子どもの地頭力は鍛えられる!具体的な方法と「地頭がいい」子どもの特徴

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「地頭力」という言葉を聞いたことはありますか? 地頭力は勉強だけでなく、生きていくうえで役に立つ能力です。子どもの頃から鍛えておけば、ビジネスなどさまざまな場面で発揮できるはず。そんな地頭力について、詳しく見ていきましょう。

この記事のポイント

地頭力とは?

地頭力がある=地頭がいい

地頭力とは、問題解決のために自分の持っている知識や情報を組み立てていく力のことです。論理的な思考法ともいえます。簡単にいうと、「自分の頭で考える力」です。
「地頭がいい」という言葉はよく使われますよね。「地頭力がある」というのは、それと同じ意味。昔から人間の中にある能力で、勉強によって培われるものではないのです。

成績の良さとは違うもの

「地頭力がある」は、「頭がいい」「テストの点数が高い」と必ずしもイコールにはなりません。たとえば、決まったやり方以外で問題が解けなかったり、基礎はできるのに応用問題が苦手だったりする子どもは、地頭力が弱い可能性が高いといえます。
答えにたどり着こうとするまでの過程で発揮されるのが地頭力です。子どもの場合はまだ知識や情報が少ないため、それが点数や成績に反映されないこともあるでしょう。もちろん、成績が良くて地頭力もある子どももいます。地頭力は、はっきりと数字で表せない能力なのです。

地頭力のある子どもの特徴

点数で表せない地頭力。それでは、どのような特徴があると「地頭がいい」といえるのでしょうか。

好奇心旺盛で観察力が高い

「なんで?」「どうして?」が多いお子さまもいますよね。このように、いろんなことに興味を持ったり、周りをよく見ていたりする子どもは、地頭力があるといえます。
好奇心や観察力があると、「なぜ?」と疑問を持ち、考えるきっかけになります。仮説を立て、結論を導き出し、また考える……。その頻度が高ければ、それだけ地頭力が鍛えられているということです。

相手の気持ちを理解できる

相手の気持ちや意見を「なるほど」「そうなんだね」と受け入れられる子どもも、地頭力があるといえます。反対に、ある程度年齢が上がっていても、周りの意見を無視して自我を押し通そうとする子どもは、地頭力が弱いのかもしれません。
地頭力があると、さまざまな方向や立場から物事を考えられます。そのため、自分と違う意見でも「そういう考えもあるのか」と受け入れることができるのです。

表現力が豊か

地頭力があると、表現力が豊かになることもあります。面白い発想や言葉、柔軟な考え方を持っているため、それが表現の場でも活かせるのです。
もちろん、地頭力がなくても表現力は発揮できるものなので、一概にはいえません。ただ、「センスがある」「技術がある」の他に、「地頭力がある」という可能性を考えてみるのもよいのかもしれませんね。

イレギュラーな状況に強い

いつもと違う場面やトラブルに強い子どもも、地頭力があるといえます。決まったパターンや公式に当てはめなくても、その場の状況に応じて自分の頭で考えて解決できるからです。
応用問題に強い子ども、公式を習っていない段階でも答えを導き出せる子どもも、地頭力があるといえます。反対に、基礎はすぐ覚えられるのに応用になるとつまづく子どもは、地頭力が弱いのかもしれません。

全部説明しなくても理解できる

地頭力があると、少ない情報からその先を推測できます。1つ言えば、3つのことをしてくれえるようなタイプです。子どもの場合は、知識や情報がまだ少ないため難しいこともありますが、経験したことがあればその力が発揮できるはずです。
たとえば、「洗濯物を取り込んでくれる?」とお願いしただけで、畳んで片付けまでできてしまうようなお子さまは、地頭力がある可能性があります。

地頭力はどんなときに役立つ?

