国語のテストでは、問題文と問いのどちらを先に読むべきでしょうか[中学受験合格言コラム]
国語のテストでは、問題文と問いのどちらを先に読むべきでしょうか
平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。
※小泉さんへのご質問は、不定期にBenesse教育情報サイトメンバー向けのメールマガジン「教育情報サイト通信」で募集をいたします(随時の受付は行っておりません)。
質問者
小4男子(性格:論理的なタイプ)のお母さま質問
国語のテストでは、問題文を読む前に問いを読んでから解答するようにと言っていますが、順番を変えることができません。問いを先に読むほうが正答率がよいと思うのですが、こだわりや考えを変えられないようです。
小泉先生のアドバイス
読みながらメモしていくという方法が効果的。
「国語は問題文から読むか問いから読むか」という質問はよく受けます。そんな時は、「問題文から読むのがあくまでも王道であり、問いから読むのは設問構成に特徴がある場合」とお答えしています。たとえば、問いが3~4問程度とかなり少ない場合、あるいは抜き出し問題とか問題文内での誤りを探させる問いなど、文章全体から探さなければならない問いが多い時には、確かに効果的だと思います。しかし、記述問題や選択肢問題などは、問いだけを読んでもあまり意味がわからないでしょうし、そもそも問いの内容を覚えきれないのではないでしょうか?
一般的な模試ではさまざまな形式で問われることが多いですから、まずは問題文から先に読むという普通の方法に慣れ、6年生になって志望校が確定し、その学校の設問形式が前述のような独特なものであれば、志望校対策として問いから読む方法に変えるというやり方もあると思います。3~4か月あれば、やり方は変えられます。ただし、それもお子さまがやりやすければという条件付きではあります。
「問いから先に読む」という方法をすすめる根拠としては、問いに答える時に問題文の内容を忘れてしまい、もう一度読み直さなければならないということがあると思います。確かにそのとおりだとは思いますが、まずは問題文を読んで全体をつかみ、次に問いに答える段になって問われているところを中心にしっかり精読する、というやり方でなければ、難しくなってくる5年生後半からの問題には対処できないでしょう。
問題文の内容を忘れてしまうことへの対策としては、「読みながらメモしていく」という方法が効果的です。たとえば、問題文を読んでいる時に傍線部が出てきたとします。そんな時は、その傍線部の内容について「なぜなんだろう」「どういうことなんだろう」を考えながら読み進めます。そして、それに答えている箇所が本文に出てきたら、その部分に線をひくなどして印を付け、さらに問いの傍線部と結んでおきます。傍線部の質問では、記述にしても選択肢にしても「なぜ問題」か「こと問題」であることが非常に多いので、印を付けたところが答えになることが少なくないのです。特に説明的文章の記述問題の場合は、そのまま写せば答えになることも多いでしょう。また、物語文の場合はその時の気持ちを考えて、心情表現も含めてチェックするとよいと思います。穴あき問題の場合は、前後の関係から入りそうな言葉を予想してそばにメモしておきます。段落や文の先頭には接続語が入ることが多いと思いますが、そのようなことも慣れてくれば予想が付くようになります。このように読みながらメモしていく方法であれば、読むという作業を中断することがなくなるので読みに集中でき、しかも途中でヒラメいたことをメモすることで効率的に答えることが可能になるのです。
いくつかの方法を説明してきましたが、ご本人にとってどれがやりやすいかということも考えるべきでしょう。ただし、「読みながら問題を解く」という方法だけはおすすめできません。つまり、本文を読んで傍線部など、問いに関連した所にきたら今迄の内容と傍線部の前後だけを読んで解く方法です。確かに、答えは傍線部などの前後にあることが多いのですが、入試問題などの難しい問題になると答えが離れているところにあることが少なくありません。学年が上がるにつれて成績が落ちることになりますから、やめておいたほうがよいと思います。