないでしょうか?
そこで、それぞれの「武道」の違いやメリット、おすすめする子どものタイプなどを解説します。
子どもに「武道」を習わせるメリットとは?
子どもの習い事も多様化する中で、礼儀作法や精神力など様々なことを身につけられるという理由から「武道」を検討しているご家庭も多いのではないでしょうか。まずは「武道」を習わせるメリットについてご紹介しましょう。
礼儀礼節が身につく
「武道」において最も重要視されているのが礼儀・礼節です。「礼に始まり礼に終わる」という言葉の通り、「お願いします」「ありがとうございました」など挨拶や感謝の気持ちを伝えることを大切にしています。技術を磨くだけでなく、礼儀作法を学ぶことができるのが一番のメリットです。
精神的な強さや忍耐力が鍛えられる
日本など伝統的な武術から発展した「武道」は、身体を鍛えるとともに心も磨くことを目的としているので、他の習い事では得られない精神的強さを養うことができます。「技」を繰り返し練習することで身につく忍耐強さや折れない心も、勉強や日常生活などの様々な局面で役立つでしょう。
姿勢や体幹がよくなる
最近は、スマホやゲームの時間が長くなったことで猫背の子どもが増えていますが、「武道」の稽古では、まず姿勢や立ち振る舞いから指導されます。日々の練習を通して体幹が鍛えられるので、自然と姿勢もよくなるでしょう。
集中力がつく
相手と一対一で戦う「武道」は一瞬の隙が勝敗を決めるため、少しも気を抜くことができません。つねに緊張感をもって真剣に取り組むことで、集中力が鍛えられるでしょう。
- 礼儀・礼節が身につく
- 精神的な強さや忍耐力が鍛えられる
- 姿勢や体幹がよくなる
- 集中力がつく
「武道」を習わせる前に知っておきたいデメリットや注意点とは?
たくさんのメリットを紹介しましたが、子供に「武道」を習わせる上で注意しておくべき点もあります。
怪我のリスクがゼロではない
身体を使ってスポーツを行う以上、怪我のリスクがゼロではありません。特に「武道」においては、ちょっとした気のゆるみが、大きな怪我につながる可能性があります。指導者は細心の注意を払ってくれるはずですが、子供にも怪我の危険性についてしっかりと伝えることが必要です。
道具や道着の管理が大変
「武道」の稽古で着用する道着は、他のスポーツのユニフォームよりも分厚いものが多いため、洗濯の際の手間がかかったり、管理にも場所をとってしまいます。また、剣道では竹刀やはかま、防具なども必要になるため、初期コストがかかることも覚えておきましょう。
チームプレイではない
サッカーや野球などのスポーツとは違い、「武道」はチームプレイではありません。そのため、たくさんの仲間と協力し合うことの大切さ、楽しさなどは感じづらいかもしれません。その分、自分と向き合い、より強い精神力が育まれるでしょう。
- 種類によっては怪我のリスクがある
- 道具や道着の管理が大変
- チームプレイは身につきづらい
おすすめ「武道」7選!それぞれの特徴や費用は?
