総合学科とは? 普通科などとの違いやメリット・注意点

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高校入試の際の志望校選びでは、どの学科を選択するのかも大切になってきますね。どの学科もなんとなく名称でイメージできるけれど、「総合学科って何?」という人も少なくないのでは。そこで総合学科とはどんなところで、ほかの学科とはどのような違いがあるのかをご紹介します。

この記事のポイント

高校にはどんな学科があるの?

高校にはさまざまな学科がありますが、大きく分けると3つに区分されます。

まず一つ目は普通教育を主とする「普通科」です。中学までと同じような教科の学習時間が多く、進学を目指す学生向けのカリキュラムが組まれています。

二つ目は各分野の専門知識や技術を学ぶことができる「専門学科」です。農業科、工業科、水産科、家庭科、看護科、情報科、福祉科、理数科、体育科、音楽科、美術科、外国語科、国際関係科など、さまざまな学科があります。

そして三つ目が普通科と専門学科の要素を合わせ持つ「総合学科」です。

  • 普通教育を主とする「普通科」
  • 専門的は知識を学べる「専門学科」
  • 両方の要素を併せ持つ「総合学科」

総合学科ってどんなところ?

総合学科は、普通科と専門学科に並ぶ第三の学科として、1994年(平成6年)から導入されました。総合学科では高校で必修とされている科目や、総合学科で履修しなければいけない科目のほかに、総合選択科目や自由選択科目といった普通科では学ぶことのできない科目を自由に選んで学ぶことができます。

幅広い選択科目があり、その中から興味のあるものや将来の進路に沿ったものを選択して自分で時間割を作成できるのも、総合学科の特徴の一つです。原則として必要な単位を履修すると卒業できる単位制で、1年生は必修科目を中心に学び、2年生からは選択科目を中心に学んでいきます。

総合学科では原則として、卒業までに必要な単位を修得すれば卒業が認定される「単位制」によってカリキュラムが編成されています。また、入学年次に「産業社会と人間」という科目を原則履修し、自分の将来の生き方や働き方など進路について考えていきます。社会人や卒業生による講演をはじめ、職業に関する知識の習得、大学・専門学校等進学先の見学など幅広い教育活動が行われていますが、高校によっても異なりますので、総合学科を志望する場合には将来を考えるためにどんな取り組みをしているかを説明会などでしっかり聞いておきましょう。

  • 総合学科は1994年から導入された
  • 単位制を活用して、総合選択科目や自由選択科目を学べる
  • 好きな科目を自分で選んで時間割を作れる
  • 「産業社会と人間」を原則履修し、将来を考える

総合学科のメリットと注意点

総合学科には必修科目以外は好きな科目を選べたり、普通科では学ぶことのできない専門知識を学べたりするといったメリットがあります。これまで決められた時間割で決められた教科を学んでいた子どもにとっては、魅力的なことも多いでしょう。

多くの高校では「情報・ビジネス」「国際・文化」「生活・福祉」などの系列が用意され、2年次以降はその系列を目安に、より自分の進路に合った学習を進めることができます。高校によって系列の内容はさまざま。どんなことが学べるのか、しっかり調べておくことが必要です。

ついメリットにばかり目を向けてしまいがちですが、注意点があることも忘れないようにしたいですね。たとえば希望する科目があっても、時間割や定員の関係で履修できないことがあります。また自分で時間割を作成するので、計画的に履修しないと大学進学に必要な科目を選択していなかったというようなミスにつながることもあるのです。

卒業後の進路は、大学進学・専門学校進学・就職などさまざま。将来を見据えて時間割を自分で組むので、卒業後のイメージもつかみやすくなっているはずです。

  • 普通科では学べない専門知識が学べる
  • 希望する教科が履修できないこともある
  • 大学進学には計画的な履修が必要

まとめ & 実践 TIPS

総合学科が導入されてから30年以上が経過し、その数は少しずつ増加しています。将来の進路選択につながる個性や適性を発見するために、さまざまな科目を学習できるのが総合学科です。メリットだけでなく注意点も考慮しながら、親子で一緒に学科選びができるとよいですね。

参考:【高校選び】総合学科の特徴と魅力

「進研ゼミ中学講座」高校入試情報担当

プロフィール


浅野剛

元大手進学塾高校入試担当部長、入試情報統括を歴任。30年以上にわたって受験指導を行い、多数の生徒を志望校に合格させてきた高校受験のエキスパート。現在は、中学生・保護者向けオンラインセミナーの講演をはじめ、中学校での進路講演なども担当。

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