親野先生に聞いた!親が勉強を教えるときに大切なこととは?バトルにならない勉強の教え方のポイント

子どもに勉強を教えているとき、なかなか理解してもらえない問題が出てくると、ついイライラ。子どもの方も「もっとわかりやすく説明してよ」と怒り始めるなど、親が子どもに勉強を教えると不穏な空気になりがちです。バトルにならないように、子どもが納得できるように教えるためのコツは、あるのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生にお聞きしました。

この記事のポイント

遠慮のないバトルは勉強嫌いを加速させる?

宿題やテストの間違い直しなど「ちょっと教えて」と言われたとき、さらっと説明して「なるほど! わかった」となれば親も子も幸せです。でも、実際はなかなか理解できないことも多いもの。同じ説明を繰り返し、時間ばかりが過ぎて「どうしてわからないの!?」「教え方が悪いんでしょ!」とバトル状態になることも。

でも、これは仕方のない面もあります。おうちのかたは教え方のプロではありませんし、ときには昔と今で教え方が変わっているということもあります。何より、親子は遠慮がありません。子どもは理解できないイライラを率直にぶつけてきますし、教える方もどうすれば理解できるのかがわからないストレスが、つい言葉に表れがち。険悪な空気の中では冷静に思考するのも難しく悪循環に陥ってしまいます。

これでは「勉強は嫌なものだ」と、学習そのものに対する悪いイメージがつきかねません。こじれそうなときは、学校や塾で先生に聞くことにして、その場は切り上げた方がいいでしょう。一方で、おうちのかたがサポートのコツをつかんでいれば、時間をかけた柔軟な対応ができる場合もあります。教え方がうまくなる必要はありません。おうちのかたに求められるのは「わが子をよく観察すること」と「学び方の提案をすること」です。

「どこでつまずいているのか」を探す探偵になる

手始めに、その問題のどの部分が理解できていないのかを探りましょう。子どもは「わからない」と言いますが、問題の意味がわかっていないのか、計算方法など具体的な解き方がわからないのかなど、その理由はさまざま。そこに的を絞ってフォローする必要があります。

わからない理由を探すために、問題を一緒に解いてください。下に主なポイントをあげますので、「どれどれ、わからない場所はどこかな?」と名探偵の気分で楽しんで。間違えた箇所を見つけたら「あ! ここだ!」と解決のカギを見つけた探偵のように喜びましょう。決して叱らないでくださいね。わからないところ探しを楽しむおうちのかたの姿から、子どもにも「わからないことが悪いことではない。勉強は楽しい」という気持ちが育ちます。

<よくある間違い・勘違い>
●問題の意味がわかっていない、読み間違えて思い込んでいる
●算数なら式の立て方、国語なら答えの探し方など答えを出す方法がわからない
●計算方法や言葉の意味を知らない、誤解している

ときには書き方が雑で筆算の桁がずれていたり、自分で書いた「0」を「6」と見間違えたりするケアレスミスもあります。読み間違いや書き間違い、早合点などのケアレスミスは、問題を2回読む、大事なところにアンダーラインを引く、数字をていねいに書く、見直しをするなど一緒に対策を考えます。

ケアレスミスは子どもの性格にも関係するので、同じミスを繰り返しやすいものです。「この前も言ったのに」「どうして同じミスするの?」などと責めても、子どもはやる気を失うばかりで得るものはありません。「なるほど、やっぱりここは間違えやすいんだね」と子ども自身に自覚させて、対策を確認し、次は気をつけようという気持ちをもたせましょう。ミスがなかったときに気づいて「今回はミスしなかったね!」とほめることも大事です。

動画やマンガも強い味方に

さて、家庭で教えるときに特に困るのは、教科書を見ても意味がわからない、頭に入らないという場面ではないでしょうか。一問は解けたけれど応用ができないようなときも、本質が理解できていません。これは子どもにとって情報が足りない、または興味がもてていない状態です。どんな説明で理解しやすいのかは子どもによっても違うので、おうちのかたは再び探偵になって「どうしたらピンとくるかな?」とその方法を探してみてください。

例えば教科書の説明ではわかりづらくても、絵や動画で見るとすっと理解できたり、マンガで見たら覚えられたりすることがあります。今は動画サイトなどで検索すると、学年や単元ごとにさまざまな学習動画があります。こうした動画は、図が見やすいものや音楽で盛り上げるもの、クイズやダジャレを紹介するものなど、バラエティに富んでいます。まずおうちのかたが見て何パターンか選び、子どもに紹介してみましょう。

他に、カルタやクイズなどを使ったゲーム形式、学習マンガなど、学びの方法はいろいろあります。子どもによって理解しやすい形は異なりますし、教科や単元によってもフィットする学び方は変わります。探すことをたのしみましょう。だんだん子どもの特性がわかり、付き合いやすくなりますし、子ども自身が解決の方法を学んでいきます。初めにかけた手間や時間は子どもに残っていくものです。先生に頼ったり、いろいろな方法を試しながら、楽しむことを心がけてください。

まとめ & 実践 TIPS

親がわからないことも楽しめれば、子どもも勉強に前向きになれます。とはいえ、忙しいのに無理をしたり、イライラする気持ちを抑えて頑張ったりするのも考えものです。こんなにやっているのに…と思えば親子ともに苦しくなります。先生に聞けばいい、先送りしてもいいと考えて。授業の積み重ねなどで、あるときスッと理解できることもありますよ。いろいろな方法を柔軟に取り入れながらバトルを回避していきましょう。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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