「9歳の壁」って何? 乗り越えるための保護者のサポートとは?

「9歳の壁」という言葉を耳にしたことはありますか。この時期、学習や生活、友人関係などさまざまな場面で苦手意識をもったり、自信を失ったり、「壁」にぶつかる姿が見られやすくなります。9歳前後の子どもの発達をよく理解して、壁を乗り越えられるようにサポートしましょう。

抽象的思考や客観視する力が育つことが要因の1つ

9歳というと、小学3~4年生にあたります。まだまだ子どもという幼さを残しつつ、ちょっと背伸びをした大人びた言動も目立ち始める頃でしょうか。この時期の子どもが壁にぶつかりやすいのには、いくつかの要因があります。

●抽象的な学習内容が増える

小学校低学年の学習は、目に見える具体物や身近なことが主な対象となります。ところが3年生になると、例えば、算数の小数や分数、理科の電気など、具体的にイメージしづらい抽象的な内容が増えてきます。こうした学習内容が増えるのは、この時期の子どもに抽象的思考が育ち始めるからですが、成長には個人差があり、つまずいてしまう子どもも少なくありません。

●(抽象的思考の発達により)不安や恐怖を感じやすくなる

抽象的思考が育つと、自分が経験していないことや未来に起こるかもしれないことを想像するようになります。すると、将来に不安を抱いたり、死に強い恐怖心を抱いたりすることがあります。

●自分を客観視する力がつく

小学校低学年の子どもは保護者がほめたり励ましたりする言葉を素直に受け取ってがんばる姿が見られます。ところが9歳くらいから、自分と周囲を客観的に見比べて、劣等感をもったり、自信を失ったりしやすくなります。上で述べたように学習も難しくなり、「自分は頭が良くない」などと悲観してしまうこともあります。

抽象的思考や客観視する力は、どちらも大人になるうえで欠かせませんから、こうした「壁」は成長の表れに他なりません。ですから、保護者のかたは、否定して叱ったり、過度に心配したりせず、むしろ「わが子がしっかりと成長している」と、いったんは安心してください。

保護者のサポートで壁を乗り越えやすくなる

子どもは壁を乗り越えて大きく成長しますが、あまりに思い悩んでいるようなら、大人のサポートが必要になります。次のような言動が見られたときのサポートについて解説します。

◎抽象的な学習内容でつまずいている

できるだけ具体物に置き換えて考えるようにしましょう。例えば、「0.5」「1/2」は、ともに「半分」であることを身近な物を使って説明します。特に算数は積み上げ式の教科ですから、どこかでつまずくと、わからないことがどんどん増えてしまいます。どこまでわかっているのか、どこからわからないのかを突き止めて対策を立てることが大切です。

◎短所ばかりに目が向き、自信を失っている

自分の短所にばかりに目が向いて自信を失ってしまうことがあります。保護者のかたが、子どもが「できること」「できたこと」を具体的に話したり、ほめたり認めたりして、長所を見つめさせましょう。そのうえで、「できないこと」については、どうすればできるようになるかを具体的に話し合い、一緒に努力することを伝えると前向きな気持ちになるはずです。

◎「○○したらどうしよう」などと心配する

物事を悪いほうに考えて不安や心配を抱いているときは、保護者のかたが「お母さん(お父さん)はこう思うよ。なぜなら……」などと、わかりやすく考えを伝えましょう。その際、自身の体験談を交えると説得力が高まります。子どもの悩みに関連する書籍を紹介して視野を広げるのも良い方法です。

「9歳の壁」は、直面した子どもはもちろんこと、おうちのかたにとってもとても大変な時期です。でも誰もが通る道。一歩ずつ大人へと歩み出している子どもの変化をできるだけポジティブに受け止め、長い目で見守ってあげてください。

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