中高生でオリジナルのアプリやウェブサイトを作成!その体験が将来の可能性を広げます

小学校・中学校・高校でプログラミング学習が必修・本格化となり、2024年度(2025年度入試=現在の高校1年生)以降に実施される大学入学共通テストでは入試教科に「情報」が新設されます。

「将来、IT分野の仕事に就くかわからないのに、プログラミングを勉強しないといけないの?」と思うかもしれませんが、プログラミングを学んでおくことで、将来が大きく広がる可能性があるのです。
主に中学校・高校の女子生徒を対象にIT・キャリア教育のプログラムを提供している特定非営利活動法人Waffle理事長の田中沙弥果さんに、中高生のうちからプログラミングを学ぶ大切さについてうかがいました。

特定非営利活動法人Waffle理事長
田中沙弥果さん

この記事のポイント

ITの仕組みは人生に必須の知識!

ーー小学校・中学校・高校でプログラミング学習が必修・本格化された理由をどう捉えていますか。

田中 ITは、私たちの生活に欠かせない技術です。スマホやパソコンはもちろん、家電や交通システムなど、ありとあらゆる場面で取り入れられています。ITがどのように活用されているのか、どんな仕組みで動いているのか知っておくことは、IT分野の仕事に就かなくても重要です。
小学校では農業体験を行うと思いますが、それは、全員が農業従事者になってほしいというわけではなく、自分たちが食べるお米や野菜がどのように作られるのかを体験的に知ることが目的ですよね。プログラミングを学ぶこともそれと同じです。その機会が地域やおかれた環境に関わらず、どの子どもにも平等にあることが重要です。

ーー学校でプログラミングを学ぶのは、プログラマーの育成が目的ではないということですね。

田中 はい。プログラミングは問題を解決するツールとも言えます。文部科学省では「プログラミング的思考」と言っていますが、コンピュータを活用した問題解決に向けた物事の捉え方や思考のプロセスを学ぶことが大きな目的となります。

人材不足のIT業界。女性の活躍が期待大

ーープログラミングを学ぶメリットはほかに何がありますか。

田中 もちろん、プログラミングを学んで、IT分野に関心を持てれば、キャリアの選択肢の幅が広がるでしょう。
IT業界はAIなどの進化もあって、将来性の高い分野です。既に世界的に人材不足が課題となっていて、各企業は優秀な人材の確保に力を入れています。

ーー就職先として有望な分野なのですね。

田中 IT業界は比較的、高収入が期待できる分野です。在宅勤務も進んでいて、時間や場所にとらわれずに仕事をしやすいという特徴があります。スキルを持っていれば転職しやすく、ライフスタイルを自分軸で考えられるのがメリットといえます。
現在、IT業界の従事者は圧倒的に男性が多いのですが、優秀な女性の進出が歓迎されています。そこで、私たちは、中高生がIT分野で活躍することを応援する活動を行っています。

中高生までのプログラミング体験が、将来を拓く!

ーー田中さんのNPOでは、主に中学生・高校生の女子を対象にウェブサイトやアプリの開発を学ぶプログラムを提供されています。なぜ中高生なのでしょうか。

田中 大学入学前の中学生・高校生の時までに、自分でウェブサイトやアプリをつくったという成功体験があることが、将来的に大事だと思うからです。
PISAの調査結果を見ると、日本ではサイエンスやエンジニアリングに興味のある15歳女子の割合は3.4%で、63か国中最下位でした。また、日本の工学部の女子学生の比率は15%と、これも最下位でした(図1)。中学生または高校生の間に、IT分野を学び、どのようなキャリアがあるのか知っておくことが、進路の選択にいかに鍵となるかがわかると思います。