「武道」には様々な種類があります。子供の習い事としておすすめの「武道」とその特徴、費用の相場を順番に紹介していきましょう。お子さんに合ったものをぜひ検討してみてください。
※費用相場は当サイト調べ
【柔道】強い体と優しい心が身につく
柔道とはこんな武道
柔道は、1882年に日本古来の武術「柔術」から生まれました。戦う技術であった「柔術」を、「柔道」へと進化させて教え始めたのが嘉納治五郎氏です。柔道の基本精神は「精力善用自他共栄」です。相手を投げたり抑えたりして相手を制するだけではありません。「柔よく剛を制す」という自分のもっている力を有効に活用することを学び、自分だけでなく周りの人たちと共に向上していくという心を育てることができます。
全日本柔道連盟 https://www.judo.or.jp/
柔道の特徴と、習うことのメリット
受身はけが防止に役立つ
投げられても受身を取ればけがをしません。柔道は危険に見えますが、実は安全な運動です。前、後ろ、横、たとえ飛ばされても、受身を取ることで安全に倒れたり転んだりすることができます。受身は柔道の場面だけでなく、生活の中でも役に立ちます。
稽古を通して心身が強くなる
相手と組んで技をかけ合い、投げたり投げられたりする練習を行います。全身をくまなく使うので肉体的にはハードですが、自然に筋力と体幹が鍛えられ、バランス感覚や柔軟性も身につきます。毎日の稽古を通して、忍耐力もつき精神的にも強くなります。
思いやりの心が身につく
柔道は相手がいて初めて成立します。「投げられるのは痛いけれど、自分が投げられることで相手が技を覚えられるのだから、潔(いさぎよ)く投げられよう」、「自分が技を覚えるために投げられてくれるのだから、相手がけがをしないように気を付けよう」といつでも相手を尊重し、敬意を払うことで自然と思いやりの心が身につきます。
費用相場:
月謝 1,000円~5,000円
柔道着 10,000円程度
- 受身はけが防止に役立つ
- 稽古を通して心身が強くなる
- 思いやりの心が身につく
【剣道】稽古によって心身を鍛錬し人間形成を目指す
剣道とはこんな武道
剣道は剣道具を着用し、竹刀を使って一対一で打突し合う運動競技種目とみられますが、稽古を続けることによって心身を鍛錬し人間形成を目指す「武道」です。剣道の歴史は日本刀の出現まで遡り、江戸時代に定着した竹刀で行う剣術の稽古を直接の起源としています。
全日本剣道連盟 https://www.kendo.or.jp/
剣道の特徴と習うことのメリット
瞬時の判断力がつく
剣道は、相手と対峙しながら一瞬の隙をついて技を決める競技です。頭をフル回転させて相手の動きを読み、ゼロコンマ何秒かの瞬時の判断が必要となるので、集中力や決断力も磨かれます。
反射神経や動体視力が向上する
相手の動きに対し、素早く次の一手を打たなければいけない剣道は、反射神経や動体視力を高める効果があります。また、剣道は姿勢が大切です。基本である素振りを繰り返すことで、姿勢も良くなります。
剣道具は定期的に手入れを
大量の汗をかいた後など、臭いが気になる場合は、専用の消臭スプレーなどで定期的にお手入れをしてあげましょう。
費用相場:
月謝 3,000円~5,000円
剣道具一式 30,000円程度
剣道着 6,000円程度
竹刀 1,200~2,000円
- 瞬時の判断力がつく
- 反射神経や動体視力が向上する
- 剣道具は定期的に手入れを
【空手】昇級することが大きな自信になる
空手とはこんな武道
空手は琉球王国時代の沖縄で発祥し、「手(テー)」と呼ばれる琉球挙法に中国の武術の影響が加わって発展したと考えられています。様々な種類と流派があり、オリンピック種目となった「伝統派空手」と「フルコンタクト空手」に大きく分かれます。
伝統派空手の四大流派は、松濤館流、剛柔流、糸東流、和道流。フルコンタクト空手で有名なのは、極真会館、正道会館、芦原会館、士道館です。
空手の特徴と習うことのメリット
集団練習で協調性が養われる
空手には、一人で演武する「形」と相手と技をかけ合う「組手」があり、基本的には「形」と「組手」を繰り返し練習します。集団で基本の稽古を行うことが多いので、自然と協調性や社会性が身につくでしょう。
目的を目指して頑張る心が身につく
