子どもたちの未来を支える資産を作る~ジュニアNISA入門~【よくある質問】
子どもの未来や夢を応援するための手段として「金銭的な応援」があること、そして中でも、資金運用の制度としてジュニアNISAが今年1月から始まりました。そこで、コモンズ投信の渋澤健さんに、「投資」と「貯金」「保険」の違い、ジュニアNISAのよくある質問について、お聞きします。
■「貯金」「保険」「投資」の中から「投資」を選ぶことの意味
「貯金」や「保険」「投資」も、未来に対する不安を取り除くという意味では、同じものといえます。しかし、これらはあくまで別物として、分けて考えるのがよいでしょう。たとえば、保険は、あくまでも保険です。何かあった時のリスクに備えるためのもので、お金を積み立てたり、増やしたりする種類のものではありません。一方、投資はお金を働かせて増やすためにあるものです。また、価値を創造することに対価を払うことでもあります。投資(英語では、「invest」といいます)とは「投」げる「資」金というギャンブルではありません。inは入れること、vestはチョッキ。つまりinvestとは、「自分から遠いところの成長を取り込むことができるチケット」を、自分のチョッキのポケットに入れて身に付けている」ことを意味します。
貯蓄型保険や学資保険など、かつてほどの戻り率が期待できない今、その代わりになるものとして、ジュニアNISAでの資金運用を視野に入れてみるのもよいかもしれません。また、投資について考えることは、ご家庭の貯金や保険について改めて考えたり、見直したりできるよい機会になるのではないでしょうか。
■ジュニアNISAについての素朴な疑問
Q1 NISAとジュニアNISAとの違いとは?
既存のNISAとジュニアNISAの大きな違いは、子どもの名前で口座が作れるということです。子どもの名前で口座を作れるということは、きちんと「子どものためのお金」として運用できるため、それ以外のお金と分けて考えることができるのではないでしょうか。
そのほかの簡単な違いは以下のとおりです。
NISA | ジュニアNISA | |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間80万円 |
取引主体者 | 口座名義人本人 | 親権者等 |
金融機関の変更 | 可能 | 不可能 |
払出制限 | なし | 18歳まで払出不可 |
※詳しくは、ジュニアNISAの口座の取り扱いがある金融機関のサイト等をご確認ください
Q2 ジュニアNISAに贈与税はかからない?
そもそも贈与税は、贈与の記録が残っていて、年間110万円の範囲内であればかからないものと法律で定められています。そのため、ジュニアNISAも年間110万円までの枠内で使う分には、贈与として認められています。
たとえば、毎月1万円×12か月で1年間12万円をジュニアNISAの口座で運用している場合は、残りの98万円の枠が残っているということになります。
Q3 ジュニアNISAの非課税期間は「5年間」だけと聞いたけれど……
確かに、NISAもジュニアNISAも非課税の期間は5年間という期限付きの制度です。注目しておいていただきたいのは、2014(平成26)年に始まったNISAが5年目を迎える18(同30)年の動きです。この時期になると、制度が終了したという理由だけで、株式を売ってしまう人もいるでしょうから、それを防ぐためにも、制度が恒久化する可能性があります。NISAもジュニアNISAも始まったばかりで、これから変わってくることも多い制度です。たとえ5年間で制度が終わってしまったとしても、税金において優遇されるということには変わりありません。まずは多くの人が活用することが、制度の恒久化への第一歩となります。
新しいことにチャレンジしたり、自分の人生を左右するような進路を選び抜いたりすることは、子どもにとってとても勇気のいることです。投資は毎月数千円の少額からでも始められるものもありますから、人生の岐路に立ったお子さまの背中を押してあげられるような手助けを、保護者のかたができるようになるとよいですね。