つまずかない子にするには「小4」がカギ! 「9歳の壁」と「小4ビハインド」の乗り越え方

  • 学習

勉強面でも生活面、人間関係面でも、つまずき防止には小4がカギになると言われているのを知っていますか? 小4の時期は、つまずきが発生したり、自信を失ったりしがちであるため、「9歳の壁」や「小4ビハインド」とも呼ばれます。どのようなものかを知り、お子さまに適切なサポートをしていけるようにしましょう。

抽象的な内容が多くなることで勉強の壁が生まれる

「9歳の壁」とは、勉強面、感情面どちらでもつまずきが生まれやすい時期であることを表した言葉です。この時期は、自信をなくし、自己肯定感を損ねてしまうことが多く、注意が必要だと言われています。

まずは、「9歳の壁」の勉強面について見ていきましょう。小4で勉強面のつまずきが生まれやすいのは、学習内容の抽象度が高くなるためです。

たとえば、算数では足し算や九九といった単純な計算問題だけではなく、面積や図形、角など数学的な物の見方や思考が必要なものが増えてきます。理科では、電気など目に見えない事柄を学んだり、国語では説明文の論理的な読み解きを行ったりします。

このように、身近で具体的な内容から、抽象的で深い思考プロセスが求められる内容が増え、「わからない」とつまずくことが増えるのです。お子さんが、学習面でつまずきを感じているなと感じたら、つまずいている項目について具体例を示してあげたり、思考プロセスのヒントを与えたりなどサポートをしてあげましょう。つまずいている際は、何をすればいいのか行き詰まっているもの。「よく考えてごらん」「教科書をしっかり読んでごらん」といった声かけだけでは不十分です。

なお、小4までの算数は数学力の土台とも言えるもの。そのため、そこでつまずいて、その後力を積み上げていくことができないことを「小4ビハインド」と呼ぶこともあります。「中1ギャップ」の原因にもなることでもあり、注意が必要です。

友人関係が広がり、自分を客観視できるようになることで生まれる感情面の壁

次に、感情面の壁について見ていきましょう。小4になると、友人関係がより広く深くなります。お子さまの生活も、これまでの親子中心のものから、友人関係中心のものに変わり、一抹の寂しさを覚える保護者の方もいらっしゃるかもしれません。

友人関係が深まることで、お子さまにとっては悩みも生まれることとなります。人間関係のトラブルもそうですし、友人と自分を客観視することができるようになる中で、劣等感を抱いたり、自信を失ったりすることもあります。

ときには「友達は算数が得意なのに、私は計算間違いも多い」「友達は美人なのに、私は普通だ」といろいろなことに思う悩むあまり、自己肯定感を著しく損なう場合もあります。

保護者としては何とかサポートしてあげたいものですが、小4になると、子どもも親に相談することを恥ずかしがったり、隠そうとしたりするケースも多く見られます。「何も言ってこないから大丈夫」と思うのでなく、少し様子がおかしいと感じたら、一緒の時間を過ごしてみたり、子どもが話しやすい雰囲気を作ってみたりしてみてください。お子さんの成長や、よいところを指摘してあげることも有効です。

まとめ & 実践 TIPS

思春期や反抗期の入り口でもある小4の時期。「9歳の壁」や「小4ビハインド」と称される通り、子どもにとっては勉強面でも感情面でも自信をなくし、不安が増える時期です。
そのとき、保護者に求められるのは世話を焼きすぎることなく、子どもを認めて褒めることで「自己肯定感」を高めるコミュニケーションをすることです。「自分を見てくれている」「認めてくれている」と子どもに感じさせることで、不安定な時期でも安心感を与えてあげられるようにしましょう。

出典:
「9歳の壁」って何? 乗り越えるための保護者のサポートとは?
https://benesse.jp/kosodate/201612/20161214-1.html

つまずきには理由があった!小学4年生の算数つまずき解消法
https://benesse.jp/contents/tsumazuki/4/math/

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

  • 学習

子育て・教育Q&A