親野先生に聞いた!夏休みの宿題を迷わず終わらせる計画表の作り方

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夏休みの宿題は順調に進んでいますか? 計画の立て方がわからない! せっかく立てた計画がもう崩れそう……。そんな声にお応えして、教育評論家の親野智可等先生からのアドバイスを紹介します。

この記事のポイント

宿題の進み具合でペースを見極める

夏休みの宿題は、しっかり計画したつもりでいても後半になると慌ててしまうという話は珍しくありません。これは子どもにとって夏休みの期間が長く、宿題の種類や量も多いため全体が俯瞰(ふかん)できていないことが原因です。

学年が変われば宿題の難易度も変わりますし、思いがけないところで手間取ることもあります。宿題の計画は早めに立てるほどよいですが、夏休みを通して子どものペースを確認し、計画を見直していくことも大事。では、計画を立てる時や見直す時のポイントはどこにあるのかというと、答えは「期間」と「量」を具体的に把握することです。

期間を区切ってイメージしやすくする

子どもは大人のように長期的な見通しを立てた経験がなく、夏休みの日数を漠然としか理解していません。そこでカレンダーを用意して全体を4つくらいのパートに分けて色分けします。すると夏休み全体が「見える化」されて、今が夏休みのどの地点なのかがぐっと意識しやすくなります。

色分けの例

青:夏休み前半(7月中)
緑:お盆前(8月1日〜10日ごろ)
ピンク:お盆期間(8月11日〜15日ごろ)
赤:夏休み後半(夏休み最終日まで)

お盆期間に限らず帰省や旅行などで生活リズムが変化する期間があれば、それを考慮した分け方にするなど、ご家庭ごとに色分けを考えてみてください。

課題の量を「数字化」してから振り分ける

カレンダーを色分けしたら、宿題を割り振ります。進め方はこんな感じです。

1:夏休みの宿題を全部テーブルの上に集める

ワークやプリントはそのものを、まだ目に見えるものがない自由研究や読書感想文などはA4の紙に大きく「自由研究」などと書いて置いておきます。

2:課題ごとに量を数字にする

プリント5枚、読書感想文3枚、ワーク10ページなど、数字にすることで、子どもはどのくらいの種類のものが、どのくらいの量あるのかという総量を把握できます。

3:それぞれに始める日と締め切りを決めてカレンダーに書く

「漢字ドリルは前半に終わらせておく」「自由研究はお盆前」「読書感想文はお盆期間中に読んで後半に書く」など、イメージを持ちながら計画ができると思います。

少し手間に感じるかもしれませんが、最初にこれをやっておくと夏休みがだいぶ楽になります。毎日「今日はあれをやってこれが残って……」と全体を確認するのも大変ですし、なんとなく進んでいるから大丈夫と考えていると思わぬ大物が残ってしまうこともあるのです。

計画の原則は「決めるのは子ども」

もちろん大人のほうが経験が豊富ですから、この計画だと難しい、こうしたほうがよいと思う点などを子どもに伝えて、話し合いながら進めることは大事です。でも、最終決定はできるだけ子ども自身にさせるほうがいいでしょう。そうすれば、「自分で決めたことだから守らなくては」という意識が働きます。もし失敗して計画を立て直す時も、イライラしないで付き合ってあげてください。

また、中・高学年になったら、「計画表を作るといちいちやることを決めなくていいから楽」「先々の見通しが立って安心」などのメリットも伝えてみてください。子ども自身が実感できると、自分から取り組めるようになっていきます。

●見届けと前向きな声かけで支える

よほど安心して任せられるようになるまでは、保護者のかたの見届けがとても大事です。計画を立てて終わりにせず、できたらほめる、できていなければ声をかけて促し、できたら必ずほめるようにしましょう。

朝ごはんの前などにその日にやるノートやプリントを広げておく、名前だけ書いておく、1問だけ解いてみるなど、取りかかりやすくする工夫をするのも効果的。「1問だけやってみよう」「教えてあげるから一緒にやろう」など、ハードルを下げて誘うのもいいですね。

高学年でも、「気が重いよね、でも終わらせたらスッキリするんじゃない?」と共感したり「半分の半分だけやっておこう」と提案したり、できた時には「さすが!」「がんばってるね」などのほめ言葉をかけたりして、気にかけていることを示しましょう。

心がけたいのは、できていない時も子どもを責めないこと。できていない時は、そこから計画を立て直すなど一緒に考えればよいですし、いずれ計画どおり実行するのが一番楽だと本人が気付き、習慣になっていきます。それまではポジティブな言葉で確認し、応援してあげてくださいね。

まとめ & 実践 TIPS

子どもは夏休みの期間や宿題の全体量が俯瞰できていないので、見える形にしてから計画を立てて。計画の決定権はできるだけ子どもに預け、計画どおり進められているかは、なるべく毎日見届けを。

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小3 https://sho-aka.benesse.ne.jp/sho/oya/web/202408oshirase/s3/

小4 https://sho-aka.benesse.ne.jp/sho/oya/web/202408oshirase/s4/

小5 https://sho-aka.benesse.ne.jp/sho/oya/web/202408oshirase/s5/

小6 https://sho-aka.benesse.ne.jp/sho/oya/web/202408oshirase/s6/

参考リンク
《取りかかるのに時間がかかる子》のサポート法【親野先生アドバイス】
https://benesse.jp/kosodate/202209/20220904-1.html

勉強に集中できるようになるには?【親野先生アドバイス】
https://benesse.jp/kosodate/202306/20230630-1.html

プロフィール


親野智可等
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・『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』(ダイヤモンド社)
・『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社)


長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。
Instagram、Threads、X、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。最新刊『子育て365日』などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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