国立大学に通うといくらかかる? 学費以外にかかる費用はどんなものがある?

国立大学にお子さまが通うことになった場合、学費やそのほかに必要な費用はいくらかかるでしょうか?この記事では、学費の相場や、学校に納める費用以外にかかるお金について解説します。

この記事のポイント

国立大学の学費は、標準額が53万5,800円に設定されている

国立大学の授業料は、文部科学省令によって標準額が決められています。標準額は53万5,800円で、2005年度に現在の金額に改定されてからは、15年以上据え置かれています(表1参照)。また標準額の20%までの増額は認められているため、国立大学の中には60万円を超える授業料を提示している大学もあります。また国立の法科大学院では、授業料を80万4,000円としている大学が多くなっています。

授業料に加えて、入学した年にのみ支払う入学金は28万2,000円になっています。標準額を採用している国立大学であれば、入学金と4年分の授業料で242万5,200円を支払う計算になります。この金額が高いか、少ないかは、教育資金の準備状況によって感じ方が異なるかもしれませんが、私立大学に進学した場合の半分程度、あるいは半分以下で済むのが現実です。

また、私立大学では在学中にかかる費用が6年間で2,000万~5,000万円とも言われる医学部の学費も、国立大学の場合は他の学部と同様、標準額あるいは標準額プラス数万円程度に抑えられます。数千万円の学費負担はできないけれど、どうしても医師になりたい希望を持つ学生の中には、何年も浪人をしながら、医学部を目指すケースもあるわけです。

ひとり暮らしをする可能性は国立大学のほうが高い!?

在学中の学費だけを単純に比べれば、私立大学に通うより国立大学のほうが圧倒的に安く済ませられます。ただし大学入学共通テストを受ける際、私立大学のみを志望する学生に比べて、受験する科目数が多くなるため、塾代の負担は国立大学を志望する学生のほうが割高になる傾向があります。

また、国立大学のみを志望している場合は、志望校に合格できなければ、浪人する可能性も高くなります。浪人の1年間には、私立大学に通うのと同じ程度の塾代がかかりますので、浪人分を加算すると、私立大学の学費総額との差は縮まってしまいます。

さらには、自宅からは通えずにひとり暮らしをする可能性も、国立大学のほうが私立大学に比べて高いと考えられます。下記は、「平成30年度の学生生活調査」(独立行政法人日本学生支援機構)の中から、生活費のみを抜粋したものですが、国立大学に通うお子さんの食費や住居費、光熱費の平均額は、私立大学に通うお子さんの平均額に比べて、かなり高くなっていることからも、親元を離れて暮らすお子さんが多いことが想像できます。

表2 「平成30年度学生生活調査」より、生活費の部分を一部抜粋

塾代の負担や浪人の可能性、ひとり暮らしでの生活コストなどを踏まえますと、トータルで考えた場合の負担では、国立大学が圧倒的に安いとは言い切れない現実もあります。
ひとり暮らしをさせる余裕はないけれど、学費負担が抑えられる大学進学を望む場合、公立大学を選択する方法があります。公立大学の学費負担は、国立大学とほぼ同じ水準ですし、地元の公立大学であれば、自宅から通えて生活費も抑えられます。また地元の公立大学に通う場合、地元出身者は入学金に軽減措置が適用される公立大学もあります。

住民税非課税家庭は国立大学の学費負担なし

次は、2020年度に制度が導入された「高等教育の修学支援新制度」に触れたいと思います。住民税非課税家庭とそれに準ずる家庭については、2020年度から授業料の免除や減免が適用されています。加えて、返済不要の奨学金も給付されます。

たとえば下表のように、4人世帯の年収(目安)では380万円以下程度が制度の対象になります。中でも住民税非課税家庭であれば、国立大学にかかる入学金や授業料が全額免除されるうえに、給付型の奨学金ももらえます。新制度は、家計に余裕がないお子さんでも、大学進学をあきらめずに済む設計になっているわけです。

表3 授業料等減免と給付型奨学金

※年収は両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合の目安。基準を満たす世帯年収は家族構成により異なる

ただし、注意点がいくつかあります。この制度の対象になるのは、高校を卒業してから2年先まで。つまり浪人は2回までが制度の対象となり、2浪を超えると住民税非課税家庭であっても、この制度からは外れてしまいます。また入学時点では制度の対象になっていたお子さんであっても、成績が悪い場合は、翌年は制度の対象にならないケースもあります。収入基準だけではなく、成績も加味されることは知っておく必要があるでしょう。

学校納入金以外にかかる免許取得費用なども考慮

大学時代にかかる費用は、学校に収めるお金だけではありません。通学費用や教科書の購入費用のように、学業に関係する負担のほかに、運転免許の資格費用は見積もっておくべきです。現在の就活には、運転免許証を持っていないと不利になる現実があるため、在学中に運転免許を取得する学生が多いからです。春休みや夏休みのように、学校の休みの時に合宿形式で取得する学生も多くなりますが、長期休暇中は繁忙期に当たるため、30万円以上かかるケースも多くなっています。

また成人式は、どの程度の準備をするかにより費用が異なりますが、服装と写真撮影の費用を合わせると何万円もかかることが多いようです。
さらには、就活の時期にはスーツを複数枚準備する必要がありますし、サークルの合宿費用などもかかるでしょう。お子さんが短期留学を望む可能性もあります。
学費などの負担は計画的に準備できても、免許取得費用などはお子さん側から突然言い出される可能性があります。学校に収めるお金以外にも、月収内ではまかないにくい支出があることを理解して、計画的に準備しておきたいところです。

まとめ & 実践 TIPS

私立大学とは違い、国公立大学は、標準額を採用している場合、学費は入学金と4年分の授業料で242万5,200円。私立大学に進学した場合の半分程度、あるいは半分以下で済む計算になります。ただし、自宅から通学するか、学校に納める費用以外のお金もあります。4年間の費用がどれくらいかかるのかを知っておき、計画的に学費の準備を進めていきましょう。

畠中雅子

畠中雅子

大学時代よりフリーライター活動をはじめ、マネーライターを経て、1992年にファイナンシャルプランナーになる。新聞・雑誌などに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。著書は、「ラクに楽しくお金を貯めている私の『貯金簿』」(ぱる出版)ほか、70冊を超える。

出典:
「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00002.htm

(参考2)国公私立大学の授業料等の推移
https://www.mext.go.jp/content/20201225-mxt_sigakujo-000011866_4.pdf

プロフィール

子どもの教育資金を考える女性FPグループ

メンバー全員が子育て経験を持つ女性FPのグループ。各自の子育て経験や得意分野を活かして、消費者向けのセミナーや相談業務、執筆、監修などを手掛けている。教育資金に関する情報発信の機会も豊富。

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