成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方4「まちがいは消さない」

「問題復習ノート」の作り方を紹介する4回目は、ポイント4「まちがいは消さない」です。間違いはなかったことにしたい……、大人でもそう思うことがあります。しかし、間違えた答えを消して正しい答えを書いても、その問題を正解したことにはなりませんし、理解したことにもなりません。間違えたままにしてしまうだけです。

間違えた問題は自分の「のびしろ」

以前、中学受験を目指す小学生を取材した際、ノートに答えを写して丸をつける子たちがいました。彼らにとっては、多くの問題を解くことが面倒臭いということもあるのですが、それ以上に間違えてしまうこと、またそのことで親御さんから「こんな問題もできないの?」と叱られることがプレッシャーになっていました。
答えを写して丸をつける。意味のない作業です。でも、そこに考えが至らないくらい「間違える」ことがいけないことであり、嫌なことだと感じているのでした。
確かに、せっかく解いた問題にバツをつけたり、赤字で訂正ばかり書いたりすることは楽しくないですよね。自信はなくなり、やる気が失せてしまうこともあるでしょう。
しかし、間違えることは恥ずかしいことではありません。自分の実力を正確に把握することは大切なこと。その間違えた問題こそが、いつか克服しなくてはいけない弱点。その問題ができるようになれば必ず成績は上がるのです。
今はできなくてもいい。次の試験までに、志望校の受験当日までにできるようになっていればいいのです。

間違いは分析してこそ役に立つ

では、「まちがいは消さない」でどうしたらよいのかをお話ししていきます。テストの答案でも問題集を解いたノートでも、間違えた場合は、答えを消して正しい答えを書くのではなく、間違えた答えはそのままに、その横に正しい答えを書いてほしいのです。それから「問題復習ノート」を開いてください。
「問題復習ノート」に間違えた問題を転記したり、コピーをして貼ったりしたあとは、どうして間違えたのか、自分の答えと模範解答などを比べながらじっくり分析をしてください。間違いを消してしまうと、この分析ができなくなってしまうのです。
単なるケアレスミスなのか、計算ミスなのか、暗記ができていなかったのか。それとも考え方自体を間違えていたのか、全く理解できていなかったからなのか。
その分析した結果も「問題復習ノート」に書き記しておいてください。
このように、「問題復習ノート」に、間違えた原因を書いていくと、徐々に自分の弱点がクリアになってきます。
ケアレスミスばかりであれば、「落ち着いて問題に取り組もう」とか「試験の時間配分をやり直してみよう」と思うかもしれない。暗記が甘いのであれば、暗記の時間を増やしたり、暗記のやり方自体を変えたりすることができるかもしれない。また、理解できていない問題が多い分野は、苦手分野としてもう一度最初から洗い直しが必要になるかもしれない。
何が原因で間違えたのかがわかれば、成績を上げるためには次にどんな勉強をすべきなのかが自分でわかるようになってくるのです。

受験生にとって「問題復習ノート」は勝負ノートに

「問題復習ノート」は、みなさんに作ってもらいたいノートではあるのですが、受験生には特におすすめです。
東大生も受験時代には、「問題復習ノート」を作っていました。何度覚えても忘れてしまう用語やミスを繰り返してしまう問題など、克服すべき問題を書き留め、何度も何度も見直していました。
東大生が「問題復習ノート」を作っていたのは、勉強の効率化に役立つから。「問題復習ノート」に覚えるべき必要な知識を一元化し、教科書などほかの教材を見なくてもすむようにしている人もいました。ある人は、既にマスターした部分を省いて、弱点だけを書き出している人もいました。また、数学が苦手な人は、数学の解答には、模範解答を丸写しするのではなく、次に同じ問題に出合ったときに再現できるように自分なりの解答を作り込んでいる人もいました。

そして彼らは、このノートを「勝負ノート」として試験会場に持って行っていました。

東大生の勝負ノート。数学の本番力を磨いた演習系「問題復習ノート」。解答を丸写しせず、自分が解ける解法を書いた。『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』(文藝春秋)より

「どんなに準備をしても試験当日は焦るんです。一つ確認するとそこから別の疑問が出てきて、それが試験直前まで続く。そんなとき、自分で書いたノートだと確認しやすいように書いてあるのですごく助かりました」
また、合格するために、何度も見直してきた「問題復習ノート」は、努力の結晶でもありました。試験会場でノートを開くと「自分はこれだけやってきたんだ。大丈夫」と思うことができ、落ち着いて試験に取り組むことができたと話す東大生は多かったです。

東大生の勝負ノート。フランス語の公文を覚えるために書いた暗記系「問題復習ノート」。左ページに日本語、右ページに仏文が書かれている。『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』(文藝春秋)より

「問題復習ノート」は、受験生にとって、勉強を効率的に進めるために必要なノートであり、また、受験当日は、心を落ち着けてくれるお守りノートにもなるのです。

ぜひ、みなさんも「どんな問題でもこい!」と胸を張って試験に臨める「問題復習ノート」を作ってくださいね。

■書籍紹介



『東大合格生の秘密の「勝負ノート」』(文藝春秋)

著者:太田あや

プロフィール

太田あや

太田あや

フリーライター。株式会社ベネッセコーポレーションで進研ゼミの編集に携わったあと、フリーランスに。教育分野を中心に執筆・講演活動を行なっている。『東大合格生のノートはかならず美しい』(文藝春秋)シリーズは、累計50万部突破のベストセラーに。ほかに『非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと』(小学館)などがある。

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