【医師監修】子どもの夜泣きはいつからいつまで?家族で乗り越える対策は

夜になると決まって赤ちゃんが泣きだし、なかなか泣き止まない。そんな夜泣きが毎日のように続き、睡眠を妨げられるのは辛いもの。夜泣きは、いつからいつまで続くのか、よい対処法は何か、小児科医の山中岳先生の監修のもと、解説します。また保護者のかたの体験談も掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

夜泣きはいつから始まる?

夜泣きは昼夜の区別がつくようになる、生後5~6カ月ごろから始まるといわれています。
保護者のかた408名に回答いただいたアンケートでも、「生後6か月から夜泣きが始まった」という回答が最も多い結果になりました。
とはいえその月齢になる前から、夜中に赤ちゃんが泣くことは珍しくありませんね。赤ちゃんは新生児から数か月間、体内時計が未熟で生活リズムを把握できていないため数時間置きに泣きますが、これは夜泣きではないのです。

授乳の間隔があき、夜まとまって寝てくれるようになった生後5~6カ月ごろになってから、急に夜中に泣き出す現象が見られたら、それが夜泣きです。

夜泣きはいつまで続く?

夜泣きは1歳を過ぎるころから徐々に落ち着く子が増えてきますが、アンケート結果からも、夜泣きが収まる時期についてはばらつきがあることがわかります。
2歳過ぎまで続く子もいれば、一度なくなったのにまた再発する子もおり、落ち着く時期には個人差があります。

  • 夜泣きが始まるのは生後5~6カ月ごろから
  • 新生児から数か月は夜泣きとはいわない
  • 夜泣きが落ち着く時期には個人差がある

※2023年10月に行った「保護者の方向けアンケート」(408人回答)に寄せられた体験談より作成

夜泣きの原因ははっきりわかっていない

実は夜泣きのはっきりとした原因はわかっていませんが、睡眠と覚醒のリズムがまだうまくいっていないことが原因の一つと考えられています。しかし昼間にいつもよりたくさん遊んだり、慣れないことを経験したりして興奮すると、それが夜泣きにつながることがあるようです。暑い、寒い、オムツが汚れたり蒸れたりしているというような不快感から泣き出すこともあります。

だからといって、昼間できるだけおとなしく刺激を与えないように過ごそうと考えるのは避けたほうがよいでしょう。興奮や刺激、また適度のストレスは赤ちゃんが成長するうえで必要なものですし、一日中部屋の中に閉じこもっていたら健康を妨げてしまう可能性もあります。またとくに何事もなくいつもと同じように生活した日でも、夜泣きは起こるのです。

夜泣きは保護者の接し方や育児方法によって起こるものでもありません。夜泣きが落ち着かないからといって、自分を責めたり自信を失ったりする必要はないのです。

  • 不快感や昼間の興奮が関係している可能性
  • とくに何事もない日でも夜泣きは起こる
  • 接し方や育児方法で起こるものではない

乗り切るためのポイントと対策

きちんとした原因が不明なこともあり明確な対処法もないとされる夜泣きですが、生活のリズムを意識して可能な限り決まった時間に散歩や入浴をするなど、規則正しい生活を心掛けることで、夜泣きの頻度を減らせることがあります。昼間は元気に過ごして、夜はゆっくりとした気分で過ごすというメリハリをつけた毎日を過ごすように心がけましょう。また室温や明るさなど、赤ちゃんが夜ぐっすり眠れる環境を整えることも大切です。

しかしどんなにきちんと対策をしたとしても、夜泣きがなくならないことも多いでしょう。泣き止まない時には、体を密着させるように抱っこしてしばらく歩いたり授乳をしたりしてまずは赤ちゃんを安心させてあげましょう。部屋を明るくする、外の空気に当たる、音楽を聴かせるといった方法も効果的です。

  • 生活のリズムを意識してみる
  • 外の空気に当たる
  • 音楽を聴かせてみる

【先輩パパママ体験談】夜泣き対策でしたことやストレスを軽減するアイデア

先輩保護者に、夜泣きへの対応として実践していたことを聞いたところ、上記の結果になりました。
他にも、「歌を歌う、音楽をかける。お気に入りのぬいぐるみや毛布を渡す。水を飲ませて一度起こす」(静岡県)、「夜中に車に乗せて近くをドライブする。」(神奈川県)等をしていたという意見も。

また、夜泣き対応が大変な時期を乗り越えるために行っていた対策や、ストレス軽減法もお聞きしました。

夫婦で協力して対応

オムツやミルクは時間を調整し、それ以外で起きたら夫婦交代で起きて対応しました。また、すぐに抱っこせずに背中をトントンして様子を見て、寝ながらぎゅっと抱きしめるなど赤ちゃんが安心できて、かつ親が負担にならない方法を工夫しました。(福島県)

産後の体力回復と夜間授乳に専念。夜泣き担当は夫にお願いしました。夫は育休を取ってくれていたので、日中のお昼寝時間等に少し休んでもらいました。(栃木県)

夫がいる時は、夫が必ず夜泣き対応してくれました。夫は仕事が忙しく泊まり勤務もあって留守がちだったので孤独感がありましたが、いるときは夜はできるだけ夜泣き対応してくれることで、体力的にだけでなく精神的に救われました。(福岡県)

「無理しない」を意識

寝られるときは家事など無理せず一緒に寝る、気持ちがいっぱいいっぱいになったら(子供の安全はもちろん確保して)一旦子供と離れる、など頑張りすぎないようにしました。(長野県)

ネットで同じように夜泣きで悩んでいる人の掲示板などを見て、「つらいのは私だけじゃないんだ」と元気をもらっていました。そして、「いつかは必ず終わる日がくる」と耐えました。寝不足は絶対ダメなので、子どもと一緒に昼寝してしまえばいいと思います。(愛知県)

ストレスを溜めないようリフレッシュ

夫の帰りが遅くてほぼワンオペだったので思い切って車に乗せてカフェのドライブスルーへ!日中のんびりできないけど車の中で飲みたかった新作を飲んでリラックス&自分へのご褒美を。(茨城県)

夫が仕事で帰りが遅いため、ワンオペでした。オルゴールや音楽を流し、自分も歌いながら抱っこして家中を歩き回り、ストレスをできるだけためないよう心がけていました。(福岡県)

毎晩のように夜泣きに付き添う保護者のかたも心身ともに疲れてしまいますよね。昼間赤ちゃんが眠っている時に一緒にお昼寝したり、家族で対応を分担したりすることで睡眠時間を確保できるとよいですね。

まとめ & 実践 TIPS

夜泣きは、2歳半くらいには減っていることが多いですが、夜泣きをする我が子を見て、この状況がいつまで続くのか不安になる保護者のかたも少なくありません。しかし夜泣きはいつか終わります。先が見えず辛くなったら、家族や友人などに話を聞いてもらうことで、気持ちが少し楽になるかもしれません。

夜泣きの時期を乗り越えるためには、保護者自身の精神的ケアと睡眠時間の確保が大切です。相談できる人がいなかったり、家族の協力を得るのが困難だったりする場合には、相談窓口などを利用してみるのも一つの手です。一人で抱え込まず、周りの協力を得ながらこの時期を乗り越えましょう。


出典:厚生労働省『お母さんと子どものコミュニケーションのために』
URL:http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/mama_communi.pdf

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プロフィール



子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さんの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

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