降園後、年少の子が家で荒れて困ります【前編】[教えて!親野先生]

「近所に気軽に遊べる友達もおらず、それが寂しいのかもしれませんが」とのことですが、このくらいの年代では、半日以上幼稚園で過ごして降園したあとも友達と活発に遊べる子ばかりではないと思います。
というのも、年少児は体力がまだ十分でないからです。
降園後は家で過ごす子も多いと思います。
この子は幼稚園にいる時活発だとのことなので、そこで体力をかなり使っていると思います。
とはいっても、子どもによりけりで一概には言えません。
幼稚園で活発に遊んで、降園後も友達と活発に遊ぶという子ももちろんいますから。

もしかしたら、この子は、幼稚園で半日以上もみんなと過ごしたあとなので疲れやストレスを感じているのかもしれません。
幼稚園という大勢の集団の中で過ごす時、子どもは子どもなりにかなり神経を使っています。
自己中心的な子、強い子、乱暴な子、自分と馬の合わない子など、いろいろな子どもたちの中で過ごすわけですから。
それは、かなりのストレスになっていると思います。
その疲れやストレスが、家で荒れる原因になっているということも十分考えられます。


幼稚園にいる時にお昼寝をするかしないかでも、子どもの疲れはかなり違うでしょう。

また、その時間の長短によっても違うと思います。
ですから、試しに家に帰ってきてから昼寝をさせてみるのもいいかもしれません。
それで疲れが取れれば、今のような荒れがなくなるかもしれません。
そのようにしている家庭もけっこうあるようです。
ただ、それによって夜寝るのが遅くなる子もいます。
でも、とくに影響されない子もいます。
この子に合うかどうかはやってみないとわかりません。
試しにやってみるといいと思います。

もしかしたら、この子は「ママともっと遊びたい」「ママにもっと相手をしてもらいたい」と思っているのかもしれません。
幼稚園の集団の中だと、先生と話をしたいと思っても自分だけで独占するわけにはいきません。
それが欲求不満になっている子もかなりいます。
この子も、大人にもっとかまってもらいたいという気持ちを持っているのかもしれません。
幼稚園の先生は仕方がないけど、自分の家の自分のお母さんにはもっと正面から向き合ってかまってもらいたいと思っているのかもしれません。
でも、お母さんのほうは「家事もあるし『一人で遊んでほしいな』と途中でイライラしてしまいます」ということなので、そこが満たされていないのかもしれません。

もしそうだとしたら、ここは覚悟を決めて、たっぷり正面から向き合って子どもの相手をしてやるといいと思います。
もちろん、親のほうも、家事やその他いろいろとやらなければならないことはあると思います。
でも、もし子どもにこのような気持ちがあるとしたら、その他のもろもろのことよりもこちらを優先したほうがいいと思います。
なんといっても、子どもの満たされない気持ちを満たしてやることは何よりも大切ですから。
「ママとたくさん遊んで楽しい。ママに甘えられてうれしい」そう思えるようにしてやることはとても大切です。
それが、親の愛情を実感することであり、「自分は受け入れられている」「自分は存在していいんだ」と実感することでもあるのです。
それは、いわゆる「甘やかし」では決してありません。
それは、甘えさせてやることなのです。
ぜひ、上手にたっぷり甘えさせてやってください。
それによって、子どもの情緒は安定するのです。
十分気持ちが満たされて情緒が安定してくれば、今よりも一人で落ち着いて遊べる時間が増えるかもしれません。



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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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