子どもに対し、イライラして怒鳴ってしまいます【後編】[教えて!親野先生]
- 教育
小学1年生の娘に対して、完璧を求めてしまいます。宿題のマル付けを毎日するので、子どもがどのくらい勉強を理解しているかよく見えます。それが、前に終わっているはずの内容がわかっていなかったりすると、とてもイライラしてつい怒鳴ってしまいます。そして、課題が終わったあとも徹底的に追加の問題を出し、それがわからないと気が済まなくなります。頭では「今日こそは怒らずに」「勉強が嫌いにならないように」と毎日思っているのですが……。この子なりのペースや個性があるのだと頭ではわかっていても、「他の子はすらすらできているんじゃないか」と思うときつくあたってしまいます。習い事でも、友達に追い越されるのが嫌で厳しく教えてしまいます。私自身の勝手なエゴであることも、子どもによくないことも頭ではわかっていても、こんな自分をどうコントロールしていいかわからず悩んでいます。(そら さん)
【親野先生のアドバイス】
前回に引き続き、そらさんへのアドバイスです。
さて、長々と私の経験を書いてきました。
それは、そらさんの姿が私自身の姿とダブるからです。
そらさんは、「頭ではわかっていても、こんな自分をどうコントロールしていいかわからず、悩んでいます」と書いています。
これは、私とまったく同じです。
そして、多くの人の姿でもあります。
私の経験からはっきり言わせてもらいます。
なぜ、変えられないかというと、それは本当に心からわかっていないからなのです。
その行為のもたらす結果がどのようなものか、それがはっきりわかっていないからできないのです。
このまま子どもに対してイライラして叱ったり怒鳴ったり、自分自身の勝手なエゴで子どもによくないと頭でわかっていることをし続けていれば、その結果、どういうことになるのか?
それがはっきりわかっていないのです。
でも、このままいけば、本当につらく悲しい結果になる可能性は高いと私は思いますよ。
子どもが小さい時は、それほど結果が表れないのです。
小さい子どもは本当に無力で、親にすべてを頼らなくてはならないからです。
でも、子どもはいつまでも小さく無力でいるわけではありません。
成長して力がついてくるにつれて、結果が表れてくるのです。
それは必ず表れます。
今の毎日の生活の中で、親の一言一言、一つひとつの振る舞い、それらが親子関係をつくっているのです。
今の毎日の生活の中で、親が種をまいているのです。
子どもが種をまくのではなく、すべての種は親がまいているのです。
それがどんな種だったか?
プロフィール
- 親野智可等
- 教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。