最初は「白帯」からスタートしますが、級位や段位が上がると帯の色も変わっていきます。昇級審査を目指すことでモチベーションも高まり、目標を達成した時には大きな自信へとつながるでしょう。
流派によって考え方が異なる
空手は流派によって、考え方やルールも違います。主に、「寸止め」を基本とする伝統派空手と直接打撃を認めるフルコンタクト空手があるので、まずは空手教室で体験してみるのもいいでしょう。
費用相場:
月謝 5,000円~8,000円
道着 10,000円程度
帯 1,000円程度
手足のサポーター 4,000~6,000円
- ・集団練習で協調性が養われる
- ・目的を目指して頑張る心が身につく
- ・流派によって考え方が異なる
【合気道】勝敗を競わず、稽古を通じてお互いに成長する
合気道とはこんな武道
合気道は、開祖・植芝盛平が日本の伝統武術、さらに精神的な修業を経て創始した現代武道です。稽古を通じて、心身を鍛錬し自分を高めていくことを目的としているため、試合や競技はなく、勝敗を競うことはありません。「和合の武道」「調和の武道」と表現されることもあり、男女ともに子供から高齢者まで幅広い年齢層に愛好されています。現在国内2,400の登録道場、世界140の国と地域に広がっており、それらを統括し、合気道を普及・振興する中心・基点となる組織が公益財団法人合気会です。
公益財団法人合気会 http://www.aikikai.or.jp/index.html
合気道の特徴と習うことのメリット
ケガをしない、ケガをさせない
合気道は勝敗を争うものではないため、無理やり技をかけたり、相手がかける技を無理にこらえたりということはしません。そのうえで真摯な姿勢で稽古に臨めば、自然とケガをしない、ケガをさせない稽古へとなっていきます。
自主性が身につく
合気道は自分自身の身体と心を鍛錬することを目的とし、技の稽古が中心になります。「試合に勝つ」というようなわかりやすい目標がないぶん、自分で着実な目標を立てることで自主性が生まれます。
バランスのとれた人間性が養われる
独りよがりな取り組み方では技を正確に稽古することはできません。相手の特徴、習熟度や体格などに応じて、お互いの力がぶつかりあわないように、無理のない稽古が求められます。そういった稽古を様々な相手と積み重ねていく中で、バランスのとれた人間性、人を敬う気持ち、自分の感情をコントロールする力が養われていきます。
費用相場:
入会費 8000円程度
月会費 2000円~5000円
※道場によって変動しますので詳しくは各道場にご確認ください。
- ケガをしない、ケガをさせない
- 自主性が身につく
- バランスのとれた人間性が養われる
【少林寺拳法】心と身体をバランスよく養う護身術
少林寺拳法とはこんな武道
少林寺拳法は、中国の少林拳と混同されることも多いのですが、護身術を基本とした日本発祥の武道です。1947年に、宗道臣が自身の経験した中国挙法をもとに、香川県多度津町で創始しました。「人づくりの行」といわれ、身体と心をバランスよく養いながら、修行を通して社会に役立つ人づくりを目指しています。
稽古の際は白色の道着を着用しますが、胸に統一のロゴマークをつけているのが特徴です。
少林寺拳法グループは、宗教法人金剛禅総本山少林寺、一般財団法人少林寺拳法連盟、学校法人禅林学園、少林寺拳法世界連合(WSKO)、SHORINJI KEMPO UNITY、の5つの組織から構成されています。
少林寺拳法の特徴と習うことのメリット
特別な運動神経や能力は必要ない
少林寺拳法は相手を倒すことが目的ではなく、自分の身を守って相手を抑える護身術です。護身の場面を想定した様々な技法があり、そもそもの運動神経や能力は必要ありません。体格や力の強さも関係なく技を習得することができます。
強い精神力の鍛錬ができる
正しい言葉遣いで話す、相手を敬う、清潔な身なりをするなど、規律正しく礼節を学ぶことが求められるため、精神的にも成長するでしょう。他人と競うのではなく、自分自身と向き合うことで、精神を自己鍛錬することができます。ので集中力も高まります。
試合がないので物足りなさを感じる場合も
合気道と同じように、勝ち負けを決める試合がないので楽しんで学べる一方、子供の性格によっては物足りなさを感じることもあるでしょう。基本的には、昇級・昇段試験を目指すことになります。
費用相場:
入会費 3,000円
月会費 4,000円
