生活科学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は「生活科学」を取りあげます。
生活科学とは?
「生活科学」とは、より快適な人間生活をめざし、人間生活をさまざまな視点から分析、研究する学問です。古くは「家政学」と呼ばれていた学問ですが、研究すべき対象は家や家庭そのものだけでなく、社会や地域とのかかわりも含まれているため、現在の呼び方になりました。
生活科学ではどんなことを勉強する?
家庭生活の中での家族関係、外部と家族との関係、衣食住を含めた生活環境、さらにその環境を取り巻く大きな枠組みでの環境(社会環境)など、研究すべき視点は山のようにあり、より広い視野が必要です。
もちろん、ゴミ問題、生活排水の問題など、日々の生活に密着した問題点の解決策を追究するのも生活科学の大きな課題のひとつです。家族は社会を構成する小さな単位ではありますが、環境に与える影響は大きく、地球が抱える問題の大きなカギを握っているともいえます。
生活科学の講義はどのように設定されているか
基本的な科目として、食物学、被服学、住居学、児童学、生活経営学、家族関係論、家庭看護学、被服材料学などを履修します。
たとえば、「生活経営学」では、家庭を企業・会社のような経営母体に置き換えてお金の流れを考え、「家族関係論」では、戸籍制度から家族形態の変化を探るといった歴史的な観点でも家族を分析していきます。実習が多く、衣類の作製や調理法の研究も行います。
大学によって、食物系、被服系、住居系などの専攻・コースに分かれるタイミングが異なることも多いようです。また、専攻やコースに人数制限があり自分の望む研究ができない可能性もあるので、事前に確認しておく必要があります。
生活科学を学んだ人々の卒業後の進路
一般企業に就職する人もたくさんいますが、消費生活アドバイザーや衣料管理士などの資格を取得したあと、専門的な職業に進む人も目立ちます。流通、出版、情報など、家庭生活に関連のある分野は非常に多く、さまざまな方面での活躍が期待されるでしょう。大学院で研究を続ける、中学校、高校の教員になるなどの選択肢もあります。