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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
体の部位アドバイス - 耳・鼻・のどに関すること
プールで耳に水が入ったら、子どもは自分で水を抜くことができないのですが、中耳炎になる可能性は高いのでしょうか?
ベビースイミングに通いたいと思っているのですが、友人の子どもで中耳炎になった子がいるのでためらっています。
プールで中耳炎になる可能性は高いのでしょうか? 大人だと耳に水が入ったら自分で抜くことが可能ですが、息子はまだ話せませんので、耳に水が入った場合判断できませんので、すぐに入った水を下にして抜いてあげることができません。
2箇所の施設に見学に行ったのですが、耳栓をしている子はいませんでした。施設のかたに相談しても「それほど神経質にならないでください」と言われましたが、考えすぎなのでしょうか?
お子さんがプールをきっかけに中耳炎を起こすことはありえますが、その時点で適切な治療を行えば、後々に特に大きな問題を生じることはないと考えられます。
中耳炎は鼓膜の内側に起こる感染症ですので、鼓膜に穴があいていないのであれば、外耳道側から入ったプールの水が鼓膜を通して中耳の空間に入り込み、中耳炎を生じることは考えられません。
お友だちのお子さんが中耳炎になったのは、むしろプールの水が鼻の奥に入り込んでそこに炎症を生じ、そこから耳管を通って中耳に菌が入り込んだ可能性が高いと思われます。
したがって、ご相談のお子さんでも、同じような経過で中耳炎を起こす可能性は否定できません。
特に、風邪ぎみで鼻の奥に色のついた鼻汁がたまっているような状況では、より中耳炎を起こしやすくなっていると考えられます。
しかしながら、プールが原因で中耳炎を起こすお子さんの割合は決して高いわけではありませんし、仮に中耳炎を起こしてしまったとしても、きちんと治療すれば、後々に影響するような後遺症を生じることもまず考えられません。
まずはお子さんの鼻の状態が安定しているときに、プールを始めてみて、そのうえで中耳炎を頻発するようであればその時点でプールを中止してもよいのではないかと考えます。
なお、耳あかがたまった状態ですと、耳に入り込んだプールの水で耳あかがふやけ、そのふやけた耳あかが原因で外耳道炎を起こす可能性がありますので、プールの前に一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診して、耳あかがたまっていないかを確認してもらってください。もしたまっているようでしたら掃除を行い、また併せて鼻の状態も確認してもらってはいかがでしょうか。
また、鼓膜に穴があいていたり、チューブ留置中などの状態でなければ、さらに耳あかもきれいに掃除されているならば、プールの際に特に耳栓を使用する必要はないと考えます。