道着 5,000~20,000円程度
- ・特別な運動神経や能力は必要ない
- ・強い精神力の鍛錬ができる
- ・試合がないので物足りなさを感じる場合も
【ボクシング】全身の運動能力と集中力が向上する
ボクシングとはこんな武道
ボクシングは、グローブを着用しパンチで攻撃するスポーツ。接触も多いため「怖い」「危険」との印象をお持ちのかたもいるかもしれませんが、ヘッドギアの着用が義務付けられていたり、体重別に階級があったりするなど危険を回避するための厳密なルールが定められています。
ボクシングの特徴と習うことのメリット
全身の運動能力が高まる
ボクシングは全身運動となるため、全身の運動能力をバランスよく高めていくことができます。体力だけでなく、スタミナもつくため、疲れにくい体も手に入れることが可能。勉強も運動も学校外活動も、何事にも全力投球できる土台が整うと言えるでしょう。
ストレスを発散できる
運動量の多いボクシングで汗をかいたり、パンチをしたりすることは、ストレス解消にも大きな効果があります。勉強や塾、友人関係など、小学生も日々ストレスを抱えていることも多いもの。ボクシングでストレスを発散することで、良い気分転換となり、心の状態を良好に保てるでしょう。
集中力と瞬発力が高まる
相手の動きを把握し防御しながら、タイミングを逃さずに攻撃をしかけるというボクシングには、高い集中力と瞬発力が求められます。動体視力や反射神経も同時に鍛えられるでしょう。集中力を身につけることで、勉強面においても成果を出しやすくなるはずです。
費用相場:
月謝 5,000円〜10,000円
グローブ 5,000円程度
- 全身の運動能力が高まる
- ストレスを発散できる
- 集中力と瞬発力が高まる
【レスリング】体格に関係なく活躍できる
レスリングとはこんな武道
レスリングは、素手で争い、相手の両肩を同時に1秒間マットにつける(フォール)と勝ちとなる競技。フォールしなかった場合は、得点が多い方が勝ちとなります。日本はレスリングが強く、オリンピックでも数多くのメダルを獲得しています。
レスリングの特徴と習うことのメリット
体幹が強くなる
レスリングは、相手に押されたり引かれたりしても倒れないようにすることが求められる競技。そのため、体幹が強くなり、バランス感覚も鍛えられます。体幹強化は、全ての運動の基本。レスリングを行うことで、他のスポーツでも力を発揮しやすくなります。
けがのリスクが小さく、けが防止にも役立つ
レスリングは、タックルや投技でフォールを狙う競技でパンチやキックはできません。そのため、パンチやキックのある競技に比べてけがのリスクも少ないといえます。
また、受身の練習も多くするので、けがを自ら回避していけるようになります。
体格に関係なく活躍できる
レスリングは、体重別に階級がわけられています。そのため、体格差によって不利となることがありません。「体が小さいから武道は心配……」というお子さまにもおすすめできる競技です。
費用相場:
月謝 5,000円〜10,000円
シューズ 5,000円程度
- 体幹が強くなる
- けがのリスクが小さく、けが防止にも役立つ
- 体格に関係なく活躍できる
まとめ & 実践 TIPS
子供の習い事としておすすめの「武道」を7つ紹介しました。それぞれの特徴があるので、実際にどんな稽古をするのか、お子さんに合っているのか、始める前に近所の教室に見学に行ってみるとよいでしょう。
出典
講道館 http://kodokanjudoinstitute.org/
柔道チャンネル https://www.judo-ch.jp/
全日本剣道連盟 https://www.kendo.or.jp/
笹川スポーツ財団 https://www.ssf.or.jp/index.html
全日本合気道連盟 https://jafaikido.jp/
公益財団法人合気会 http://www.aikikai.or.jp/index.html
少林寺拳法公式サイト https://www.shorinjikempo.or.jp/
日本ボクシング連盟 https://jabf-revival.com/junior/
全国少年少女レスリング連盟 https://kidswrestling.jp/
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