「○○さんと同じクラスにしてほしい」と先生に頼むのは、わがままでしょうか?[教えて!親野先生]

【質問】

 

小2の女子ですが、おとなしすぎて友達ができません。小1から続く今のクラスでは気の合う子がいないようで、さみしい2年間だったようです。クラス替えは2年に1回なので、また2年間同じような思いをするのはかわいそうです。ほかのクラスには保育園時代に仲が良かった子が2人います。その子たちとは家も近いので、今もよく遊んでいます。クラス替えで同じクラスにしてもらえるよう、先生に頼んでいいものでしょうか? それはわがままなのでしょうか? 親野先生はどう思われますか? (ケイトT さん)


「○○さんと同じクラスにしてほしい」と先生に頼むのは、わがままでしょうか?[教えて!親野先生]

親野先生からのアドバイス

ケイトTさん、拝読いたしました。

子どもの友達関係は、親にとって一番気になるもののひとつですね。それは、また、子ども自身にとっても同じです。
子どもにとって、友達関係で悩みがある時が一番つらいのです。勉強がイヤでも、体育が苦手でも、先生が厳しくても、友達関係に問題がなければ楽しい学校生活が送れるものなのです。

このご相談について、結論を言えば、私は、クラス替えで配慮をしてもらいたいと先生に頼んだ方がいいと思います。
せっかく同じ学年に仲の良い子が2人もいるわけですから、そうしない手はないと思います。

お子さんは、2年間さみしい学校生活を送ってきたとのことです。
さらにまた2年間ということになると、かなりつらいと思います。
成長過程にある子どもにとっての1年間、または2年間というものは、大人のそれとは密度が違います。楽しい2年間とさみしい2年間では、大きな違いがあります。

実は、先生たちにとっても、一番気になるのは子どもたちの人間関係です。
子ども同士がうまくいっていない時、いじめがある時、友達と遊びたいのに遊べない子がいる時、仲間に入りたいのに入れない子がいる時、こういう時、先生たちも一番心を悩ませるのです。

もちろん、クラスの子どもたちが仲良くなるように働きかけるのが先生の仕事です。
それによって、はじめはさみしそうだった子もそのクラスに溶け込んでいくようにするのが仕事です。でも、実際問題として、なかなかうまくいかないこともあるのです。先生の力量や子ども同士の組み合わせなども含めて、いろいろな要素が関係してくるからです。

ですから、できるだけその子にとっていい友達関係ができそうなクラスのほうがいいわけです。
そして、それは、新しいクラスの先生にとってもいいことなのです。その子が友達と元気に遊んでくれていれば、先生としても助かるからです。

というわけで、先生に頼めば、先生は内心「えっ、ほかのクラスに仲の良い子がいたの? それはいいことを聞いた。もっと早く教えてよ」と思う可能性も高いのです。

ところで、どんな場合もそうですが、この場合の頼み方はとても大切です。言い方次第では、「わがままな親だ」と思われてしまいます。
上手に言えば、先生も「子どものことを一生懸命考えているんだな。なんとかしてあげたいものだ」と思うようになります。

ここは、大人の交渉術で進める必要があります。まずは、「いつもお世話になっています。うちの子は、先生に日記がすばらしいとほめられてから書くことが好きになったみたいです」という感じで相手をほめることです。
こういうことは、いい雰囲気を作るうえでとても大切です。

それから、「実はご相談があるのですが……」という感じで、子どもの友達関係について心配なので相談に乗ってもらうという形で進めます。この時大切なのは、相手が「自分は批判されている。クレームをつけられている」と感じるような言い方をしないことです。
お互いが批判し合うのではなく、子どものために腹を割って真摯(しんし)に話し合う場にすることが大切です。その中で「来年からのことも心配です」と言えば、先生から「ほかのクラスに誰か仲の良い子はいませんか?」と聞いてくれることも十分あり得ます。

先生から言ってくれない時は、こちらから上手に言えばいいでしょう。
つまり、強引で身勝手な感じの言い方でなく、やや遠慮気味でありながらそれでいて強い気持ちが伝わるような言い方です。
我が子のために、伝えるべきことはしっかり伝えてください。

ただし、頼んだからと言って必ずそうなるとは限りません。というのも、クラス替えにはいろいろな要素が関係してくるからです。
最優先は子ども同士の人間関係ですが、そのほかにも、性格・態度・行動・学力・運動能力・親同士の関係・地域など、いろいろなことを総合的に考えて決めなければならないのです。
このことを頭に入れながら、できることをやってください。

また、もし、仲の良い子と同じクラスになれなかったとしても、それでがっかりしすぎることのないようにしてください。というのも、子どもは日ごとに変化し成長しているからです。その新しいクラスで、新しい友達ができる可能性も十分あるのです。
それと、早い段階で新しい先生と直接話す機会を持つといいでしょう。そこで、子どもの友達関係についての配慮を頼んでおきましょう。

なお、これをお読みの方々にお願いですが、この方法を乱用しないようにしてほしいと思います。「このケースでは必要だ」という場合に限って、活用してください。それでないと、ただでさえ難しいクラス編成の作業がますます難しくなってしまいます。
皆さんの良識に従って判断してください。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

P.S.
私は、毎年クラス替えと担任替えをするべきだと思います。成長期の子どもにとって、2年間同じクラス、あるいは同じ先生というのは長すぎます。
かげでいじめがある場合、それが2年間続くことになりますし、馬の合わない担任に受け持たれた場合、子どもは2年間芽が出ないことになります。

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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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