図1 OECDの調査結果

※PISA2018の結果をもとに、特定非営利活動法人Waffleで作成

ーー日本の多くの高校では、1年次に文理選択があります。その影響が大きいですね。

田中 そうなんです。文理選択で文系を選んだ生徒は、「理工学系は無理、できない」と敬遠しがちです。しかし、プログラミングの成功体験があれば、IT分野も大学進学時の学部や将来の職業の1つとして選択肢になるはずと考えています。
今では、データサイエンス学部や情報工学部など、文理関係なく受験できる情報系の学部が数多くあります。また、文理融合の学部には、大学の授業にアプリ開発をするものもあります。「自分は文系だから」と思い込まずに、大学生になっても社会人になっても、学びたい時に一歩を踏み出せるのは、中高までの成功体験がカギだと思っています。

サポートを受けながら自分の思いを形に

ーーどのような動機でWaffleのプログラムに参加されるのでしょうか?

田中 私たちは現在、女子中高生とジェンダーマイノリティを対象にウェブサイト制作などを行う「Waffle Camp」の実施や、アメリカで行われる10代を対象としたアプリコンテスト「Technovation Girls」の日本チームの出願サポートをしていますが、参加の動機は人それぞれです。「プログラミングに関心があった」という人もいますが、「SDGsで社会課題の解決に役立てたい」「新しいことに挑戦したい」という人もいます。
参加者のほぼ全員がIT初心者ですが、活動では、プログラミング自体に悩むというより、自分の思いをどうすれば実現できるのかに頭を悩ませていました。

ーー自分の力で自分のつくりたいアプリやウェブサイトを完成すれば、自信にもなりますね。

田中 「Waffle Camp」では、参加者の身近な課題を解決するようなプログラムにしています。
たとえば、親が仕事で独立したので、宣伝するウェブサイトをつくりたいという参加者には、どのような機能が必要か、どういう見せ方にすれば情報が伝わりやすいかなどを一緒に考えました。
自分自身で課題を設定し、その問題解決に向けてサイトを作成したことで、「自分でプログラミングを用いた実現方法を考えて、アイデアが形になるのは楽しかった」と大きな達成感を得たようです。また、「Technovation Girls」では、SDGsに関して社会課題の解決につながるアプリをつくるチームが多くありました。
保護者のかたからは「プログラミングが、難しいものから自分の世界をつくることができる楽しいものになった」という声もいただいています。

図2 「Technovation Girls」の参加チームが作成したアプリ

消費者が旬の野菜を食べて過剰生産をなくし、フードロスを減らすアプリ。

※特定非営利活動法人Waffle「Technovation Girls Japan Region 2021 Report」より引用。
https://waffle-waffle.org/wp-content/uploads/2021/08/TG2021-Japan-Region-Report_Final.pdf

ーー保護者のかたもプログラミング学習に成果を感じているのですね。

田中 保護者や学校の先生に勧められたという参加者も多くいます。保護者のかたは、ご自身が中高時代にプログラミング教育を受けていないので不安もあると思いますが、お子さまが希望したらぜひ背中を押してあげてください。また、お子さまの将来の可能性を広げる機会として、「試しに挑戦してみたらどうか」と声をかけてみてほしいと思います。
最近では、私たちのように、IT教育の機会を提供する団体や事業者は増えていると思います。オンラインのプログラムであれば、場所や時間にとらわれずに参加しやすいのではないでしょうか。プログラミングを学ぶだけでなく、現役のエンジニアと話す機会があれば、お子さまの進路選択の後押しにもなります。中学生や高校生のうちに、プログラミングに触れることで、将来の可能性が広がることを願っています。

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プロフィール

田中沙弥果

田中沙弥果

1991年大阪府生まれ。小中高は公立の共学に通う。2017年、NPO法人みんなのコードに入職。文部科学省後援事業に従事したほか、全国20都市以上の教育委員会と連携し、小・中学校でのプログラミング教育必修化に向けて、先生方を支援。その経験を生かし、2019年、一般社団法人Waffleを設立(その後、特定非営利活動法人化)。『Forbes JAPAN』による、世界を変える30歳未満30人の日本人「30 UNDER 30 JAPAN 2020」にも選出。内閣府 若者円卓会議 委員。経済産業省「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」有識者。
ウェブサイト https://waffle-waffle.org

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