ALTがいる授業、子どもたちには人気? 親は……!?
アンケート期間:2012/03/07~2012/03/13 回答者数:2,608人
アンケート対象:本サイトメンバー 小5~高3のお子さまを持つ保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
今回のテーマは、ALT(外国語指導助手)。小5~高3のお子さまをお持ちの保護者のかたに、お子さまの学校にALTによる授業があるかどうか、あるとしたらどれくらいの頻度か、お子さまはALTによる授業が好きそうかなど、さまざまなアンケートに答えていただきました。
ALTとのふれあいの場は授業!
最初に、お子さまの学校で、授業以外にALTによる英会話教室や特別プログラムが行われているかどうかをお聞きしました。
【図1 学校の授業以外で、ALTによる英会話教室や特別プログラムがありましたか?(学校種別)】
授業以外でのALTによる英会話教室や特別プログラムについては、小学生(5・6年生)、中学生、高校生いずれの保護者からも、「あった」という声は1割前後(図1参照)。お子さまがALTとふれあう機会は、学校段階にかかわらず授業であることが大半のようです。
週1回ALTによる授業がある学校は3割!
では、お子さまの学校ではどれくらいの頻度でALTが同席する授業があるでしょうか。その頻度について、保護者がどう思っているかもお聞きしています。
【図2 今年度、お子さまの授業にALT(外国語指導助手)はどのくらいの頻度でいましたか?(学校種別)】
【図3 あなたは図2の頻度について、どのように思いましたか?】
子どもの学校の授業には「週1回以上」「週1回程度」ALTがいるという回答が、どの学校段階でも3割前後を占め、最も多くなりました(図2参照)。
また、ALTが授業に来る頻度について感想を伺ったところ、「満足である」「不満がある」という回答が半々に分かれました(図3参照)。
満足している保護者、不満がある保護者、それぞれがそう感じる理由を見てみましょう。
◎ALTが授業に来る頻度に満足している理由
●子どもの学校では週1回ですが、それでも、小学生のうちから外国人のALTとふれあえることはありがたいと感じるから。これから英語にどんどん親しんでほしいと思っています
●娘の学校では毎回、英語を母語とするALTの先生が授業につき添ってくれますから、大満足です。英文を読むことしかなかったわたしの学生時代と比べて、娘はどれほど生きた英語を学べることかと思うと、うらやましくさえあります
●ネーティブスピーカーのALTによる授業は、週1回以上。ヒアリングの練習にもなりますから、資格試験にも生きてくると思います
など
◎ALTが授業に来る頻度に満足していない理由
●子どもが「ALTの先生はあんまり授業に来てくれないから、仲よくなりたくてもなれない」と言っているから
●外国人のALTによる授業は、3か月に1回、1時間、しかもクラスごとではなく、学年全体で受けるそうで、もう少し頻度を増やしたり、授業の仕方を工夫したりしてほしいです
●ネーティブスピーカーのALTが来てくれるのはありがたいのですが、週1回では子どもと遊ぶだけで授業が終わってしまうと思います。週2~3回来てくれれば、じっくり会話ができるのに……
など
ALTは保護者ともコミュニケーションの機会あり!
次に、保護者とALTとのコミュニケーションについて伺いました。
☆この1年、保護者の方々は、ALTのかたとお話をしたり、会ったりする機会はありましたか? またどのような場所で、どのようなコミュニケーションでしたか?
●子どもの学校のALTは、保護者会や文化祭などにも参加しているので、気軽に話ができます。担任の先生とは違った視点で子どもを見てくれていると感じます
●ALTの授業を参観し、親子でゲームをしました。また、そのALTは学校行事にも積極的に参加していたので、多くの保護者から親しまれていました
●学校の広報委員活動の一環として、すべての先生の写真を撮ったとき、外国人のALTも撮影。ちょっと緊張していたわたしに、すごく気さくに話しかけてくれて、身は日本にありながら心は西洋に遊んでいるように感じました。また、運動会のときに少しお話をしました
など
7割以上の保護者が「子どもはALTの授業が好き」!
続いて、保護者には、お子さまがALTのいる授業をどう思っているように見えるかを伺いました。
【図4 お子さまはALTのいる授業をどのように感じていたようですか?】
最も多かったのは、子どもはALTのいる授業が「好きなようである」という保護者(図4参照)。7割を超えてダントツです。保護者は、次のようなお子さまの様子から、お子さまがALTのいる授業を好んでいると感じているようです。
●外国人のALTとコミュニケーションをとることがとても楽しいと言っています
●小学校の外国語活動の授業は、ゲームやアクティビティーがたくさんあるため、いつも楽しいと言っていますが、ネーティブスピーカーのALTと一緒に行うときは特に盛り上がるそうです
●アメリカ合衆国出身のALTについて、家庭でしょっちゅう話をするところ。日本とアメリカのどこがどう違うかをわかりやすく話してくれて、とても面白いそうです。子どものクラスには2人のALTが交互に来ているのですが、そのうちの1人のことが大好きなようです
など
一方、子どもはALTのいる授業は「好きではないようだ」という保護者も1割ほどいらっしゃいました。そう感じる理由として、次のような声が寄せられました。
●うちの子は英語が苦手だから。外国人のALTは英語をゆっくり、ていねいに発音してくれるそうですが、それでも、よくわからないそうです
●引っ込み思案のうちの子は、ゲームやアクティビティーに積極的になれないようです。そのためか、あまり楽しくないと言っています
など
保護者や地域の人もALTを務めている!
最後に、この1年間、保護者や地域のかたがALTとして授業をすることがあったかどうかを伺いました。
☆この1年、保護者や地域のかたがALTをするといった機会はありましたか? もしあれば具体的にどんなかたがどんなことをされていたか教えてください。
●娘の隣のクラスでは、地域ボランティアのかたがALTとなり、英語を使ったゲームやコミュニケーションを行ったそうです
●子どもの小学校では英語学習ボランティアの募集があり、外国人の保護者が授業をすることがあったそうです
●子どもの学校では、週1日、朝15分間の「英語ふれあいタイム」があったのですが、その講師は保護者がボランティアで務めていました
●ALTをしたわけではありませんが、教材用のカードづくりなど、ALTをサポートしている保護者の有志のかたがいらっしゃいました
など
我が子は、ALTのいる授業が好きであり、ALTのことも慕っている。大半の保護者が、お子さまの様子からそう感じていました。ALTによる授業の様子、ALTとの会話の内容などを家庭で保護者に話すお子さまも多いようです。
また、保護者とALTとの交流についてもさまざまな体験談が寄せられました。「授業参観で子どもと一緒に英語のゲームをした」といった授業での交流だけでなく、「保護者会で談笑した」「学校の広報誌で写真を撮った」といった授業外でのコミュニケーションも少なくないようです。そして、今回のアンケートで寄せられた保護者の声からは、保護者もALTとの交流を楽しんでいる様子が伝わってきました。
ALTが参加する授業が増えていけば、お子さまの英語力を伸ばすために良い影響があるだけでなく、保護者とALTの交流もさらに多くなるのではないでしょうか。