強すぎても弱すぎても心配……子どもが競争心とちょうどよく付き合う方法

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何にでも優劣や勝ち負けをつけ、勝ちにこだわりすぎる子。逆に、全く勝ち負けを気にせず、競争自体を極端に嫌がる子。小学生の競争心には、様々なタイプがありますよね。
競争心は強すぎても、弱すぎてもデメリットがあるもの。適度な競争心で、バランスよく成長していくにはどうすればよいのでしょうか。

強すぎる競争心はトラブルのモト! 競争相手を自分自身に設定しよう

勝たないと気がすまない、何でも一番になりたがる……。強すぎる競争心を持った子どもに不安を感じる保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
負けず嫌いであるということは、がんばりたい気持ちと向上心があるということ。決して悪いことではないため、勝ち負けにこだわること自体を否定する必要はありません。
とはいえ、競争心が強すぎると次のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。

・友達を競争相手ととらえ、トラブルが起きやすい

勉強であれ、スポーツであれ、何かにつけて勝ちにこだわりすぎる子どもは、友達をも競争相手ととらえてしまいがちです。
「やったね、オレの勝ち!」「私のほうが点数がよかった!」など、マウントを取ってしてしまうこともあるでしょう。そのため、相手の反感を買うなどトラブルも起こりやすくなってしまいます。

・劣等感も抱きやすい

勝ちにこだわり、勝ったという優越感で自我を保つのはリスキーな側面もあります。勝った・負けた、できる・できないといった単純な観点で人を判断することは、優越感も生まれやすい一方で、劣等感も生まれやすいものです。こわれやすい不安定な自我となってしまいかねません。

競争心が強すぎる子どもに対しては、他人との競争でなく、自分との競争へと視点を変えていけるとよいでしょう。過去の自分を乗り越えていこうという視点を得られれば、成長スピードも成長角度もあがるはずです。
また「友達に勝った」という人と比べる気持ちは、すぐには変えることも難しいものです。「そんなこと言っちゃダメでしょ」と叱るのではなく、まずはよい結果であったことを褒めること。そのうえで「俺の勝ちなんて言ったら誰々くん、どう思うかな? 2人でいい点数がとれるといいね」というように、他者への想像力を働かせる声かけをしてみましょう。
間違っても「誰々くんに勝ったの! さすがだね」といった、他人と比べる気持ちに乗っかってしまうのはNGです。

競争心のない平和主義な子は向上心を育てる!

勝っても負けてもニコニコ……競争心の弱い子は、おっとりしていて平和主義のため、周りの友達ともうまくやっていけることが多いものです。
とはいえ、成長という観点から考えると、競争心がないことは次のようなデメリットがあります。

・成長への意欲を高めづらい

「勝ちたい」という気持ちは、成長への意欲であり、努力の出発点です。競争心がなさすぎるということは、現状維持を好むとも言い換えられます。向上心を持ちづらく、がんばるためのエンジンをかけづらくなってしまうでしょう。

・自己肯定感を得られにくい

競争心が欠けていると、現状維持で満足してしまいがちであるため、努力して何かを勝ち得たという達成感を覚えづらくなります。達成感は自己肯定感の源。自己肯定感を得る機会が減ってしまうのは、避けたいものです。

競争心の弱い子に対しては、まずはチャレンジする環境を用意することで、向上心を刺激しましょう。がんばったことを褒め、認めることで、子どもは「次もがんばりたい」という気持ちに火をつけることができるようになります。

まとめ & 実践 TIPS

競争心は強すぎても、弱すぎてもデメリットが大きいもの。しかし、適度な競争心を持った子どもであれば、向上心を持ち続けることで、継続的に努力できるようになります。それは、成長にとって必要不可欠な姿勢。競争心を持つ上で大切なのは、他人との競争でなく自分との競争という視点です。自分自身を乗り越えて成長していく子になるよう、サポートをしていきましょう。

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