壁にぶつかったときにも乗り越えられる

地頭力は、勉強だけでなく生活全般で役に立ちます。友だちとケンカをしたとき、部活や習い事で成果が出なくなったとき、受験や就活などで力を出したいときなど、さまざまな場面で発揮されるものです。
「ダメだ」「できない」と投げ出さず、どうにかして解決しようと考えられるのが地頭力です。うまくいかなかったとしても、考えた過程が次に活かされていきます。

コミュニケーションが円滑になる

相手の意見や気持ちを理解できるため、コミュニケーションが円滑になります。自己主張は大事ですが、それが間違っているときもあるはず。地頭力があれば論理的に物事を考えられるため、いろんな人の意見を取り入れ、情報をまとめていくことができます。
友だちや家族との関わりだけでなく、学校での話し合いや、社会に出た後の会議などでも役に立つはずです。

これからの社会を生き抜く力になる

「AIが人の仕事を奪う」と心配される現代。今の子どもたちが大人になる頃に、どのような時代になっているのかはわかりません。ただ、マニュアル通り行動するよりも、新しい発想や論理的な思考を求められることが多くなってくると思われます。
そのために必要なのは、頭の良さではなく地頭力です。地頭力があれば、仕事や生活で自分らしく活躍できる可能性があります。

地頭力を鍛える方法5選

「地頭力は生まれ持ったもの」と思っていませんか? 実は、そうではありません。もちろん生まれ持ったものもありますが、後から鍛えることも可能。逆に、いくら良い地頭を持っていても、それが発揮できない環境では意味がありません。つまり地頭力は、日常生活が大きく影響しており、周りの大人の関わり方や環境次第でマイナスにもプラスにもできるものなのです。

子どもの「やりたい!」を尊重する

まずは、子どもの好奇心を否定せず、好きなことや興味のあることをとことんやらせてあげましょう。「ダメ」「こっちにしよう」など、親の価値観を押し付けてしまうと、子どもの思考力や表現力が育ちにくくなります。
これは、わがままもすべて聞いてあげるということではありません。「そういう考えもあるんだね」「そういう気持ちなんだね」と、理解してあげるということです。

子どもに選ばせて決めさせる

「選ぶ」「決める」という行動には、「考える」が詰まっています。ですから、日常の中で子どもが選んで決める機会をたくさん作ってあげてください。先回りして何でも保護者のかたが決めてしまうと、子どもの考える機会が奪われてしまいます。
経験が少なく決められないお子さまには、「AとBどっちにする?」と選択肢を提示してもOK。小さなことでもよいですから、選んで決める経験をたくさんさせてあげましょう。

すぐに答えを出さずに一緒に考える

子どもが「どうして?」「なんで?」と言ってきたときには、すぐに答えを出さずに一緒に考えてみましょう。「どうしてかな?」「あなたはどう思う?」と質問返しをしてみるのもよいでしょう。
子どもの考えや答えが合っていなくても問題ありません。それよりも、考えた過程が大事です。「わからない」というお子さまには、少しずつヒントをあげたり、「ママ・パパはこう思うけど、あなたはどう?」と自分の考えを先に伝えてあげたりするとよいでしょう。

結果よりも過程を大事にしてあげる

地頭力がある子どもは、公式を使わずに問題が解けたり、教科書通りではない方法で答えを導き出したりします。その結果、成績に反映されないこともあるでしょう。テスト以外の場面でも、正しい答えにたどり着かない場合もあります。
地頭力を鍛えるうえで大切なのは、考えることです。子どもの頃は、知識や情報が少なく、まだ力を発揮しきれないことも多々あるでしょう。ただ、経験をたくさん積むことでその精度は上がっていくはずです。まずは過程を大事にし、「この考えは面白いね」「こういうやり方もあるよね」と認めてあげてください。

いろんな体験をさせてあげる

遊びや生活での経験は、子どもの知的好奇心を刺激します。嫌がることを無理矢理やらせるのはNGですが、子どもが楽しめるものならどんどん体験させてあげてください。
親目線で見ると、危ないことや汚れること、難しいことは避けたくなるでしょう。しかし、そういった経験の中からこそ学べるものもたくさんあります。大きなケガや事故には気を付けながら、家の中でも外でも、さまざまな経験をしていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

子どもの頃から地頭力を鍛えておけば、人生のさまざまな場面で役に立ちます。どんなに勉強ができても、頭が良くても、それを必要な場面で活かせなければ意味がありません。学校で勉強したことを生活や仕事で発揮できるように、子どもが「自分の頭で考える」機会をたくさん作っていきましょう。

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