気分屋の子ども やる気が出ないとき、どんな言葉をかけると効果がある?[教えて!親野先生]
- 育児・子育て
子どもは気分屋であることが多いもの。やる気に満ち溢れたときがあると思ったら、全くやる気を見せないときもあるなど、振れ幅の大きさに戸惑ってしまうこともあるかもしれません。気分が乗らない子どものやる気スイッチを押すために、保護者はどう接すればいいのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生に伺いました。
【質問】気分屋の年長の子ども。やる気がないときにどう接したらいい?
年長の子が気分屋で困っています。家で知育玩具で遊んだり通信教材をやったりするとき、あるいは幼児教室でも、ノリノリでやるときと全然やる気が出ないときがあります。やる気がないときはどうしたらいいでしょうか?
年長 女子
バナナトマト さん
幼児期は気分屋なもの。ストレスに感じすぎなくて大丈夫
拝読しました。
お悩みはよく分かります。
幼児期の子は大体においてみんな気分屋ですからね。
親御さんとしては、まず、そのことを心に刻み込んでおく必要があると思います。
それでないと、「うちの子だけじゃないか?」と思い悩み、それが大きなストレスになって、子どもに掛ける言葉が必要以上にきついものになりかねません。
「まあ、こんなもんだ」と思っていれば気持ちが楽になります。
その上で、親としてできることをやり、同時にやってはいけないことは決してやらないようにしてください。
肯定的な言葉で子どものやる気を高めて
まず、「なんでこれをしないの。これをしなきゃダメ」などの否定的な言葉は絶対やめて、肯定的な言葉に徹することが大事です。
例えば、「がんばったね」「できたね」「すごい」「上手」「さすが」「楽しいね」「おもしろいね」「うれしいね」などです。
また、「ママもうれしい」「パパもうれしい」なども非常に効果的です。
ママやパパも喜んでくれていると知ることで、子どものやる気が大いに高まるのはよくあることです。
自尊心や挑戦意欲の刺激、選択肢の提示はやる気スイッチを押すのに効果的
「上手だね。やり方を教えて」と教えを請うと、子どもの自尊心が刺激されて、急にやる気スイッチが入ることもあります。
「ママと競争だよ」と言ってゲーム性を持たせるのも効果的です。
「これは難しいからまだちょっと無理かな」と挑戦意欲を刺激すると、俄然張り切る子もいます。
「AとBのどっちがいい?」と具体的な選択肢を示して、自分で選ばせるのもよいでしょう。
自分が選ぶという能動的な行為が、やる気スイッチを押してくれます。
周囲が楽しくやっている姿を見せることで、子どもがやる気になることもあります。
ですから、「今日はお休みにして。パパがやるところを見ていてね」と言ってみるのもいいでしょう。
無理なときは強制せず、本人が楽しめることを探して
以上の工夫をしても無理なときは、諦めが肝心です。
そこで叱ったりすると、叱られた物事自体に否定的な印象を持ってしまいます。
すると、次回にもその印象を引きずってやる気が起きないということになりかねません。
また、毎回嫌がってやる気が出ないということでしたら、そもそもそれ自体が向いていない可能性が高いと思います。
それを無理に続けさせようとすると、自己肯定感が下がったり親に対する不信感が募ったりする要因になります。
そういうときは、それは諦めて、もっと本人が楽しくできることを探してあげてください。
やる気が出ない気持ちへの共感が信頼を生む
最後に、私が聞いた40代のEさんのお話を紹介します。
Eさんは小学生の頃ピアノ教室に通っていました。
普段、ピアノを弾くのは好きでしたが、ある日、全くやる気が出なくていい加減に弾いていました。
すると、ピアノの先生が「気の乗らない日もあるよね。先生だってあるもの。そういうとき無理にやると嫌いになるよね」と言いました。
そして、先生が羊羹を出してくれて、一緒に食べながらおしゃべりして帰ってきました。
それで、その先生のことが大好きになって、通うのがますます楽しみになりました。
Eさんは、「あの時、叱られていたらピアノが嫌いになっていたかも知れません」と言っています。
やはり、共感的に対応してくれた人へは感謝と信頼が生まれますね。
ですから、子どもがやりたくないときは、その気持ちを受け入れて共感してあげて欲しいと思います。
私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。
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